10月1日(月)

 午後12時。嫁と、四谷の「佐賀ラーメン」へ。
 
 食後、新宿に出て、カメラのさくらやで、コンピュータの周辺機器など
購入後、私だけ自宅へ。

 このところずっとちょびちょび、ちょびちょび見ているビデオ『「もの
のけ姫」はこうして生まれた。』の第2章、第3章を見る。

 巻き戻しては、再生し、宮崎駿さんの聞き取れなかった声を、もう一度
再生しては感嘆する。
 とにかく私は、メイキング・ビデオ・マニアで、本編を見ていないのに、
メイキング・ビデオだけ買ってしまうほどだ。
 メイキング・ビデオを見ると、元気が出て、無性に仕事したくなる。
 私にとっては、栄養剤のようなものだ。

 ところが、この『「もののけ姫」はこうして生まれた。』は、どうも
いかん。
 珍しく、自己嫌悪に陥っている。
 どんなことがあっても、他人は他人と思えてしまうほうなのだが、嫉妬
しているのかな。嫉妬自体、他人に対して思ったことのない男と言われて
いるので、これが嫉妬なのかどうかもよくわからない。はっはっは。

 ただ、宮崎駿さんのような体制で、作品を作ってみたいという気持ちと、
体力的にあの真似はとてもできないなあ!と思う気持ちが、波のように押
し寄せては、引いていく。

 でも間違いなく、今後クリエイティブな仕事をめざす若い人は、この全
3巻をしっかり網膜に焼き付けるように見たほうがいいよ。
 10代のときに、このビデオを見たかったなあ。

 何だかインターネットの世界では、宮崎駿さんが毎回、作品が上映され
る度に、引退宣言しては撤回するのが許せないという論議をしているらし
いけど、そういうこという人こそ、このビデオを見たほうがいいよ。
 あそこまでの作り方をしたら、毎回、引退したいと思わないほうが、異
常だと思う。

 ああ、とうとう全3巻ぜんぶ見終わっちゃった。
 う〜む。う〜む。う〜む。う〜む。言葉にならないな。
 漢方薬のように私の身体に染み込んで行っちゃった。

 雨の日は、映画三昧がいちばんだ。
『「もののけ姫」はこうして生まれた。』で、回転数の上がりすぎた頭を、
『黄金の七人』のDVDで冷却しよう。
 この映画好きだったんだあ。
 やっとDVDで出た! 1965年イタリアの作品。
『007』、『0011ナポレオン・ソロ』、『ピンク・パンサー』、
『ファントマ危機一髪』、『電撃フリント』といった、スパイ映画、秘密
諜報部員もの、銀行強盗ものの映画が私の創作活動の原点だと思う。
 なかでも『007』シリーズに次いで、好きだった映画が、この『黄金
の七人』。軽妙なウィットと、おしゃれな音楽と、グラマラスな美女は、
いかにも外国映画!といった高級感を私に植えつけたものだ。
 
 毎月1日は、映画の日。
 

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