9月4日(火)

 風邪はまったく直っていない。喉がひりひり痛いまま。咳き込む。
 かろうじて、寝汗をかき始めているので、少しは回復に向っているの
かな程度。
 困ったことに、私の場合、熱が出ると、妙にギャグが浮かんでしまう。
 ここ数日間も、くだらないギャグが次から次へと浮かんだ。

 同音異義語。
「すごいお宅」と「すごいオタク」。
 …悲しい性である。

 午後3時。へろへろの身体のまま、御茶ノ水の山の上ホテルへ。
 レストラン「シェヌー」でヴァイオリニスト・朝枝信彦さんのアフタ
ヌーンコンサートがある。定員わずか100名程度の小さなコンサート
だが、まさに目の前で朝枝信彦さんの息遣いがわかる距離で、素晴らし
い音色が聞けるのだから、風邪を押してでも行く価値がある。

 私のまわりにも少しずつ、朝枝さん信者が増えて来た。
 きょうもこのコンサートに、柴尾英令くん、霊能者兼漫画家の岩崎摂
さんと、その友人の裕美ちゃん、放送作家の清正まなつチャンなども駆
けつけた。

 司会は、もちろん、すぎやまこういち先生。
 すぎやま先生の人に対するホメ方は、いつも感心しきりなのだが、教
養に裏付けされた言葉なので、おいそれと真似ができない。

 演奏曲目は、以下の通り。

 ・コレルリ:ソナタ ニ短調 作品5―1
 ・ジェミニアーニ:ソナタ イ長調 作品4−10
 ・モーツァルト:ソナタ ハ長調 KV296
 ・ゲスタ・ランゲ:モーツァルトの主題によるソナチネ
 ・ベルゴレージ:ソナタ 第12番 ホ長調

 すらすら曲目を書いているように見えるが、もちろんプログラムを見
ながら、誤植しないようにと、恐る恐る書き写している。
 もう何度も朝枝信彦さんのコンサートに行ったけど、いまだにその本
当の実力の5万分の1程度しか、わかっていないと思う。でも最近、よ
うやく朝枝信彦さんが、ほかのヴァイオリンの人といっしょに演奏する
と、明らかに朝枝さんの音のほうが伸びがよくて、豊かだということに
気づき始めた。

 きょうのように、朝枝さんひとりに、ピアノに河原忠之さんひとりと
いう構成では、浅学非才な私の感性では、比べる対象が無くなってしま
うので、どこまですごいのか、本当のところはよくわからない。
 でも、演奏を聞いたあとに、確実にRPGで経験値がたまって、
♪チャチャチャッチャッチャーーーン!と、レベルアップした気分には
なれる。

 午後6時。コンサートのあとパーティがあり、ビュッフェ形式で軽食。 
 山の上ホテルの料理だけに、美味しい。
「プティ・ポワン」の北岡さんご夫妻、すぎやまこういち先生ご夫妻と
歓談。
 柴尾英令くんがちゃんとクラシックの話をすぎやまこういち先生と話
しているぞ。ただの酔っ払いデブではなかったのかあ!

 午後6時30分。喫茶「ヒルトップ」に、成沢大輔くんと、漫画家の
真木ひいなサンが到着したところで、私は体調不良のため、うちの娘と
いっしょに、いただきものだけして無念の早退。
 自宅に戻り、横浜対巨人戦を見ながら、寝汗と、冷や汗をかく。
 冷や汗かいて勝てばいうことないのだが、貧打に次ぐ、貧打で敗退。
 早く風邪を治したいぞー!
 

-(c)2001/SAKUMA-