6月4日(月)

 午前10時。東京駅ハイウェイバスのりば。
 私が東京駅から、バスに乗るということはまずない。でも最近この東京
駅ハイウェイバスのりばが充実していることは知っていた。

 きょうはこれから、水海道(みつかいどう)という所に行く。
 理由はまたあとで。
 とにかく眩しいくらい、いい天気だ。

 キップを買う。経路は常磐道を通る高速バスなのに、座席指定ではない
という。え〜、どの乗り場もかなり前から、けっこう行列ができていたよ。
いやだあ、待つのは。

 乗れなかったら、行くのをやめてしまえばいいと、いいかげんな私と嫁
は、東京駅地下の資生堂パーラーで、サンドイッチとコーヒー。

 午前10時50分。高速バス出発まで、あと10分なのに、並んでいる
人は、4〜5人。何だ、この路線は空いているのか。

 午前11時。定刻どおりバスは走り出す。
 乗客わずか11人。
 この路線は最近開通したばかりで、この路線の存在自体あまり有名では
ないらしい。途中の新守谷駅というのも私は知らない。
 もともと私は日本全国隅々を見て歩きたいという野望から、遠い場所の
ほうが漏らさず行っていて、実は茨城県、栃木県、群馬県がいちばん行っ
ていない場所だったりする。いつでも行けると思って、そのままこんなに
齢を重ねてしまった。
 
 さて、高速バスは浅草の黄金うんちビルの真下を通り、菅生(すごう)
といったふだん通らない景色を通るので、車窓からの眺めが楽しい。

 嫁は『コミック乱』(リイド社)を読んでいる。この7月号から、あの
『風雲児たち』(みなもと太郎)が、『コミックトム』から移籍して、連
載再開になったのだ。おお! センター・カラーで「幕末編」がスタート
だ。シーボルトおイネさんが登場したぞ。むむむっ。井伊直弼(いいなお
すけ)さんも登場だ。わくわくするなあ!
 午後12時。すごいぞ! 水海道(みつかいどう)駅前に時刻表通りに 着いてしまった。高速バスって、平気で1時間ぐらい遅れるから、この定 刻は見事だ!  しかも電車なら速くても東京駅から1時間半だから、圧倒的にこの路線 のほうが便利だ。  水海道(みつかいどう)駅は、取手駅から関東鉄道で、10駅目のとこ ろにある駅。  名産はほとんどない。今回現地で取材したけど、ほとんどない。  あの徳川家から豊臣家に嫁いだ悲劇の千姫ゆかりのお寺があるのだが、 どうもこの地に住んだわけでもなく、千姫が描かれた弘経(ぐぎょう)寺 というのがある程度のようだ。  一応、商店街では「絵画の町」というふれこみで、どのお店にも素人さ んが描いた絵画が描かれているのだが、その題材のほとんどが、千姫様を 描いている。  千姫様以外で、重複する題材はまったくなく、渡哲也や演歌歌手が描か れていたりする。そんな町だ。  水海道駅の改札口のレトロ具合は、感動的!  これは鉄道マニアなら必見だ。  いまも現役でつかっているのが、また見事。
 しばし、関東鉄道を眺めて、駅の売店で、将門(まさかど)せんべいと、 納豆スナックを買う。  では、何でこの町に来たかというと、先週、成沢大輔くんが「さくまサ ン、水海道(みつかいどう)に、プリンス&スカイライン・ミュウジアム っていうのが、6月1日にオープンするの知ってます?」と教えてくれた のだ。  えっ? 「プリンス&スカイライン・ミュウジアム」というのは、長野 県岡谷市にあって、私は昨年からずっとこのこの博物館に行きたくて、行 きたくて、行きたくて、何度も計画しては断念していたのだ。  だいたい行きたくても、冬場はまったくお休みで、4月の中旬から11 月1日までしか開館していないというのだから、おいそれと行けなかった。  それがなぜ、水海道(みつかいどう)に?  成沢大輔くんから聞いた夜、必死にインターネットで調べまくって、や っとみつけた。なるほど長野県のプリンス&スカイライン・ミュウジアム と、今回の水海道(みつかいどう)にオープンしたプリンス&スカイライ ン・ミュウジアムは、同系列のものだった。  長野のほうは遠くて大変だけど、水海道なら高速バスでわずか1時間。 これは行くっきゃないというわけで、やって来た。  昨日の日記の最後で、念願の場所に行くと書いたのは、このプリンス& スカイライン・ミュウジアムのことだったのだ。  では、なぜ念願の場所かというと…、まずはプリンス&スカイライン・ ミュウジアムという名前の前についているプリンスについて説明しておか ないと。  スカイラインという名前は、今や日産スカイラインという名で、自動車 マニアはおろか、世間の人にもごく当たり前に定着していると思う。  しかし、最初のスカイラインは、1996年、日産自動車と合併したプ リンス自動車が1960年代に開発し、販売していた車が元祖なのだ。  当時から、トヨタ自動車、日産自動車というのが、両巨頭で、かなり離 れた存在で、プリンス自動車、本田技研と続いていた。  いわばセガのように、マニアックな車を作ることで、有名だった会社だ。  日本で最初の唯一の天皇御料車プリンス・ロイヤルを作ったことでも知 られている。  そのプリンス自動車に勤めていたのが、私の父親である。  この日記の熱心な読者なら、私と継母の確執は周知と思うが、その確執 のせいで、現在父親とは、縁を切っているが、いまでもプリンス自動車に いた頃の父親は尊敬しているし、子どもの頃は大人になったら、絶対プリ ンス自動車に入社するのだと憧れていた。当時の自動車会社は、ちょっと 前のゲーム業界みたいに、子どもにとって憧れの職業だった。  そのプリンス自動車とスカイライン専門のミュウジアムができたなら、 行かないわけがないのだ。本当は6月1日のオープンの日に来たかったし、 昨日ならプリンス&スカイライン・ミュウジアムの名誉館長・桜井真一郎 さんの講演があった。桜井真一郎さんは、スカイライン生みの親として、 ちょっとした自動車マニアなら知らない人がいない、車の設計者として、 手塚治虫さんのような位置にいる人なのだ。  本当確率15%ぐらいなのだが、桜井真一郎さんが、私の家に来た記憶 があるのだ。私の父親が、桜井真一郎さんと仕事をしていたのは間違いな いが、その後の私のプリンス自動車美化で、このエピソードは捏造してい るかもしれない。  小学校に上がる前くらいの記憶なんて、夢の話でさえ現実に思えたもの ね。  さくま少年は、スカイライン生みの親桜井真一郎さんに小学生の頃、出 会っていたというほうが物語りはおもしろさを増すもんね。  そんなわけで、はやる気持ちを抑えつつ、プリンス&スカイライン・ミ ュウジアムに向う。  水海道駅の真ん前の鄙びた商店街を抜けて、通りにぶつかったら、右折 だったな。昨日しっかり頭に叩き込んでおいたからな。
 この町も、シャッターが閉まったままの商店が多い、シャッター商店街 だなあ。国を揚げて、こういう地方都市の商店街を真剣に考えないといけ ないと思う。  マスダビル、マスダビル、おおっ、ここだ。
『プリンス&スカイライン・ミュウジアム』は、↑をクリック!
 何だい、これは!  ふうむ、ふむふむ。そうか。  潰れたスーパーを買い取って、ミュウジアムにしたってわけか。なるほ ど。  この4月7日に行った、愛知県のトヨタ博物館のゴミひとつない、きれ いなミュウジアムを見たばかりなので、拍子抜けする。  落胆はしなかった。いかにもプリンス自動車の博物館にふさわしいと思 った。  幻の自動車会社が、立派じゃいけない。  1200円の入場料を払って、なかに入ると…というか、もろにスーパ ーの入口なので、お金を払う前から、目の前に、ずらりとプリンス自動車 の車が並んでいる。まるで中古車販売センターのようだ。  ぷうんとガソリンの匂いが漂っている。なつかしい匂いだ。  いきなり左手のほうに、あの、あの、あの、1966年第3回日本グラ ンプリで、ポルシェを破って優勝した、R380が無造作に陳列されてい るではないか!  うわあああ、がくがくがくっ! 武者震いがするのは、なぜだ!?  美味しい物はあとに取っておこう。  まずは順路…実はそんなものなど無くて、1フロア全部がすでに見渡せ ているのだが、順路どおりに見て歩く。
 いきなり、1954年に制作された初代スカイライン・デラックスだ!  私の父親が、同僚と共同で購入していた車だった気がする。1ヶ月のう ち、1週目は誰それがつかうといったパターンだったと思う。
 むむむっ! いきなり、『紅白歌合戦』でいうと、トリをとってもおか しくない車の登場だぞ! スカイライン・スポーツだ!  実際に作られたのは、60台しかないという、幻(まぼろし)の車だ。 イタリアのミケロッティというデザイナーの作品だったことをいまだに覚 えている自分のしつこさが恐ろしい。当時、この車は、その斜めのヘッド ライトという斬新なデザインから、ドリームカーと呼ばれたが、本当に夢 を感じた車だった。  小学生だった、さくま少年は、来る日も、来る日も、この自動車を、粗 末なわら半紙に、鉛筆で何度も何度も模写したものだ。斜めのヘッドライ トが難しくて、しばしば斜めのヘッドライトの線と、ドアの部分の線が繋 がってくれなかった。  このスカイライン・スポーツだけは、いまでも欲しいなあ。  でも3000万円ぐらいするんだろうなあ。何たって、生産された60 台のうち、50数台しかオーナーの手に渡らなかったというのだから、残 っているのは10台に満たないのでは。3000万円ぐらいの価値は当然 だろう。買わないから、当然と負け惜しみをいってるだけなんだけどね。  うひょひょ! スカイライン2000GT−Bだ!  1964年の第2回日本グランプリ。当時の自動車業界は、日本の車が 外国の車に勝つなんてことは想像もできなかった時代だ。いわば野茂投手 が大リーグに行く前の日本のプロ野球と大リーグの関係みたいだった。  そんなとき、このスカイライン2000GT−Bが、ポルシェ・カレラ 904をこの第2回日本グランプリで、一瞬だけ抜き去ったというだけで、 日本じゅうが騒然となったのだ。 日本の車もすごいぞ! やるじゃないか!  まさにいまの大リーグ日本人ブームみたいなものだ。  そんな車がいま、目の前にある。
 こんな調子で、このプリンス&スカイライン・ミュウジアムに陳列され ている車について書き綴って行ったら、きょうの日記を読んだ人が、1日 では読みきれないぐらいの分量になる確信がある。  なにしろ、このあとの車の解説は、車の特徴と、実績、さらに私が大人 になったときに実際乗っていた車まで登場してしまうからね。  思い出を語りだしたら、千夜一夜になる。    箱型スカイライン、ケンとメリーのスカイライン、グロリア・スーパー 6、スカイラインGT―R、石原プロ制作の『西部警察』のパトカーとお なじ車種のスカイラインRS−2、R380、R3802などが展示され ていたということだけに、留めようと思う。    ご希望の方には、いくらでもこの時代の車のことを熱く語りますぞ!  ただし、丸1日必要ですが…。  しかしまあ、潰れたスーパーを買い取って、博物館にするのはいい手だ なあ。  昔、文筆業仲間で蔵書をどうやって保管したらいいだろうと、酒飲み話 になったけど、こういう地方の潰れたスーパーを買い取って、蔵書館にし ちゃうのはいいなあ。なにしろ東京からわずか1時間だからねえ。うちか ら鎌倉の家までより近い。  友だちの蔵書家が、10人集まっても、このスーパーを本で埋め尽くす のは難しいだろう。共有図書館としてつかうのもいい。  実際、このプリンス&スカイライン・ミュウジアムも、自分で買ったス カイラインを何台もここに展示している人がいる。  買うことはできても、何台も駐車させておくことはできないだろうから ね。  私も1台くらい買って、ここに展示させてもらおうかと思ったぐらいだ。  人間はいろんな方法を考えるもんですなあ。
 まだ開館したばかりなので、何か記念になるグッズでも買っていきたか ったのだが、たいしたものはなかったので、『スカイラインの設計を夢見 て』(上野憲造・日本規格協会)という本だけ買う。  この上野憲造さんという人は、桜井真一郎さんの下で働いていた人のよ うで、プリンス自動車荻窪工場シャーシ課に配属されたとある。  まさしくそこは、私の父親の職場だ。  何度か、私も父に連れられて行ったことのある場所だ。 「いつまでもここにいろ!」と言われれば、いつまでもいられるのだが、 きりがないのでこの辺で帰ることに。  しっかりここの会員になって、特製ビデオをもらうことは忘れない。  ビデオをもらえる以外の特典って何があったかも覚えていない。  ちょっと遠回りして、水海道(みつかいどう)駅に戻る。  暑い! 暑い! きょうの天気予報では、東京は30度、群馬は33度 といっていた。ここは茨城県だけど、やっぱり30度は越えているんだろ うなあ。  こんな風に暑くなってくると、旅行もけっこうつらいものになってくる。  おおっ! 汲み取り式のトイレの糞尿を回収する自動車が停まっている ぞ。日帰り旅行としては、その匂いとともに、最高潮だなあ。  昔はいくらでも見ることができた風物詩だったなあ。  まだまだ地方には、水洗便所ではない住居が多いんだなあ。  しかし地方に来ると、どの家も大きいので、縮尺が狂う。  近いと思っていた距離がやたらと長い。へろへろになって、駅までたど り着く。暑い。暑い。  まだ午後1時30分だ。このまま関東鉄道に乗って帰るのは、もったい ない。  さっき、この水海道から、つくば市までは、車で20分程度の距離だと いう情報を入手してしまった。行くでしょ、やっぱり! 私はまだ一度も、 つくば市に行ったことがない。  水海道の駅前からタクシーに乗る。 「つくばまでお願いします」 「つくばのどこまでですか?」  あっ! しまった! つくば市には、鉄道が通っていないではないか。 知らない町に向うときには、とりあえず「駅まで!」という手がつかえな いではないか!   困ったなあ。 「学園都市のその…」と、しどろもどろになる。 「つくばの中心地というのはどこなんですか?」と、嫁が助け舟を出して くれる。  バスターミナルと、西武百貨店とジャスコのあるあたりだということを 運転手さんが教えてくれる。  そうだ、その西武百貨店が見たかったんだっけ。  私はデパートの裏側とか、経営状態について書かれた本を読むのも趣味 なのだ。そんななかで、つくば市の西武百貨店は、最新鋭のコンピュータ・ システムが導入されたデパートという触れ込みで何度も書かれていたはず だ。見てみたい。  というわけで、いざ行かん、つくば市へ。  途中、矢田部(やたべ)の地名を見つけ、感動する。  矢田部というのは、プリンス自動車が開発した、日本最初のレーシング カーR380のテスト走行をしたテスト・コースのある場所だ。  プリンス&スカイライン・ミュウジアムを見て来て、実物のR380を 見て来たあとだけに、この「矢田部(やたべ)」の文字だけで興奮する。  午後1時30分。あっというまに、つくば市の西武百貨店に着く。  さっそく西武百貨店の食料品売り場で、つくば市の名産をチェック。こ れもまた『桃太郎電鉄』の取材である。  しかし、なかなかない。学園まんじゅうというのがあったが、白あんの ごくありふれたものだ。  ほかには、霞ヶ浦の佃煮のほうが比較的多い。  つくば市、固有のものはないのかなあ。  西武百貨店自体は広いので、またまた歩きつかれる。  お目当ての西武百貨店の最新鋭コンピュータ・システムというのは、ど ういうものかは気づかず。そりゃそうだ。その本を読んだのは、15年前 だ。いまじゃすっかりありふれたシステムになっていることだろう。  その当時の名残りなのか、曲がりくねったエスカレーターは、ちょっと 注目。  乗ったときの感触もちょっと不思議。
 2Fの「神戸風月堂」で、あんみつにコーヒー。歩きつかれた身体にあ んみつが美味しい。ファミレス風なのに、餡子(あんこ)の質が高い。  食後、嫁の長年の友人である、服部恵さんと待ち合わせ。  服部恵さんは、私も6〜7年前に会ったことのある、つくば市在住の人 だ。    午後3時。服部恵さんの車で、つくば市二宮にある、プチマリエ&生活 雑貨のお店「メイ・フェアリー」に行く。  服部恵さん夫婦が経営するお店だ。    店の名前に「フェアリー」の文字が入っているだけあって、めちゃくち ゃメルヘンチックな外観のお店。まるでヨーロッパのイラスト集から抜け 出たようだ。  これはすごい! おしゃれな家だなあ。
『メイ・フェアリー』へは、↑をクリック!
 お店も大きい。原宿にありそうな生活雑貨がたくさん展示されていて、 お茶も飲むことができるようになっている。結婚式のウェディングドレス をオーダーで作ってくれるお店でもある。  仮縫いをする大きな部屋まである。
 最近、口コミでとくに、このウェディングドレスのオーダーのほうが、 盛況らしくて、種子島に嫁ぐ人から注文が来たり、京都、奈良といったと ころからも、オーダーが来るそうだ。  こういうメルヘンチックなお店で、雑貨を揃えて、ウェディングドレス もオーダーできるなんて、女の子にとって、最高の夢が叶うお店だろうな あ。服部恵さん、おもしろい商売をやっている。
 お互いの家族の近況を報告しあって、つくば市のことも聞く。  さすがに地元の人だけに、最新情報にくわしい。  いま、つくば市は、ブルーベリーを名産にしようとしているそうだ。い いねえ、ブルーベリー園。『桃太郎電鉄』の物件名に、ぴったりだ。  ここで、いつものように、『桃太郎電鉄』につくば市駅が、登場したと きのシミュレーションをここにメモっておく。 <つくば駅> ザーサイ屋・・・・・・・・・・・1000万円………50%・・食品 ブルーベリー園・・・・・・・・・3000万円…………5%・・農林 ブルーベリー園・・・・・・・・・3000万円…………5%・・農林 北条米水田・・・・・・・・・・・5000万円………10%・・農林 学園研究所・・・・・・・・・・・・・30億円…………1%・・??     北条米というのは、お寿司屋さんがつかう美味しいお米ととして、有名 だそうだ。つくばに来るとき乗ったタクシーの運転手さんも、この北条米 のことを言っていた。  学園研究所は、未定だな。つくば市というのは、各種研究所がたくさん あって、宇宙センターがメインだとか、農業関係の研究所がメインという わけでもなく、とにかくありちあらゆる研究所がひしめいているそうだ。  しかも収益があがる物件というイメージではないな。  おもしろいのは、全国からいわゆる学者さんが集まっている町だから、 小学校、中学校の学力レベルが高すぎて、偏差値とかが付け辛い町だとか。 その噂を聞きつけて、教育熱心な人たちが他県から引っ越してくるので大 変なことになっているそうだ。  勉強ができて当たり前の子どもだらけの学校って、ちょっとイヤだなあ。  その分、スポーツはいまいちのようだ。  そうでなきゃね。スーパーマンの町の住民にたったひとりで凡人として 参加するのはつらい。  午後4時30分。服部恵さんに、常磐線の「ひたち野うしく駅」まで送 ってもらう。
「ひたち野うしく駅」とは、なんじゃい!  もうしわけ程度に、「野」とだけ、漢字をつかうなよな。しかも宇宙ス テーションのように派手な駅だし。「うしく」だって、隣りの駅の「牛久 駅」はちゃんと漢字のままだぞ。「牛久駅」のあとに作ったからって、わ ざわざ「うしく」と平仮名にする必要ないと思うけど。  最近何でも、平仮名にしちゃう、風習ってない? 安易じゃない? さ くまあきらと平仮名にしている私は、いえる立場ではないが。  この「ひたち野うしく駅」から、常磐線で、北千住駅へ、  北千住駅から、千代田線で、赤坂駅へ。  午後6時。宮崎料理の「でんでんでん」で食事。
 チキン南蛮、冷汁、空豆、しゃぶしゃぶサラダ、レンコンのはさみ揚げ など食べる。あいかわらずこのお店の料理は、お勧めできる味だ。居酒屋 さんだけど。  午後7時。帰宅。  日本―ブラジル戦のサッカーの試合を見ながら、きょうの日記を書き始 めるが、ついプリンス自動車関係のホームページを調べて行くうちに、つ いつい読みふけってしまって、ちっとも日記が進まない。 『桃太郎電鉄X(仮)』の手直し原稿も書けないじゃないか。困ったなあ。  えっ? とうとうトヨタ2000GTを3台も売っているお店のサイト まで見つけてしまったぞ。おいおい! プリンス自動車を調べていたんじ ゃないのか。いやいやいや、はははのは。  旅をしている時間よりも日記に費やす時間のほうが長いじゃないか。  早く、プリンス&スカイライン・ミュウジアムの会員になってもらった ビデオが見たいよ〜! この間閉鎖になった日産自動車の村山工場という のも、もともとプリンス自動車のもので、その村山工場の映像が入ってい るようなのだ。  おっとっと。またプリンス自動車の話を始めると、本当に寝る時間が無 くなってしまう!
 

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