9月14日(金)

 昨夜から『誰も書かなかったオードリー』(吉村秀夫・講談社α文庫)
を読む。
 かなりの名著で、的確にオードリー・ヘップバーンを分析しているな
と思っていたけど、最後がいただけない。
「オードリーの映画は『暗くなるまで待って』で終るべきだったと思う」
 この言い方は、評論家が必ず最後にやる、私のどうだ、私はオードリー
・ヘップバーンについて詳しいだろ自慢になっていることに本人が気づ
いていない。
 オードリー・ヘップバーンは女優である。映画は監督以下、脚本家、
照明、配給会社、ありとあらゆる人たちの総合芸術だ。
 監督に対して、「『暗くなるまで待って』で終るべきだったと思う」
と言い方はあるとしても、女優にそれをいうのは酷ではないか?
 そのあとに1本、いい映画に出れるかどうかは、女優に見極めは難し
いだろう。
 いい本だっただけに、残念。
 だいたい、人の仕事に対して、終るべきだったという言い方って、
すごく失礼だよねえ。

 午後12時。銀座の「渡辺内科クリニック」へ。
 血圧138―104。先月より強い降圧剤に変えたのに、さらに血圧
が上がっている。そりゃ、そうだろうなあ。昨日のショックな出来事で、
ストレスが溜まらないほうが尋常ではない。
 しかもそのストレスの原因を語ることができない自由業のもどかしさ
もまた、多大なるストレス製造機になっている。

 午後1時。ひさびさに人形町の「喜(き)寿司」へ。
 やっぱりこのお寿司屋さんのマグロ、煮イカは絶品だなあ。走りの
イクラが真珠のように美しくて、うまいっ。
 ストレスはうまい物で解消にかぎるなあ。

 人形町の「紬の橋爪」へ。
 私の数少ない親戚。

 午後2時30分。青山一丁目から、銀杏並木を通って、神宮球場に抜
ける道を散歩。くもり空で湿気が多いせいか、汗びっしょりになる。
 帰宅後、仮眠のつもりが、熟睡。

 午後6時。自宅で、冷麺。銀座の「若菜」で買って来た、水茄子がう
まいっ!

 食後、iモードゲームの毎月原稿を書き始める。
『西遊記』漫画シリーズは、いよいよ手塚治虫さんの『ぼくの孫悟空』だ。
 このシリーズをあと2ヶ月やって、『さくま式西遊記』の毎月原稿は、
ラーメン談義に移ろうと思っている。もちろん、全国のラーメンについて
ですぞ。
 

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