6月19日(火) 午前11時30分。嫁と有楽町交通会館へ。 パスポートの申請だ。ふっふっふ。パスポートの申請程度で「ふっふっ ふ」もあったもんではないが、一応、ふっふっふ。 午後12時。大手町ビルヂングB1へ。 作詞家の松本一起(まつもといっき)さんの書の個展を見に行く。 ふだんから、雑誌などで人間国宝の陶芸家さんたちと対談し、ご自分で も、ろくろを回すような風雅な方なので、書のほうも自由闊達で絵画のよ うだ。私も長年書道を習っていたけど、こういう豊かな書は、書けそうにない。 でも年を取ったら、こういう趣味をひとつぐらい持ちたいものだ。と同 時に、いつまでも馬鹿なことをやり続けたほうが、私らしいと思う気持ち が、交互する。 個展の会場には、松本一起(まつもといっき)さんもいらして、ご挨拶。 デジカメを持って来るのを忘れたので、松本一起(まつもといっき)の見 事な書を紹介することができない。 この個展は、6月29日までやっているので、興味のある人はぜひ。 個展とは別にひとつ新発見だったのが、松本一起(まつもといっき)さ んが、池田聡さんの『モノクローム・ビーナス』の作詞家だったこと。 1988年当時、ファミコン版の『桃太郎電鉄』を作っている頃、札幌で 理由もわからず、この『モノクローム・ビーナス』を1日じゅう聴いてい てばかりいたことを思い出した。 歌詞の始まりは「忘れたくて…」だったが、当時何を忘れたかったのだ ろう。 ちなみに、松本一起(まつもといっき)のヒット作には、中森明菜さん の『ジプシー・クイーン』、鈴木雅之さんの『ガラス越しに消えた夏』、 CLASSの『夏の日の1988』などがある。 午後1時。虎ノ門の「播磨屋本店」へ。 1ヶ月ほど前、放送作家の福本岳史くんがお土産に持って来てくれた、 播磨せんべいを唯一、店頭販売している場所だ。 播磨せんべいは、ずっとその美味しさを通販だけで、人口に膾炙して来 た。 この虎ノ門店では、茶寮があって、ここで美味しいお雑煮が食べられる。 以前から「近々、桃太郎チーム全員で、このお雑煮を食べ行こう!」と いっているうちに、夏が近づいて来てしまった。 きょうは大福ぜんざいを食べる。 大きな丸餅がふたつ入っていて、これを食べたら太るぞ!と思いつつ、 気がつけば、ぺろり! 播磨せんべいも買う。 食後、隣りの山形物産館で、さくらんぼやら、ラ・フランス・ゼリーな ど買う。 午後2時。帰宅。 今週末の九州旅行のために、何かとインターネット検索。 筑豊の炭鉱めぐりをするか、筑後吉井の古い町並みを巡るか悩んでいる のだが、いずれにしても、交通の便が極めて悪い。 英彦(ひこ)山という、1200メートルの大きな山が邪魔して、どう もバス路線も無さそうだ。日田(ひた)まで行ってしまえば、大分自動車 道などあるのだが。 私の場合、これだけ綿密に予定を立てておきながら、急に思い立って、 鹿児島あたりに出没したりするからなあ。自分がその日その時、どういう 風に動くのかを楽しんでいる節もある。 午後3時。大阪のヒューマン・アカデミーの山田くんが、東京校の人と いっしょに来る。 今年も、昨年に続いて、東京と大阪で、講義をという話。 山田くんとの掛け合いは楽しいので、たぶんOKするつもり。 8月20日前後になりそう。 午後6時。嫁と、神宮前3丁目の和食屋「喰切(くいきり)江ぐち」へ。 嫁と娘は二度ほどこのお店に来ている。 私は初めて。 美味しいと聞いていたので、一度来てみようと思っていた。 ただすっぽん料理が名物と聞いていたので、私の足が積極的に向かなか ったことは確かだ。 地下を降りて行くと、調理場が大きく視界に入って来る。きれいに掃除 された調理場に自信を感じる。 コース料理の一品、一品が鋭い変化球。 茄子ひとつにしても、とろろ昆布が巻いてあるかと思えば、筑紫昆布と いうのを巻いているので、ぬめっとした感じがしない。 鮎もこの時期なら、どの和食屋さんも塩焼きにするからと、干しで焼い たものを出してくれる。 こういう意地っ張りなところが、味に出ていて、切れがいい。 いまやプロ野球界でも数少なくなったシュート・ピッチャーのようだ。 名物のすっぽん鍋は、やはりちょっと私には苦手。 でもすっぽん鍋のスープは絶品。 すっぽん好きの人にとっては、格別のお店だろう。 最後は、葛きりが出た。 京都「鍵善良房(かぎぜんよしふさ)」のとも、青山「穂積(ほづみ)」 の葛きりともちょと違う。肉厚でダイナミックな切り方が、このお店の料 理を象徴している。少し苦味があるのは、よもぎを入れているからだそう だ。 おもしろいお店だ。おもしろというより、いいお店だ。 思い切りのよさと、変化球の切れのよさで、我が家の和食ランキングの 何位まで上昇することだろう。 値段の高い、京都の「M」、正月屋吉兆、青山「穂積」の御三家を別と して、じゅうぶん「内儀屋(かみや)」「樋口」「えさき」に対抗できる レベルだ。 午後8時。帰宅。 スカイ・パーフェクTVで、横浜ベイスターズ対広島戦を見る。 この「スカイ・パーフェクTVで、横浜ベイスターズ対広島戦を見る」 という一行。私の日記ではごくあたりまえどころか、しつこいという言い 方もできる見慣れた文章だ。 でもきょうの「スカイ・パーフェクTVで、横浜ベイスターズ対広島戦 を見る」は、プロ野球に興味が無いという人でも笑えるぞ。 私はいつもスカイ・パーフェクTVを我が家の2FのTVで見ている。 スカイ・パーフェクTVは2FのTVでしか映らないと、聞いていたから だ。 だから、1Fの私の部屋で、テレビ神奈川の中継を見ていて、同点、ま たは勝ち越している場合は、ドタドタッと音を立てながら、必死に2階ま で駆け登って続きをスカイ・パーフェクTVで見ていた。1998年の横 浜ベイスターズ38年ぶりの優勝のときも。 本日、たまたま私は1Fの私の部屋で、東急ケーブルのチャンネルをが ちゃがちゃ動かしたら…。ん? ん? むむ? むむむ? むむむむむむ? は? は? はっはっは、はっはっは、わっはっはっはっはっはっは! 映ってる! 私の部屋で、スカイ・パーフェクTVが映っているではな いか。 ってことは、私は、5年間も、5年間も、5年間も、5年間も、5年間も、 5年間も、5年間も、5年間も、5年間も、5年間も、5年間も、5年間も、 5年間も、5年間も、5年間も、5年間も、5年間も、5年間も、5年間も、 気づいていなかったってことかあああああ!? なのに私は、自分の部屋でもスカイ・パーフェクTVが見ることができ るように、もう一台スカイ・パーフェクTVのチューナーを買おうかと思 ってったってことですかい!? はっはっは。はっはっは…、笑うしかな い。 私がスカイ・パーフェクTVについて知らないにも、ほどがあるよなあ。 まあ、私の場合スカイ・パーフェクTVは、単なる横浜ベイスターズ専 用チャンネルでしかないから知識が増えないんだよなあ。 スカイ・パーフェクTVだと、306チャンネル。 東急ケーブルだと、26チャンネル。 なぜチャンネルが違うのに、横浜ベイスターズ戦が映るのか、本当はま だよくわかっていない。 まあ、こんなめでたい真実を知った日なのだから、横浜ベイスターズに 快勝してほしいものだが、そうはならないのが今年の横浜ベイスターズ。 多彩な敗北方法を毎度毎度見せてくれる。 きょうも1対4と差をつけられた試合を、同点にまで追いつくという勢 いを見せながら、そのあとすぐ追加点を入れられるという華麗なる技を見 せてくれる。 せっかく今年ごひいきの中野渡投手が、3者三振という快投を見せてく れたというのに! 9回裏。4対5。また1点差負けかい。あ〜あ〜。 今年いったい何回1点差負けを見たことだろう。 一死、二死…。 やっぱりね。こういう悪いほうにはポンポン取るのに、点が取れないか らなあ。 金城くんがヒット。また気を持たせておいて、敗北か…。 小川選手が四球を選ぶ。ベテランならではの冷静さだ。 二死、一塁、二塁で、鈴木尚典選手。 最近調子が出て来たものの、50試合を過ぎて、本塁打2本の不動の四 番打者というのはねえ。スポーツ紙には、毎回悩める四番打者とか書かれ てしまって、かわいそうだもんなあ。真面目な性格なだけに。 優勝したときなんか、いつもこんな場面で、鈴木尚典選手にさよならホ ームランとか見せてもらったのになあ。この仙台の球場は、佐々木様、斎 藤隆投手のご当地で、いつも横浜ベイスターズはさよなら勝ちをする、ゲ ンのいい球場なのになあ…えっ! あっ! あっあっ! あっあっあっあっ あっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっ あっあっあっあっあっあっあっあっあ〜〜〜〜〜〜っ! 入った、入った ああ! 鈴木尚典選手のさよなら3ランだ〜〜〜〜〜〜! うひょ〜〜〜っ! 何てこったい! わっはっはっは! わっはっはっは! わっはっはっは! わっはっはっは! わっはっはっは! わっはっはっは! わっはっはっは! わっはっはっは! わっはっはっは! 笑いが止まらねーやー…と思ったら、ぐすん。涙が滲んできちまった い。ひさしぶりだもんなあ、鈴木尚典選手のホームラン見るの〜! このまま調子を取り戻してくれいっ! 鈴木尚典〜〜〜! 嗚呼! 今夜はプロ野球速報をはしごだ、はしごだ! 録画しておいた『プロジェクトX』を見るのは、深夜だな。 やっぱり1Fでもスカイ・パーフェクTV見ることができたご祝儀か な? まさかね。何でもいいや、勝てば。
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