4月5日(木)

 イチローの大活躍! 
 新庄選手の初打席初安打!
 野茂投手のノーヒットノーラン!

 もう日本のプロ野球が霞むなんてレベルじゃないなあ〜!
 こうなりゃ今から横浜ベイスターズの選手全員で、シアトルマリナーズ
に入団するんだ! 佐々木様もいるぞ! イチローもいるぞ! 去年退団
したローズ選手も入団しろ! オリックスに行った進藤選手も来い! レ
ッドソックスの大家もトレードで来い! 大家は元横浜ベイスターズ! 
駒田は…来なくていいぞ!

 これなら横浜ベイスターズによる、大リーグ・ワールドチャンピオンも
夢じゃないぞ!…なんて思っちゃうぐらい、日本人が当たり前のように大
リーグに溶け込んじゃっているなあ。

 午前5時。花粉症で目が覚める。
 京都は、さすがに北山杉の国だ。花粉症がひどい。鼻水がちゅ〜〜〜、
喉はひりひり。目はかゆい。
 わざわざ台風のなかに突っ込んだみたいだ。
 花粉症用の薬を飲むと、今度は眠くなる。

 午前11時30分。おっと、こんな時間まで寝てしまった。起きないと、
土居ちゃん(土居孝幸)から電話が来てしまう。と思ったら、電話がかか
って来た。
「京都駅に着きましたあ!」
「じゃあ、ロイヤルホテルで待ち合わせを!」

 午後12時30分。京都ロイヤルホテルで、土居ちゃんと待ち合わせ。
 土居ちゃんと、麩屋町夷川の「はふう」に向う。すでに嫁と娘は先に
「はふう」に行っている。

「はふう」で、私はカツサンド、土居ちゃん、ステーキ丼。嫁、ハンバー
グ。娘、サーロインステーキ。真昼間から、濃い食べ物ばっか!
 案の定、土居ちゃんは「はふう」の味を気に入って、こっそりパンフレ ットを持ち帰っていた。 「ちょっと場所がわかりづらいからね」。  食後、竹屋町通りを西へ。 「さくまサン、どこ行くんですか?」と、土居ちゃん。 「土居ちゃんの好きな所だよ!」 「さあ、土居ちゃん、あの先のビルだ!」 「ん! あの黄色いビルは!」 「そうだよ! シュークリーム専門店のクレーム・デ・ラ・クレームだよ!」 「そっかあ! ここに出るのかあ! 無駄のない散歩道だなあ!」 「京都ロイヤルホテル→はふう→クレーム・デ・ラ・クレーム。けっこう 途中で、腹ごなしもできるいいコースだろ!」 「肥満防止ですかね?」 「歩かないとね。でも肥満促進コースと言ったほうが正しいかもしれん!」  午後2時。「クレーム・デ・ラ・クレーム」の前で、ヤサカタクシーの 宮本さんが合流。この1月まで京都相互タクシーだった宮本さんは、2月 からヤサカタクシーに移籍したのだ。今後は、ヤサカタクシーの宮本さん として、この日記に登場する。宮本さんはすっかりうちの日記の主要登場 人物だからね。
 さて、「クレーム・デ・ラ・クレーム」でシュークリームを思い切り食 べたあとは、宮本さんの案内で、桜めぐりコース。  すごいよ〜! ふつうの観光客なら、3日間かかるようなコースを数時 間でめぐってしまった。  午後2時30分。鴨川沿いをゆっくり北上。  川に向って咲く桜が行儀よく並んでいる。絵葉書のような美しさ。
 河原で酒宴を開いていないのが、不思議。  東京だったら、こんな大量の桜の下には、ダンボールが敷かれまくって、 ゴミの山になるのにな。京都の人は礼儀正しい。  午後3時。上賀茂神社。まだ咲いていない桜も多かったけど、大きな桜 が1本。見る角度によって、形が違うのが、不思議。
 ここも広大な芝生が広がっているのに、みなさん、おとなしく桜を鑑賞 している。えらいなあ。これだから京都の桜めぐりをする甲斐がある。  午後3時30分。大田神社の裏の隠れた桜の名所。ここの桜は幹がまっ すぐ上に伸びている背の高い桜の木なのだ。地面には、スミレが咲いてい て、小さな花との対比がダイナミック。
 ここは紅葉の時期も、隠れた名所。  午後4時。宮本さんの自宅のそばの、常照(じょうしょう)寺へ。  駐車場の桜は咲いているものの、お寺の桜はまだこれから。  午後5時。京福電車の線路沿いに。仁和寺から、広沢池へ。途中、人家 の庭に咲く桜を見てまわる。桜の名所と呼ばれる場所の桜より、人家の庭 の桜のほうが美しかったりする。  そういえば、桜といえば、昔は、ピンク色のイメージが強いんだけど、 最近の桜は真っ白のイメージが強い。白く咲く品種が増えたのかと思った のだが、おなじ場所のおなじ桜が近年、ピンク色から白色になっているそ うだ。長年、鴨川の桜を見続けている宮本さんがいうのだから、間違いない。  そういえばとうとう宮本さんまで、今年から花粉症になってしまったそ うだ。  きょうのメンバー5人中4人までが、花粉症。  花粉症の人たちで、暴動起こそうよ!  午後5時30分。ついに大覚寺脇の大沢池へ。もはや京都の北のほうに ある桜は全部見てしまった気分。満喫、満喫。  きょうは飛行機雲が何本も見えるように空がきれいだから、よけい桜が 美しく感じる。  山の稜線もことのほかきれいなカーブを描いている。
   
 空は青いのに、白くて丸い月が浮かんでいる。不思議な光景だ。 大きな大沢池を一周して、見事にへばる。  午後6時。さらに嵐山へ。湯豆腐の「嵯峨野」の先にある、ペンシルケ ースのお店「ブルース」に寄る。昨年だったか、岩崎摂さん、田森庸介さ んといっしょに来たときに見つけたお店。あれからずっとメールを送って くれていたので、近くまで来たら、寄ってみようという気にさせられる。
 嵐山の保津川沿いの桜も満開だ。  阪急嵐山駅から松尾駅まで、ずっと川沿いの桜を楽しむ。  午後6時30分。土居ちゃん(土居孝幸)がわずか1泊2日で、京都ま で来た理由は、このお店に来るため!  その名も「筍亭(じゅんてい)」。  名前に「筍」とあるように、敷地なんと6000坪!の竹林と和風料亭 のお店だ。さすがに6000坪って、どのくらい広いかよくわからないなあ。 このお店の前に咲いていた枝垂桜もきれいだった。  やたらと広い部屋に通される。
 どの部屋からも竹林が見える。何たって敷地6000坪だからね。しか もライトアップされているので、竹林がエメラルド色に輝いて、妖しく美 しい。  さて、これから食すは、竹の子料理のフルコース。  何から何まで、竹の子。竹の子。竹の子。竹の子。  明日になったら、お腹から竹の子が生えて来そうなほどの竹の子、竹の子。  こんにゃくかと思えば、竹の子、竹の子。  キンピラかと思えば、竹の子、竹の子。  豆腐かと思えば、竹の子、竹の子。  ステーキかと思えば、やっぱり竹の子。  とにかく何から何まで、竹の子、竹の子。竹の子。竹の子。  仲居さんが「残念ながらデザートだけは、竹の子ではないんですよ」と いうので、石巻のこしひかりアイスのことを教えてあげる。たぶん竹の子 アイスも作れるはず。料理の人に伝えてくれるそうだ。くだらない知識を 自慢してどうする!  しかしこの「筍亭」の竹の子を食べると、竹の子に対する概念が変わっ てしまうよ。うちの娘は学校の授業で「えぐい」という言葉の意味を習っ たときに、先生は、「えぐい」の例として、竹の子の味と教えてくれたそ うだ。  もちろん、うちの娘はこのお店の竹の子の味を知っているから、先生が 「えぐい=竹の子」と言ったとき、「それは違う…」と、先生に聞こえな いように、つぶやいたそうである。    そんなお店の竹の子である。  竹の子のお刺身って知ってる? 知らないよね。 本当にお刺身。正しくは「朝堀り竹の子」というそうだ。とにかくみずみ ずしいんだ、竹の子のお刺身が。  このお刺身は、1万本に1本ぐらいしか取れないんだそうだ。  なんだかすごい贅沢をしてる気分だな。  きょうの料理の10数品全部が、竹の子なんだけど、とにかく飽きが来 ない。  どれもこれもやわらかくて、するする口のなかに入って行ってしまって、 最後の竹の子ご飯まで、一気に駆け抜けるように食べきってしまった。
           
「うまい!」。  本当に美味しいときは、この言葉以外にないね!  もう一度「うまい!」。
---筍亭の枝垂桜---お見事!
 午後9時。京都のマンションに戻る。  ハドソン桃太郎事業部の石崎仁英くんから送られて来た、桃太郎の人形 焼きの型の画像を土居ちゃん(土居孝幸)といっしょにチェック。実は5 月に、四国限定で、桃太郎の人形焼が発売されることになったのだ。すご いでしょ!  今年の3月2日の日記の大規模プロジェクトの話のうちのひとつが、実 はこの人形焼の話。ようやくここまで公表していいまでになった。  う〜ん。すごくいい出来だ。人形焼きで、ここまで土居ちゃんのデザイ ンを再現できるんだ。すごいなあ。  画像は日記に載せてはいけないと言われているので、これ以上はまた近 いうちに続報を。なんとか通販で、四国以外の人でも買えるように交渉中 なので、楽しみにね。  さらに土居ちゃん(土居孝幸)と、『桃太郎電鉄X(仮)』の打ち合わ せ。メイン・キャラのデザインの最終段階。去年からずっと何度も描きな おして来たキャラをそろそろ正式決定する。  こういう風に、ちゃんとお仕事もしているのだよ。  よく遊び、よく学べである。  正しくは。よく食べ、よく学べであるが…。  明日も、京都。
 

-(c)2001/SAKUMA-