8月21日(火)

 私の携帯電話は「―(ハイフン)」も、数字も使ったものなので、
ずっと知り合いからのメールしか来なくなっていたんだけど、急に先
週から、毎日4〜5通の出会い系メールが来るようになってしまった。
 すごいもんだねえ、エッチ産業の人たちの商魂のたくましさ。
 NTTが、いくら数字をつかったメールアドレスをとTVで宣伝し
ても、それを上回るソフトを開発しちゃうんだもんなあ。

 こういう業界の人がゲーム業界に来てくれるといいのになあ。

 午前11時。JR高田馬場駅で、酔っ払い超人・柴尾英令くんと、
ラジオ長崎の雪見大福こと、山本耕一アナウンサーと待ち合わせ。
もちろん嫁もいる。

 そのまま、「ラポール」で、軽食。

 午前11時30分。新宿寄りの高田馬場駅前の「ヒューマンアカデミー」
へ。
 昨年夏、ここでやったトークショウを、今年も依頼された。
 今年も神戸校の山田くんとのトーク。
 しかも今年はなんと、ヒューマンの山田くん(いつもこう言っていて、
山田くんの下の名前を忘れている)は大胆にも堀井雄二くんにも出演を
依頼していて、まんまとOKをもらったそうだ。
 というわけで、きょうは「さくまあきら&堀井雄二トークショウ」と いう何とも豪勢なイベントと相成った。  急な出演なために、ポスターにも堀井雄二の名前はない。シークレッ ト・ライブってやつ? それにしても、何でいつも私だけ顔写真でなく、 イラストなの?  まあ、私の顔より、土居ちゃんの絵のほうが知名度が高いからなあ。
 午後12時。東京校の多田文夫学園長、芳賀昭文マネージャー、山田 くんなどと、近くのお店で、天ぷらを食べることに。  ありゃまあ。てっきりお昼ご飯はでないと思って、さっき食べてしま ったでござるよ。まったく箸をつけないのも失礼なので、サツマイモと 海老に手をつける。  美味しいじゃないか。  この調子で、全部食べると、スペアデブになってしまうので、遠慮する。  ふと、横のほうを見やると、元祖スペアデブの柴尾英令くんは、天ぷ らを全部平らげているではないか! お見事デブ!  午後1時。ヒューマン・アカデミーに戻る。  そういえば、このヒューマンの山田くんを紹介されるきっかけになっ たのが、先月ハドソンを退社した武田学くんである。  その武田学くんの新しい会社がこの近くにあったなというのを食事中 に気づき、嫁に連絡してもらったら、わざわざ来てくれた。  いつのまにか、キングボンビーの娘・うちの娘もやって来ていた。  いよいよトークショウの開始。  きょうのこのイベントは、テレビ会議システムというのをつかって、 札幌校、仙台校、名古屋校、大阪校、神戸校、福岡校にも流れるという、 まるで27時間テレビとか、『愛は地球を救う』みたいなビッグ・イベ ントだ。  ところがこのテレビ会議システムの調子が悪くて、どうも私と堀井く んとのやりとりの音が途切れがちになってしまうようだ。  とくに台風直撃の大阪校は、音声がまったく届かないようだ。  でもこういうアクシデントって、楽しいよね。  こんなすごいシステムが、流暢に作動されてしまうと、なんだか時代 に取り残されたような気になるものだが、こうして調子が悪いと、私の ようなものでもまだまだ出番があるなと、うれしくなる。  テレビ会議システムをつかった、新しいコンテンツ作りができるかも しれない。  何でも創生期のどさくさの頃のほうが、ビジネス・チャンスがある。
   マウス・オンで画像が動く!
 トークショウのほうは、いたって和気藹々のムードで進む。  けっこう危ない質問も多かったようだけど、私にしても、堀井くんに しても、そんなに困るような質問はなかった。もっと過激な質問が来て ほしかったなあ。  ちゃっかり、私は生徒さんたちの質問に乗じて、ゲーム製作の遅らせ 方を堀井くんに質問して、素晴らしい方法を伝授してもらう。  それにしても、こういう公開の対談。  堀井くんとの対談は、学生時代の友人が世間話をするようなものだか ら、全然気にならないんだけど、ひとつだけ困るのは、呼称だ。  この日記でも、堀井雄二とか、堀井くんとか、固定してない。  実は学生時代から、私は堀井くんのことを「おっちゃん!」と呼び、 堀井くんは私を「おっさん!」と呼ぶ。  これは学生時代、ふたりがよく聴いていた、あがた森魚という人のア ルバム『嗚呼! 無情(レ・ミゼラブル)』の一曲だったかで、 「おっちゃん!」「おっさん!」 と呼び合う『元祖ラヂヲ焼き』というのがあって、あれがそのまま今日 までずっとお互いの呼称になってしまっている。  だから、つい対談中「おっさん!」と言いかけては「堀井くん!」と 変換する。ちょっと「おっさん!」「おっちゃん!」と呼び合う姿は、 お下劣だ。  これがいちばん気苦労だったりする。  きょうもつい、ひとこと、ふたこと言ってしまったような気もする。   午後3時。トークショウ終了。  ヒューマンの6Fで、終了後の雑談。  この雑談中に、テレビ長崎の山本耕一の持ち番組『TVみゅ〜で』の 録画。何でもこの特番には、ビッグ・ゲストとして、あの放送作家業界 の巨匠、いや巨漢の福本岳史大先生が、わざわざ長崎で生放送で出演な さるそうである。  しかも「なぞなぞ」の投稿作品を審査成されるそうである。  その福本岳史大先生の前座として、本日、私、堀井雄二のふたりが、 ビデオでちょこっと出演ということになったのである。ふふふ。  こう書けば、福ちゃんが困りまくるだろう。  もう一度、書いてあげよう。  福ちゃんの前座は、私と、『ドラゴンクエスト』の作者・堀井雄二と、 『MRざましテレビ』の小島奈津子アナウンサーである。  笑ったのは、堀井雄二にまで、なぞなぞを依頼するまでは勢いがあっ た、山本耕一だったのだが、いざハンディカメラで、堀井雄二と対峙し たら、あがってしまって、山本耕一のほうが、NGを出してしまった。  一応、山本耕一が学生時代、うちでアルバイトしていたときにも、堀 井雄二とは面識があるはずなんだけど、今日の堀井雄二という名前は、 当時からは想像できないようなビッグ・ネームになってしまっているか らなあ。  でも私から見れば、長崎県では、堀井雄二よりも、私よりも、山本耕 一のほうが、ビッグ・ネームである。  所変われば、品変わるですな。
 このあと、堀井くんとふたりで、なんだか『月刊明星』の表紙みたい な写真を撮られまくる。専門家のカメラマンさんをつかった本格的な写 真撮影だ。ふたりでげらげら笑いながら、握手しているポーズや、寄り 添ったポーズを撮られたりしたけど、あの写真を何につかうのか聞くの を忘れた。  やっぱり堀井くんとの仕事は、遊びモードのままになっちゃうなあ。  午後4時。堀井くんは、エニックスへ。  近くの喫茶店へ。メンバーは、うちの家族、柴尾英令くん、山本耕一。  柴尾英令くんと『桃太郎電鉄U(仮)』の打ち合わせ。 『桃太郎電鉄X(仮)』の発売が延期になるかもしれないというのに、 次回作の話をしないといけないのが、面妖である。  午後5時30分。自宅に戻る。 『桃太郎電鉄X(仮)』の仕様書の手直し作業。    午後6時30分。自宅で、伊勢うどんを食べながら、横浜対巨人戦。  試合の流れがすっかり巨人に風が吹いていて、まったく横浜ベイスタ ーズに勝利の女神が微笑まない。くすりとも微笑まない。  ときおり流れる、気象情報のほうがリアルで、台風11号が、紀伊半 島に上陸したというテロップのほうが、緊張感がある。  串本、尾鷲の方向に進むという情報を聞くと、『桃太郎電鉄』の台風 のコースかあ。尾鷲を通ると、東京は通らないなと思ってしまうのだが、 明日の午前6時ぐらいに、東京直撃のようである。  午後9時30分。気がつけば、2対9。  まあ、きょうはこんなもんだ。  横浜ベイスターズの今シーズンは、森祗晶監督の試合26分間中断の 抗議の日に終ってるからね。谷口投手、東投手といった新戦力をたくさ ん使って経験を積ませる用法になっているのが、うれしい。  今夜も『桃太郎電鉄X(仮)』の仕様書の手直し作業の続き。  スーパー・テスト・プレイヤー井沢どんすけが来たあとは、直しの原 稿が山積みで、書いても書いても終らない。  高血圧の危険もはらんでいるから、無理はしないようにしないとな。  ちょびちょび…。ちょびちょび…。がっがっがっ! おっと、いけな いない!   ちょびちょび…。ちょびちょび…。
 

-(c)2001/SAKUMA-