9月10日(月) 午後1時。台風のなか、台風よりも怖い男、井沢どんすけが我が家に 到着。 引き続き、土居ちゃん(土居孝幸)も到着。 きょうも『桃太郎電鉄X(ばってん)〜九州編もあるばい〜』のテス ト・プレイ。まずは全国編から。土居+井沢+COMキャラで対戦開始。 「土居さ〜ん! また豪速球カードですかあ!」 「うん。やっぱりテスト・プレイしてみないと!」 「先週もいっぱいつかってたじゃないですか!」 「うん? そうだったっかな。ははは!」 「ひえええええっ。ぼ、ぼ、ボクのオレンジカードがあああああっ!」 土居ちゃん(土居孝幸)がメンバーに入ると、いじわる系のカードを つかいまくってくれるので、テスト・プレイとしては助かるのだが、対 戦する相手はたまったものではない。 午後5時。ハドソン桃太郎事業部の梶野竜太郎くんが到着。 「あれ? 柴尾さんは?」 「お昼頃、電話があって、いまから寝るから、起きるのは午後6時くら いという連絡は入っている」 「んん? たぶん、起きないな!」と、土居ちゃん。 「うん。ゆっくり寝かせておいてあげよう!」 梶野くん、土居ちゃん、井沢どんすけの3人で。『桃鉄公式戦』を1 試合。 「早いッすねえ! 1時間半ぐらいで、このモード終るんだ。これなら、 全国大会につかえる!」と喜ぶ、梶野竜太郎くん。 午後7時。再び、土居ちゃん、梶野竜太郎くん、井沢どんすけの3人 で、九州編対決。私はプレイヤーが,どんな場面でどんなカードをつか うのか? 貧乏神が買ってくるカードに偏りがないか? 出る確率の少 ないイベントは無いか?といったことを、チェックする。 井沢どんすけが、しきりにテレポートカードを買いにカード売り場に 行くので、仕様書の手直しで、テレポートカードを売ってる場所を減ら してあげる。そんな調子である。 「井沢くん! キミ、今回から10年ぶりでスタッフに加わったのに、 このところまったくゲームに対する批判が出てこないよ!」 「あははは! すっかりふつうにゲームに熱中してます!」 「それじゃ、君の存在価値が無いんだけど!」 とはいうものの、井沢どんすけがこれだけ熱中するということは、 ゲームのほうのチューニングは9割方完成の証拠なのだ。 あとはこまかい演出の部分と、微妙なカード確率だけだな。 「こ、これが、どんちゃんが、キングボンビー以来のキャラと言ってい た、評判の●●●●ッすかあ!」と、梶野竜太郎くんが叫ぶ! 「これはいい! これはいい! 携帯ストラップ作りた〜い!」と、 梶野竜太郎くん。宣伝部だけに、喜びの表現がグッズのコスト計算をし てから叫ぶところがおもしろい。ふっふっふ。とにかく、この九州編の「●●●●」は、注目のキャラ なのですよ! 構想五年という言葉が嘘じゃないくらい練り上げたキャ ラだからねえ! きょうも、「●●●●」が登場するやいなや、3人の目が血走る! 必死に進行系カードをつかって、奪い合う! いやあ。こういう風に自 分が作えい上げたキャラが、自分の想像を越えた受け方をすると最高に うれしい。 毎月、何度も、何度も、九州を取材した日々が懐かしい。 午後11時30分。テスト・プレイ、タイム・オーバー! 10時間以上、ぶっ通しのテスト・プレイは、私の体がもたん。見て いるだけだけど、3人のプレイを必死に頭のなかのA・Iに覚え込ませ て、今後のチューニングや、ゲーム作りに生かさないといけないから、 コントローラ握って、参加しているときのほうが、よっぽど疲れない。 午前3時。ダメだ。やっぱり根を詰めすぎたせいで、眠れない! 頭のなかのエンジンがいまも、ブルンブルン音を立てている。 台風はもうすぐ伊豆に上陸するらしい。
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