3月16日(金) 

 昨夜、校正した『桃鉄ファン』(メディアファクトリー)。
 本当にすごい本に仕上がっているので、びっくり。
 まるで『dancyu』(プレジデント社)みたいなんだもん。
 なるほど、成沢大輔くんがみんなから「親分! 親分!」と慕われる
だけの力量があることを証明するような出来だ。
 言っておくけど、私は出版業に関しては口うるさいから、なかなかホ
メないよ。

 本当に密度の濃い仕事をしている。『桃太郎電鉄』に登場する食べ物
物件を、ほとんど全部写真で再現してるし、東京にたくさんある地方の
アンテナショップのマップとか、役に立つ情報がたくさん載っているのだ。
 こういう役立つ情報の上に、『桃鉄』好きの芸能人として、昨日も書
いたけど、浅草キッド、穴井夕子さん、アリtoキリギリス、吉野紗香
ちゃん(ひさしぶり!)、アレクサンダー大塚選手、堀越のりチャン、
底抜けエアラインとか、たくさんの人たちが談話を寄せてくれている。

 この本は、私のゲーム本というのを抜きにしても、よく出来た本だ。
 ぜひぜひぜひぜひ! 月末に発売されたら、買ってほしい一冊だ。頼
むよ!
 買った感想を送ってね。シリーズ化したい本だ。

 午前10時。嫁と、JR原宿駅から、品川駅へ。
 品川駅横須賀線のホームに行くと、なんと! うちの娘と土居ちゃん
(土居孝幸)がいるではないか! いつのまにふたりは、そんな関係に! 
土居ちゃん! 私のことを「お父さん!」と呼ぶか! はっはっは。偶
然ホームで、いっしょになったそうだ。うちの娘は、学校の帰り。
 
 午前11時30分。鎌倉駅。
 柴尾英令くんも、ゲーム・ディレクターの國政修くんもおなじ電車で
来たようで、不二家で待ち合わすことなく、全員鎌倉駅でぴったり集合。

 鎌倉駅前の鳩サブレーのお店の3Fに、まあるい形をしたオムライス
がメニューにあるのを見つけて、みんなでここに入ろう! 入ろう!
と言い出して、そのまま「和風茶寮・扉」へ。
 最近、大食漢アーティストの呼び声が高くなって来た、柴尾英令くん は、まんまとメニューの、三段重を見て、昂奮する。  カレーとか、親子丼とか、いくらとか、そぼろとか、3つ選んで、三 段重ねにすることができる。  すると、柴尾英令くんの天敵である?土居ちゃん(土居孝幸)が 「柴尾くん、かつカレーと、かつ丼と、親子丼にすれば?」とそそのかす。 「土居さん、全部カロリー高いものばかりじゃないですか! イヤですよ〜!」 「なんだ、つまんないな!」
 食後、あまりにも天気がいいので、すぐ長谷の家に行くのも、もった いないので、小町通りをちょっと散歩。  大食漢アーティスト・柴尾英令くんが、「葉山牛ステーキ」ののぼりを、 名残り惜しそうに、じ〜っと眺めながら歩いて行く様に、みんな大笑い。 「柴尾くん、まだ食い足りないか?」 「マイクロ・ダイエット中の僕になんてことを言うんですか!」  午後12時30分。小町通りの奥の喫茶店「カフェ・ラ・ルナ」で、 お茶。  このお店はかわいい洋館を改造して喫茶店にしたお店で、オープンスペ ースも気持ちいい。食べ物の神様・うちの娘がいたせいか、やたらショー トケーキと、ガトーショコラが美味しかった。桃太郎チームがここでケー キを食べてしまうパターンが、定例化してしまいそうだ。  午後1時30分。長谷の家に到着。  嫁は近所の家に、引越しのご挨拶。別に引っ越すわけではないのだが、 一応ご挨拶をしておいたほうがいい。  男どもは、さっそく仕事開始。 『桃太郎電鉄11』の打ち合わせ。まだ『桃太郎電鉄X(仮)』も発売さ れていないのに、もう次の話がスタートである。気の早いことだ。  しかもこの『桃太郎電鉄11』は、私がプロデュースに回り、大食漢… ではなく、本来の有能ゲーム作家である柴尾英令くんが、中心となって作 る『桃太郎電鉄』なのである。  こういう書き方で、『桃太郎電鉄11』の内容がおおよそ、どんなもの になるのかを察知してほしい。熱心なこの日記の読み手なら、ほとんど想 像がつくだろう。立場上、どうしても私の口からは、断言できない。  午後3時。せっかく鎌倉に来たのだからと、土居ちゃん、柴尾英令くん、 國政修くんと4人で、海へ。 「あれ〜! 本当にこんなに海が近いんだあ!」 「潮の匂いが強いなあ!」 「うっ。まだ、寒い!」 「ほんとに『ドラクエ7』のアミットさんみたいな浜辺だなあ!」 「う〜〜〜、寒い! 帰ろう!」  年寄りは、寒さに滅法弱い。  戻って、再び、お仕事。  いい感じで、アイデアが出て、この家もけっこう縁起がよさそうだ。何 よりアイデアがたくさん出る家であってほしい。  午後4時。柴尾英令くんが退席。なんと! これから長野大町までスキー をしに行くというのだ。鎌倉の陽射しの強いいい天気の下から、スキーに 行くというのが、ちょっと想像がつかない。けっこう日本も広いんだな。  柴尾英令くんが、帰る。 「あれ? 柴尾さん、あとはまかせた!といって、置いていっちゃったけ ど、繋がらないなあ!」と、國政修くん。  実は、柴尾英令くんが親切にも、私のVAIOを、イーサ・ネットをつ かって、鎌倉ネットで繋げられるようにして行ってくれるはずだったのだ が、スキーに向うために、途中で投げ出して行ったのだ。  まあ、機械に強い國政修くんがいるから、なんとかなると思ったのだが、 どうしても繋がらないというではないか!  それどころか、PHSカードが作動しなくなってしまったというではな いか! 「何〜〜〜!? ってことは、私が日記を書いても、ホームページ上に乗 せられないってことか?」 「そういうことになりますねえ!」 「何〜〜〜! 柴尾英令くん! なんちゅーことをしてってくれたんだ〜〜〜!  許さ〜〜〜ん! デブ〜〜〜!」  この経緯を私はもちろん上手く説明できないのだが、國政修くんは 「LANがどうの? USBケーブルがどうの? ハブ港がどうの?  あんこ椿は恋の花…」などということをしきり言っていた。一体どう すればいいのよ。  そのうち、國政修くん懸命の努力で、私のPHSカードは、復活。ふうっ。 よかった! どのくらいよかったのか、よくわからないが、とにかくよか った。  とにかく、人心を惑わした柴尾英令くんを呪うことにしよう!   エコエコアザラク! エコエコアザラク! この恨み晴らさずにおくべ きか! あっちょんぷりけ! 何だかだんだんズレて来た気がする。  引き続き、『桃太郎電伝(仮)』の打ち合わせ。  こっちのほうも、順調。  すでに私も9割方の仕様書を書き上げているので、あとはどのプログラ ム・チームに依頼して、いつから始めて、どのハード機器で作るのが妥当 なのかを考える段階に入って来ている。  もうひとつ決定打に欠ける部分のアイデアも、ひさびさに土居ちゃんの 一発アイデアが出て、なんなくクリア。このゲーム、苦しむことが少ない だけに、ツキがある。  それにしても、最近やたらと、土居ちゃんがアイデアを出す。  なんだか最近真面目に仕事するんだよなあ。  去年まで、あの堀井雄二に「オレの目から見て、土居ちゃんはあんまり 仕事しているように思えないんだよなあ!」と言われていた時期が嘘のよ うである。  まさか! 土居ちゃんが長い独身生活に別れを…!  別にそういうことはないそうである。  午後7時。みんなで江ノ電長谷駅から、鎌倉に出る。  柴尾英令くんが今朝、やたらと興味を持って眺めていたお店、葉山牛 ステーキのお店に行くことにした。何でもいい。柴尾英令くんが悔しがっ てくれさえすればいいだけである。  お店の正しい名前は「マザーズ・オブ・鎌倉」。  葉山牛を食べるのは、私も初めてだ。  へ〜! 甘みがあって、美味しいお肉だなあ。 「土居ちゃん、柴尾英令くんに向って、このお肉は美味しかったよ〜の ポーズを取ろうではないか!」 「はい、ポーズ!」
 土居ちゃんは本当に柴尾英令くんをからかうのが、好きなようだ。  ふうっ。食った、食った。  土居ちゃんが「う〜〜〜、お腹が苦しい!」とうなっている。  うなるわけだよ、土居ちゃん! 実はこっそり私のところにあったお肉 を、3切れ、土居ちゃんのお皿のほうに移しておいたのだよ。わっはっは。 土居ちゃん、全然気づかずに食べていたんだよ。えっへっへっへ。量が多 いなあと思ったでしょ。ははは。  しかし、このところ鎌倉で入るお店。入るお店、それぞれ美味しいので、 鎌倉に来るのが楽しみになりそうだ。  何ていったって、我が家のものさしは、美味しいお店が何軒あるかだ!  そういう意味では、第一段階をクリアだな。  帰りに、不二家でケーキを買って、帰る。  むひょ〜〜〜! 「不二家でケーキを買って帰る」というフレーズくらい、 美しい言葉はほかにあるだろうか。    午後9時。長谷の家に戻る。  電気スタンドの数が足りないとか、テーブルタップが足りないとか、小物 で足りないものなどを列挙。明日の買い物に備える。  今夜は、家族3人、初めて鎌倉の家に泊まる。
 

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