5月3日(木) 午前6時に起きて、何で『M:I2』を見なきゃいけないのかよくわか らないけれど、とにかくDVDで鑑賞。 『M:I2』は、主人公の動機も薄ければ、ヒロインを助けなければいけ ない必然性とかの描き方も薄いのに、ついつい手に汗握って見てしまうの は、いったい何なんだろうか? かつての西部劇、ミュージカル、007物、すべての映画のありがちな シーンを、最新鋭の技術で、リメイクしているようなものだから、ストー リーの薄さは気にならないのかもしれない。 漫画でいうと、横山光輝さん的魅力かな? ほとんど、『カウントダウ ンTV』のビデオ・クリップを連続で見ているようなおもしろさだ。 クリエーターとしては、疑問符の多い映画だが、間違いなく誰にでも 「おもしろいから絶対見たほうがいいよ!」と言える作品だ。 午前11時30分。嫁と麻布十番の「浪花家(なにわや)総本店」へ。 先日来たときは、鯛焼きを注文しても、2時間待ちだったのが、きょう はお店でも、20分待てば出してくれるというので、おなじみの絶品焼き そばを食べながら、鯛焼きを待つ。 きょうみたいに雨が降っていて、寒い日は、鯛焼きが美味しい。 食後、『今日のともちゃん』でおなじみの古川知子に電話。 「お〜い! これから古川知子が言っていた平井駅の不二家に行きたいん だけど、ヒマかあ?」 「ヒマ、ヒマ、おもいきりヒマですよ〜!」 「おお、じゃあ両国に着いたら、電話する!」 午後12時。麻布十番から大江戸線に乗って、両国駅に向う。 麻布十番のエレベーターに乗れる場所を探し出して、地下へ向ったのだ が、改札口に出るのではなく、大江戸線と南北線の分岐になる地下道に出 るだけ。そこからまた大江戸線の改札口まで、地上でわざわざ歩いて来た 道を引き返す形に。疲れる。 本当に大江戸線はどういう設計の仕方をしているのだろう。 自動改札機が普及して来たのだから、エレベーターに乗って、キップを入 れたら、ホームまで直行できるような便利なものを作っておいてほしかっ たものだ。 両国駅へ。 駅構内の「JR両国駅」という案内板に導かれるままエスカレーターに 乗って行くと、全然知らない場所に出た。 あれ?と後ろを振り返ると、江戸東京博物館がのしかかるように見える じゃないか! ってことは、JR両国駅までけっこう距離あるんじゃない の? 案内板を見ると、JR両国駅まで、約400メートルと表示されている。 おいおい、400メートルっていったら、新幹線16車輌とおなじ距離 じゃないかあ! 先頭から最後尾まで歩けってかあ? 遠いぞ! 雨の中、よろよろとJR両国駅に向う。 さすが両国だなあ。仕出し弁当屋さんのメニューにも「力士弁当」というのがあった。 こういう特徴のある町はおもしろい。 JR両国駅から、平井駅へ。 平井駅に着いたところで、土居ちゃん(土居孝幸)から電話が入る。 「昨日の日記の高松行きの日程、間違ってますよ〜!」 来週の土日…あ、4月のカレンダー見ながら書いてしまったかも。 正しくは、5月12、13日の両日です。 12日夕方にもひとつイベントがあって、13日の午前中から、桃太郎 人形焼が売り出されるはずです。初食いしに来てね〜! 日帰りの人は、 13日に高松に来るのがよいでしょう。13日は午後4時からも、ラジオ の公開録音があるんだったかな? とにかくうちの家族と土居ちゃん(土居孝幸)が行くのは、12日と 13日というのが、正しい日程です。近郊の方々、来てくださいね〜! 午後1時30分。平井駅。 古川知子が改札口で、腕も折れよとばかりに手を振っている。 「そんなに手振ったら、腕がちぎれちゃうよ!」 「てへへへ!」 古川知子の案内で、不二家へ。 喫茶ルームがあるわけでなく、小売りのみのお店。 ところが、500円買うと、1ポイント。 10ポイント、20ポイントというように、ポイントをためていくと、 ペコちゃん電気スタンドとか、ペコちゃんポットとか、ほかのお店では手に 入らないような逸品が、このお店ではもらえるのだ。 これはたしかに古川知子が力説していただけのことはある不二家だ。 「古川知子! きょう家には何人いる?」 「お母さんと私の2人だけです!」 「何!? あのフジテレビ『ど〜なってるの?』に何度も登場した、おもし ろ家族は?」 「あたしが寝ているあいだに、家族みんな、あたしを置いて、茨城のほうに 家族旅行に行っちゃったんですよ〜!」 「何だよ〜! せっかく死ぬほど不二家のケーキ買って、古川家に置いて行 って、ポイントを稼ごうと思ったのにィ〜!」 古川知子と、留守番のお母さんだけでは、ホールケーキひとつも消費は難 しいではないか。かつての私なら、私だけでホールケーキひとつOKなのだが。 仕方ないので、携帯ストラップだけ買って、捲土重来を期す。 喫茶店に入って、古川知子と、甘味談義。 バウムクーヘンの鉄則とか、シュークリームについてとか、甘味について こだわる部分が、私と古川知子は一致しているので、話に花が咲く。 隣りであきれている嫁。 「一度にシュークリーム3個ぐらい、何てことないよなあ!」 「ねえ!」 本当はここで、自宅に戻る予定だったのだが、なかなか平井という町に来 る機会も少ないだろうからと、商店街を見ていくことにした。 「も〜、とんでもなく古い商店街ですよ〜!」 「おお! そういう商店街大好きだぞ!」 ところが、道路が新しくなったときに、商店街も店舗を新しくしたようで、 朽ち果てそうな商店が全然ない。 「古川知子! これじゃ原宿のうちの2丁目商店街のほうが、圧倒的に古ぼ けているぞ! ダメじゃないか!」 「すみません!」 別に古川知子のせいではないのは、百も承知。 再び折り返そうとすると、古川知子がまたまた悪魔の囁き。 「さくまサン、平井駅の北口から、10分ぐらい歩いたところに、東武亀戸 線というのが走っていて、電車が2輌編成なんですよ!」 「何っ!? キラ〜ン☆」 「しかも駅が全部で5つしかないんですよ!」 「またまたキラ〜ン☆」 そんなおもしろい電車、乗りたいに決まってるじゃないか! 平井駅の北口で、焼き鮭おにぎりを買い食いしながら、平井橋を渡って古 川知子邸まで、10メートルまで接近しながら、東武亀戸線東あずま駅をめ ざす。 「古川知子、この平井橋のあたりって、地面より川のほうが上にないか? 地理の本に載ってる天井川みたいだぞ!」 「だからこの辺、昔台風が来ると床上浸水になった0メートル地帯なんです よ!」 ああ! そういえば昔からよく古川知子から、台風災害の話はよく聞いた っけ。 なかには、2階家の1階が半分まで、地面に埋まっているような家があっ た。いまも人が住んでいる! 平井橋から見える木下川の景色は、『カメラ毎日』に載っていそうな芸術 的な風景だ。背の高いススキが美しい。 午後3時。東武亀戸線東あずま駅に着く。 なるほど路線図を見ると、亀戸―亀戸水神―東あずま―小村井―曳舟(ひ きふね)と5つしかない。 小村井という駅は、「こむらい」駅ではなく、「おむらい」駅というのだ そうだ。「おむらい」とは、オムライスのような。 これはオムライス・ファンにとっては、チェックしておかないといけない 駅ですよね、元ナムコの岸本好弘さん! しかし、東あずま駅は、わが故郷・杉並区西武新宿線上井草駅のホームと ほとんど変わらないしょぼさである。古川知子が卑下する気持ちが強いのか、 上井草がしょぼいのか、よくわからん。 2輌編成の電車も、江ノ電ほどの古めかしさではなかった。 ただ座席のスプリングのゆるさが、いかにも年代物の車輌であることを象 徴していておもしろかった。 もちろん、あっというまに終点。 曳舟駅で降りて、またしばらく商店街を歩き、ロイヤルホストで休憩。 平井駅の不二家ですぐ帰るはずが、密度の濃い日帰り旅行の規模になって 来た。 家に帰ってもう1枚DVDを見る予定だったから、こっちのほうが全然お もしろい。 午後4時30分。とうとう京成曳舟駅の踏み切りも越える。 途中、もんじゃグラタンと書かれたお店の看板を見つけたり、銭湯のよう な郵便局を見つけたりして、VOWの国に来たみたい。 このままどこまでも突き進んでもいいのだが、いいかげん寒さのほうに耐 えられなくなってきた。 タクシーで、人形町へ。 古川知子も無理やり連れて行く、 ひさびさに私の親戚の家である老舗呉服店「紬(つむぎ)の橋爪」にご挨拶。 猫の形をしたおもしろい枕があったので、購入する。 午後6時。レストラン「芳味(ほうみ)亭」で食事。 3人それぞれバラバラに注文して、分け合ってつまみ食いする。いろんな 種類食べたいからね。 このお店はビーフシチューが名物のようで、コクのある美味さは重厚で、 これだけでこのお店に来るだけの価値がある。ただちょっと脂身のところが 多いのがきつい。カニコロッケも絶品! 人形町に来たときの食事の選択肢として、大きくこのお店をクローズアッ プ! 喜(き)寿司、玉ひで、ねぎまのお店(名前忘れた!)、すき焼きの今半 と並ぶ、人形町先発要員に指名! 午後7時。帰宅。さっそくテレビ神奈川で、横浜ベイスターズ対ヤクルト の試合を観戦。きょう勝てば、悲願の最下位脱出だ! 3―0と、幸先いい。今シーズン初登板のホージマー投手ではこころもと ないが、まあ、頑張って…ありゃありゃ、もうダメ? 早いなあ。もう投手 交代? げっ! あの若い頃の土居ちゃん(土居孝幸)にそっくりな小桧山 投手が出てきてしまったあ! この投手、ストライク入らないんだよ〜〜〜! あ〜、やっぱりね! ほら、逆転されちまったよ〜! ベッドにひっくりがえって見ているうちに、眠くなってきた。 あっ、そうだ! 寝ている場合ではない。 念力を送らねば! きょうは神宮球場だから、念力も届きやすいぞ! 行け〜! クレヨンしんちゃんのお母さんに似ている井上〜〜〜! 蟹股 打法の種田〜〜〜! 『ハイスクール奇面組』の主人公一堂唯みたいな顔の 佐伯〜〜〜! 野太い声の谷繁〜〜〜! 誰でもいいから、打て〜〜〜! うわあ! 代打相川が3ランホームラン? これはびっくり! おお! メカゴジラ佐伯がとうとう今シーズン初本塁打! ちょっと遅す ぎるけど、うれしいよ〜〜〜! というわけで、午後9時50分の試合終了の頃には、13―5の大差。 これだけ大差の試合はひさしぶり〜〜〜! うれしいよんよんよん! 本 当に最下位脱出なんだろうなあ? え? 阪神と入れ替わり? 宿命のライ バル来たれり!…って、発想がすでに負け犬根性の味噌漬ですな。 いいんだ、最近横浜ベイスターズ勝つようになって来たから。 開幕当初の1勝3敗ペースは、血圧のほうが耐えられない!
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