9月11日(火) きょうほど、自由業でよかったと思える日はない。 午前9時に、台風15号が鎌倉に上陸し、お昼頃には、東京23区が 台風の目のなかに入った。 TVで、ズボンをびしょびしょにしながら、通勤するサラリーマンを 横目に見ながら、ゲホッゲホッ。ゴホッゴホッ。まだ咳き込みながらも、 おかゆを食べる。 まあ、自由業だから、台風の日に家にいられるというわけでなく、た またまきょうは、でかける仕事がなかっただけである。むしろ、自由業 だと、台風だろうが、槍が降ろうが、約束さえすれば、現場に急行しな いといけない。 食後、まだ風邪が完治しないので、これ幸いとばかりに『竜馬がゆく』 を読む。 いよいよ蛤御門の変が終わり、坂本竜馬が西郷隆盛に初めて会う場面 まで来たから、おもしろくて仕方がない。 司馬遼太郎さんの本はどれも、後半になると、会話体が増え、ワン・ センテンスも短くなり、スピード感が増す。切れ味のいい比喩が増え、 歴史上の人物がいま目の前に画像となって見えるかのような文章だ。 その豊かな語り口は、毎度、毎度、ただただ脱帽し続けるだけである。 私は何年かに一度、こうして司馬遼太郎さんの本を読み返すことで、 プロ野球選手がバッティング・フォームを矯正するように、自分の文体 チェックをする。 その矯正方法は、さすがに極秘でござる。 ほとんど何でも包み隠さずしゃべってしまう私の数少ない秘密のひと つだ。 ありゃ? 家の外に出てみたら、家の玄関のけっこう大きな植木が倒 れていて、道路に飛び出しているではないか! これじゃ、車が通れない。えらいこっちゃだ。あわてて、嫁が玄関の駐車場のほうに、植木を引 き寄せる。怪力…とは言ってはいけない。私がすっかり力仕事に適さな い身体になってしまっているので、我が家ではお父さん役は、すべて嫁だ。 それにしても我が家から倒木が出るとは、台風の被害とは無縁だと思 っていたが、意外に大きな被害ではないか。 午後4時。佐藤志靖さんの美容室『レ・ザンジュ』へ。 午後7時。嫁と麻布十番の「たらふくまんま」へ。 実はこのお店、福岡の本店から独立することになって、お店の名前が 「たらふくまんま」から「とらくまもぐら」という奇妙な名前に変わった。 店内はまったく変わらないのだが、どうも味が変わったように思える のは、お店の名前が変わったせいか。名前というものは重要なものだな。 帰宅後、昨日の『桃太郎電鉄X(ばってん)〜九州編もあるばい〜』 テスト・プレイの結果を仕様書にまとめる作業を始める。 かわいそうなレッド・ロビン&アベリア(植木の名前)
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