4月17日(火) 午前11時30分。嫁と、新宿伊勢丹B1の喫茶店で、ツナとシュリ ンプのサンドに、カフェオレ。 食後、伊勢丹7Fの眼鏡売り場へ。 昨夜、うっかり老眼鏡をお尻で踏んでしまったのだ。 眼鏡売り場というのは、無料で歪んだフレームを直してくれるのだが、 明らかにぐにゃっ!と曲がっているので、相当てこずらせてしまったよ うだ。何度も売り場の人が「お時間かけて申し訳ござません!」と言い に来るので、どんどんこっちのほうが、申し訳なくなる。 終いには、「レンズを外して、根っこの部分から直しておりますので、 もうしばらく時間がかかるのですがよろしいでしょうか?」とまで言わ れてしまう。 「どうぞ、どうぞ。申し訳ないです!」というのが、やっと。 いま、かけている眼鏡のほうも、フレームのズレを直してくれる。 サービスなのかもしれないけれど、お金取ってくれたほうが、こっち も気が咎めなくていいのになあ。 とにかく伊勢丹7Fの眼鏡屋さんは、非常に応対もよく、親切なので、 ぜひみなさん、ご利用ください。これしか好意に報いる方法がない。1 ヶ月に1度、眼鏡を新調するわけにはいかないしねえ。 午後1時。築地のハドソンへ。 本日も『桃太郎02(仮)』のテスト・プレイ。 きょうは、別件の打ち合わせで私と会って、まんまと「ちょこっと テスト・プレイして行ってくださいよ〜!」と、みごとに騙された? 元タカラの高田直幸さんに、インデックスの南澤新樹くんのおふたり。 さらに、以前『ケータイ勝ち組読本』で、私を取材してくれた、フリ ーライターの友清哲(ともきよさとし)くん。 高田直幸さんとは、ひさしぶり。 現在は、松下電器産業(株)のePFサービス事業開発室に勤務。 その会社の人として、私と打ち合わせをしたんだけど、最先端のお仕 事内容なので、私はまたまた理解できず、困る。 そのくせ私はいつも新しい産業に対して、いつのまにか仕事しちゃっ てることが多いから、そのうちまた高田直幸さんと仕事しちゃってるかも。『桃太郎伝説』for Windows 3600円 昨日は、『桃太郎02(仮)』のテスト・ロムにいちばんくわしいゲ ーム・ディレクターの國政修くんがいなかったので、石崎仁英くんとふ たりで、あたふた、四苦八苦していたんだけど、きょうは國政修くんが 復帰したので、楽チン。 脇でのんびりテスト・プレイを見れるので、精神的もよい。 昨日、アリtoキリギリスの石井正則くんに聞かれたことで、けっこ うわからないこと多かったからなあ。 さっそく、高田直幸さん、南澤新樹くん、友清哲くんの3人で、ミニ ゲーム部分をテスト・プレイしてもらう。 この3人、まったく初対面なのに、ものの10分もすると、すっかり 意気投合してしまって、ゲーム攻略法を発案しては、教えあっている。 こういう光景は、作者としてはうれしいかぎりなんだけど、不思議だ。 対戦型のゲームならではなんだろうなあ。 おっとっと。またゲーム内容が匂うような発言をしてはいけまへん。 高田直幸さんは、元タカラで私と『さくま式人生ゲーム』を作った人 なので、元ゲーム業界ならではの視点で、ゲームについて疑問を投げか けてくれる。 南澤新樹くん、友清哲くんは、さすがゲームで育った世代なので、う まいこと、うまいこと。 友清哲くんは、小学校6年のときに、『桃太郎伝説』をやったという のだから、まさにゲーム全盛期世代だ。例によって、土居ちゃん(土居孝幸)は、おなじ会議室で、『桃太郎 電鉄X(仮)』のイラストをデザインしていて、4人対戦のゲームのテ スト・プレイになると、いつのまにかコントローラを握っている。 「あっ! これが日記に載っていた、土居さんのぶつけられてもいいか ら、人にぶつけたいというゲームですね!」 「そうなんだよ〜! ねっ、またマイナスでしょ? あれ? 土居ちゃ んがトップなの? へ〜。まあ、毎日やってるからね!」 「いてててっ。必死にやりすぎて、腕が痛い!」 「土居ちゃん、イラストの線がブレない程度にしてくれよ!」 私はテスト・プレイを見ながら、メッセージの直し。 私との打ち合わせのあと、すぐ帰るはずだったのにテスト・プレイを 手伝わせてしまった、高田直幸さんと、南澤新樹くんが、退席。 午後4時。ひょっこり、おせんべいを持って、成沢大輔くんが現れる。 成沢大輔くんに、友清哲くんを紹介する。 「あ! ひょっとして、遅刻アーティストと呼ばれている人では…?」 みんなで「わ〜っはっはっは!」と大爆笑! 成沢大輔くんのことを、遅刻アーティストと命名した、柴尾英令くん! みごとに定着してるよ! 今年のうちの界隈流行語大賞、早くも最右翼 だぞ! そういえば、成沢大輔くんのゲーム・プレイを本気で見るのは初めてだ。 さすがに、うまいなあ! そのうまさも、上達の速度が、尋常ではない速い。 しかもしっかり、半キャラ、1ドット単位のクレームをつけてくれる。 午後7時。土居ちゃん(土居孝幸)、成沢大輔くん、友清哲くん、私、 嫁の5人で、銀座の讃岐うどんのお店「さか田」に行くも、満員で入れ ず。 ほかにも嫁が何件か探しに行くが、どこも、ここも、満員。 昼間、あんなに暑かったのに、夜ともなると、風が寒い。 薄着してきたから、風が洋服を通す。 30分以上迷って、嫁が見つけ出したのは、おでん屋さん。まったく の飛び込みでのチョイスだ。 でも冷たい風のせいで、「おでん、ぜひ食べたい!」と意見一致。み んなで「よしひろ」へ。 カウンター8席程度の小さいお店だけど、お店の中央にでんと鎮座し ているおでんの什器がなにやら美味しそうに湯気を立てている。 いきなり、嫁が「さつまいも!」と叫ぶ。 みんなが「えっ? さつまいもなんてあったっけ?」と、什器を覗き 込む。 「ボクも、さつまいも!」 成沢大輔くんが「ご主人、ビールもらうねえ!」と言って、ケースか らビールを取り出して、栓抜きでスポン! スポン!と開けては、ぐい っと飲み干していく。 さすが、酒から、生まれた、酒太郎だ! 初めて入ったお店なのに、もうこのお店の常連という雰囲気を漂わせ ている。 それにしても、私たちは、珍客だったようだ。 藤原組長にちょっと似た、愛嬌のある御主人が、「つみれ、どう?」 というと、全員で「は〜〜〜い!」。「牛と、大根の煮込みあるけど、 どう?」というと、またまた全員で「は〜〜〜い!」。 次から次へと、御主人のお勧めをことごとく「それ、美味しそうだな あ! は〜〜〜い」と手を上げる。 「あんたら、よう食べるねえ!」と、御主人、あきれ顔。 「そうかなあ?」とお互いの顔を見合わせる、私ら。 いつもこのメンバーで食べてるから、ごくふつうの食欲としか思って いない人たちであった。 笑顔がかわいい「よしひろ」のご主人 でも、この「よしひろ」のおでんは、本当に美味しいんだ。 おつゆが染み込みまくった味というよりは、上品なおつゆの染み込み 方なのだ。だからスープが美味しい。たまねぎ天、昆布、ちくわぶ、 こんにゃくと頼んでは、みんなぐびぐび美味しそうに、スープを飲み干 している。飛込みで入ったお店が、これだけ大当たりだと、うれしくなってしまう。 「もっと、早くこのお店を知っていればよかったあ!」。 「さくまサン、このお店は先発ローテーション入りですか?」と、友清 哲くん。 友清くん、私の日記をよく読んでるねえ。 「う〜〜〜ん。先発入りは間違いないくらい美味しかったんだけど、こ れから夏に向けて、おでんというのは試合自体がなさそうだからなあ。 先発のチャンスがちょっとねえ!」 でも、せっかく初対面で「よしひろ」の御主人とけっこう仲良くなっ たので、1ヶ月以内に、もう一度来て、もっとなかよくなっておこう! 「美味しい物を食べたかったら、お店の人となかよくなれ!」は、鉄則 だからね。 このあと喫茶店に寄る。 フリーライターの友清哲くんは、いつも私の日記を読んでいて、私の ような人生を理想としていると言ってくれるけど「こういう人生は、相 当な偶然がないと難しいから、真似しないほうがいいよ。全速力で走っ て来て、ここまでたどりついたけど、後ろを振り返ったら、すべての道 は、崖っぷちだったようなもんだからね。ゾッとするよ!」と、やさし く諭してあげた。 ほんと。私の人生は、数奇で、珍奇で、特殊で、強運で、幸運で、特 例だらけだから、まったく参考にならない。 午後10時。帰宅。 『桃太郎02(仮)』のメッセージ直しを少々。 テスト・プレイ2日目で、眼精疲労が溜まり始めているので、よくわ かる。 録画しておいた『プロジェクトX』見て、寝ようっと。
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