5月14日(月) 昨日はさすがに日記も書かずに、就眠。 おかげで、ぐっすり眠れた。 急速に体力が回復してきたので、このまま数日間山陰地方でもぶらつい て来るか?と思ったら、ゲーム・ディレクターの國政修くんからメールで 「今週の音楽班との打ち合わせの時間が決まりました〜!」の連絡が。 ハラホロヒレハレー! 山陰地方行きが、中止に。 午前11時。「イノダコーヒ本店」で、ハンバーグサンドに、コーヒー に。うちの娘が念願の巨大シュークリームに挑戦するが、いまいちの味だ ったようだ。本人は食べづらいだけといっていたが、厳しい味チェックの 結果に決まっている。午後12時30分。京都のマンションに戻って、今回の鳴門・高松シリ ーズの日記を清書する作業。何も京都で部屋にこもって書き上げる必要も ないのだが、うっかり東京に帰って、ほかの仕事をした日には、日記が未 来永劫ストップしてしまう危険がある。 ほかのホームページを見ていて、飛び飛びの日に日記が書ける人がうら やましい。私の場合、毎日かかさず書くことはできるが、1日抜けたら、 それっきり日記自体が終了してしまうと思う。 そういう性分だ。 旅の日記を書くのは楽しいけど、地名とか、人の名前、お店の名前、お 菓子の製法など、間違えがないか、資料を調べないといけないから、時間 がかかる。 しかも疲れているときの文章は、ひとつのセンテンスが長くなる。 どういう風に長くなるかというと、上の文章を実例にしてみる。 「しかも疲れているときの文章は、ひとつのセンテンスが長くなる」とい う文章は以下のようになったりする。 「しかし、身体が必要以上に疲れているときに書くような文章などという ものは、えてして、ひとつひとつのセンテンスが、びっくりするほど長く なってしまいがちなものである」 こんな感じかな。 だから旅のときの文章は一度書いたあとに、極力文章を縮めるようにす るけど、疲れているときは、そのセンサーですら、鈍くなる。 午後3時30分。昨日までの日記を書き上げる。 『うまひゃひゃさぬきうどん』(さとなお・コスモの本)を再読する。 「あたりや」のことが書いてあった。 一度行ってあまりおいしくなかったとホームページに書いたら、メール でたくさんの人から、絶対美味しいから、もう一度行ってみてほしいとい う声に、もう一度行って、打ち立ての麺に感動したという話がおもしろか った。 そういえば、「あたりや」に行ったとき、タクシー運転手の倉田明さん が、とんとんとんとん!と麺を打つことを聞いて「ああ! 音がする。よ かった、打ち立てだ」と言っていたのは、このことだったわけだ。 こういう風に旅に出たあとは、入ったところについて書いてある書物を 再読するようにしている。私のような旅好きでも、行く前に読んだ本は頭 に入りづらいものだ。 午後5時30分。前回の京都で私がうっかりデジカメを持たずに入って、 感動した黒胡麻料理のお店「自遊人」に行く。 嫁と娘は、実はこのお店、お正月に一度入ったことがあって、黒胡麻ア イスを食べて美味しかったそうだ。 嫁には、前回私が食べたカレーライスを勧める。 娘は、生ハムのサンドイッチ。 私は、オムライス。 もちろん忘れずに、ネーブルジュースも注文する。 お店のご主人が「お父さんは、このあいだ来てくれたね」という。 「そうです! そうです!」 「あのときは、カレーライスだったね」 「えっ!? よく覚えているなあ!」 「あのときは、真ん前に座ってたからね」 でもあのとき、私が「美味しい! 美味しい!」と連発したから覚えて いたのだと思う。 ごひいきの料理屋さんを作りたかったら、美味しいときに、「美味しい!」 と言ってあげるのに限る。 どんなに頭のなかで、美味しいと思っていても、言葉に出して伝えない かぎり、相手には伝わらない。 オムライスが来た。うひょ〜〜〜! オムライスも、カレーライスのときみたいに、土鍋で来るのかあ! すごいなあ! ぐつぐつ別府地獄温泉のように、玉子とご飯が音を立て ている。 ドミグラスソースと、黒胡麻の匂いが、いいハーモニーだ。 おお! オムライスにも、カレーライスのときとおなじように、大きな 胡桃がいくつも入っている。 オムライスといえば、元ナムコの岸本好弘さん! このお店のオムライスは一度食べておかないと、もぐりだと言われてし まいますぜっ! 挑発! 挑発! 「きょうは、このお店に寄ってから、東京に帰ると決めていたんですよ!」 というと、ご主人大いに喜んでくれて、デザートにバレンシアオレンジを 出してくれて、さあ! 会計をすませて、京都駅に向わないと、立ち上が ろうとしたら、黒胡麻コーヒーゼリーまでサービスしてくれた。 このお店は、京都の先発入りのお店として、登録だ! 午後7時7分。のぞみ66号。 駅の売店で、『コミックバンチ』の創刊号が売っていたので、購入。 むさぼるように、読む。 原哲夫くんが、渾身の力で描いているが、肩に力が入りすぎでない、遊 び心を忘れていない描き方をしているので、これからも楽しみ。 北条司さんの、ちゃんと、冴羽りょう(=けもの偏に僚のつくり)の名 ゼリフとともに、出てくるシーンに大爆笑する。 ふたりとも読者のやってほしいことをちゃんとやってくれる。 これがジャンプ魂なんだよなあ。 すべてはお客さんのためにだ。ジャンプ魂が漲っている本だよ。 原哲夫くん、北条司さん、次原隆二さんの3本柱のなかでは、次原隆二 さんの『レストアガレージ251(にこいち)』が、いちんばんおもしろ かった。 こういうオーソドックスで泣ける話を、漫画で読みたいものだ。 来週号には、こせきこーじクンと、にわのまことクンの作品が載る。 青年劇画誌の群雄割拠時代が到来するといいなあ。 編集長の堀江くんは、下手な4コマ漫画を載せるくらいなら、載せない といっていたけど、しっかりした4コマ漫画が入ると、さらに充実すると 思う。 気になるところといえば、紙質かなあ。 漫画家さんの細い斜線がちょっと滲んで見える気がする。 午後9時21分。東京駅着。 東京駅の中央口に、降り立つたびに、また旅に出たくなる。 早く家に帰って、風呂に入りたい気持ちと、半々だ。 午後10時。帰宅。 きょうはゆっくり録画しておいたビデオなどを見て、休みまする。
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