10月23日(火) 午前11時。嫁と杉並区上井草駅前の「細見デンタルクリニック」へ。 先週の土曜日に前歯が欠けているのに気づいた。でもいつ欠けたのかわか らない。寝ている間に歯ぎしりで割れたかな? しかし最近の歯医者さんはすごいね。欠けた前歯をスーパーボンドと樹脂 みたいなもので、その場であっという間に粘土細工のように整形してしまう のだからなあ。、ほとんど『スターウォーズ』の最後で、主人公が切り落と された腕が簡単に作れちゃうみたいなもんだ。 知らない間に、私たちはサイボーグ化しているのだ。 午後12時30分。吉祥寺前進座の前のおそば屋さん「よしむら」へ。 お昼のおそばとすき焼き丼のランチを食べる。ここはわざわざ遠くから食べに行くだけ価値のあるがじゅうぶんあるお店 だ。 せっかく吉祥寺に来たのだから、声優の神谷明さんの事務所に寄ったら、 そうだ! 神谷明さんは漫画雑誌『週刊コミック・バンチ』の編集部といっ しょにさらに吉祥寺駅寄りに移転してたんだっけ! そのまま吉祥寺駅へ。 あいにく、神谷明さんが不在だったけど、事務所の方と話ができたので、 まあいいやと思って、帰ろうとしたら、『週刊コミック・バンチ』の編集長 であり、『週刊コミック・バンチ』を編集してるコアミックスの社長でもあ る堀江信彦くんと、玄関でばったり。 せっかくだからと、ちょっと雑談。 元『週刊少年ジャンプ』編集長でもあった、堀江信彦くんと話すと、やっ ぱり“ジャンプ魂”の話になってしまう。 昔から、ジャンプ編集部では、作品に魂があるかないかで議論する。 作品に魂が入っていないものは、読者の心を打たない。 上っ面だけで作ったものは、いい作品にならない。 漫画家と編集者は、よきパートナーであって、おもしろいものを作るため に、どうしたらいいかをいっしょに悩むものだという話になる。 さらに、漫画家は好きなものを描いていればいいのではなく、読者が喜ぶ 様を見て初めて自分も喜ぶべきだという、週刊少年ジャンプでは、当たり前 だった言葉を、堀江くんからひさしんぶりに聞いた。 「ああ! なつかしいなあ!」 いまもずっと週刊少年ジャンプの魂を受け継いで、伝承させていこうとし ている、堀江くんはえらいなあ。 「こういう編集が少しはいないと業界のためによくないでしょう!」と堀江 くん。 ご立派! 『週刊少年ジャンプ』が前人未到の600万部という驚異的な 部数を樹立したかげには、こういうジャンプ魂があったんだよ。 私も堀江くんも「ボクたちはジャンプに育てられたもんねえ!」とうなず き合う。 『週刊コミック・バンチ』のほうは、すっかり高部数のまま安定している そうでなりより。それより、単行本の売れ行きが、40万部、50万部と、 いまの出版界では信じられない数字を叩き出しているのには驚いた。 週刊漫画雑誌の10番目ぐらいの人気の漫画が、だいたい3万部行くか行 かないかの時代だからね、いまは。 最近、業界の景気の悪い話を聞きっぱなしで、どんよりしていたんだけど、 こういう話を聞くと、わくわくして来るなあ。 このあと、ひさしぶりに吉祥寺を見て回る。 昔知っていたお店がいくつも潰れていたけど、吉祥寺は昔よりもお店が増 えていて、いまどき元気な町だ。人出も実に多い。 いったい、寂れて行く町と、こうして元気な町のどこが違うのかなあ? やっぱり「魂(スピリッツ)」かな? 午後3時。「多奈加亭」で、紅茶にシュークリーム。 カウンターに座っていると、目の前の女の子が若いのによく働くなあと感 心する。この子が休んだら、このお店、ガタガタになるんだろうなあ。 午後4時30分。帰宅。 前から企画していた、iモード用ゲームの新作の仕事を始める。 まだどこで配信してもらうか決まっていないけど、クイズ物なので、いま はとにかくクイズ問題の数を増やす段階。システムはもうすでにできあがっ ている。 適当な問題を混ぜればもっと簡単にできるのだが、どうも私の場合、おも しろいクイズ、ためになるクイズ、変わったクイズをめざすので、まるで川 で砂金を探すように、問題数が増えていかない。 午後7時。家族3人、新宿高島屋で買い物ののち、12Fの「つばめグリル」 で、ジャーマンハンバーグ。 午後8時30分。帰宅。 引き続き、新作iモード・ゲームのクイズ作成!
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