3月10日(土)

 午前中、『桃太郎電鉄X(仮)』の手直し作業。
 九州マップ部分(まだ、言い張っている!)の臨時収入のメッセージ
を書き続ける。

 午後12時。家族3人で、麻布十番の「浪花家(なにわや)総本店」へ。
 いつものように、焼きそばに、鯛焼きを注文すると、鯛焼きは無理だ
と言われる。何で? えっ!? いまから鯛焼きを注文しても、出来上
がるのは、午後3時30分なんだって! 午後3時30分〜〜〜!? 
って、3時間以上待つの?

 言われてみれば、さっきからひっきりなしに、電話が鳴っている。
 全部、注文の電話だ。
 地下鉄大江戸線が開通したときに、このお店は、麻布十番駅のシンボ
ルとして紹介されたので、たしかに混んでいた。だから開通してもう3
ヶ月もたつから、そろそろすいただろうと思って、きょう来てみたのだ。
全然人気が衰えていない!

 仕方なく、焼きそばと、小倉アイスを食べる。
 食べ終わる頃には、いまから鯛焼きを注文すると、出来上がりは午後
4時40分になっていた。本当に、すごい人気だ。
 
 食後、鳥居坂を登って、六本木方面に向って散歩。
 なんとも急な坂道だ。
 「ひ〜〜〜!」
 やっとのことで登り終えたところに、鳥居坂のいわれが書いてあった。
 江戸時代、蛮社の獄を引き起こした、あの妖怪・鳥居耀蔵(とりい)
の屋敷があったそうである。
 あの漫画『風雲児たち』でも『御用牙』でも、歴史上最大の悪人とし
て描かれた男だけあって、坂まで急にして、平成の世まで、民を苦しめ
るとは、さすがである!

 六本木の「アフタヌーンティー」でお茶。
 アマンドの交差点から、飯倉に向う道路はおもしろいよ。
 道の両側に、「スターバックス・コーヒー」の偽物のあんなお店や、
こんなお店がずらりと並んでいる。しかも、本家スターバックス・コー
ヒーもある。
 
 午後2時。帰宅。
『桃太郎電鉄X(仮)』の九州マップ部分の臨時収入メッセージの続き。

 夕方、ようやくメッセージ完成。
 一晩寝かせて、明日もう一度推敲してから、ゲーム・ディレクターの
國政修くんに送ろう。一日置くと、文章のテンポの悪さ、わかりづらい
部分に気づくものだ。

 一段落ついたので、まとめて読書。
 毎日本は読んでいるけど、まとまった時間読むヒマがなかった。

『誰が「本」を殺すのか』(佐野眞一・プレジデント社)
 すごい内容だ。いまの出版界の現状が赤裸々に描かれている。
 もう出版界は、本当にダメだな。
 コンビニなら、品切れすれば、その日に品物が届く時代に、予約して
も、2〜3ヶ月も待たされる出版業界が、今日を生き抜けるわけがない。

『アー・ユー・ハッピー』(矢沢永吉・日経BP社)
 例のオーストラリア事件。身内のスタッフに30億円横領された事件
の「顛末」のうちの「顛…」ぐらいまでが書かれているんだけど、私も
身内のスタッフにやられた手口とまったくおなじなのに、びっくり!
 永ちゃんが、アメリカ車なら、私は、軽自動車ぐらいの被害でしかな
かったけれど、あまりの酷似っぷりに、苦笑してしまった。
 
 午後7時30分。広尾の「プティポワン」で、テレビ長崎の好感度
アナウンサー・山本耕一、久美子夫妻と、待ち合わせ。
 明日からニューヨークに新婚旅行で旅立つというので、前日のきょう、
会うことになった。
 
 私がゲームの仕事で、耕一の1月の結婚式に行けなかったので、耕一
の奥さんとは、初対面。話に聞いていたように、明るくて、しっかりし
た奥さんだ。
 昨年の1月、長崎で山本耕一と、10数年ぶりに劇的な再会を果たし
て、1年後には、こうして家族ぐるみで、食事ができるようになるのだ
から、人生というのは不思議なものだ。

 しばらく昔話に花が咲く。
 山本耕一が、学生時代、新聞の勧誘を断われずに、アパートは洗剤だ
らけだった話とか、いろいろ奥さんにバラす。まあ元から真面目な男な
だけに、過激な暴露話が無いのは、宴席ではちょっと残念。
 初めて耕一に会ったときに、ビビッと来たということを自然体で話す
奥さんは、とても魅力的(チャーミング)である。果報者だなあ、耕一は!

「プティ・ポワン」の北岡さんには、あらかじめきょうは、新婚カップ
ルを連れて行くので…と伝えてあったので、きょうの料理はいつもに増
して、豪華! しかも手間隙かけまくり。
 耕一も「明日からのニューヨークでの食事が美味しく感じられなくな
りそうだ!」と、プティ・ポワンの料理に驚く。

 ・たらば蟹のヴィシソワーズとヴィネグレットポテト
 ・甲殻類のロワイヤル、黒トリュフのカプチーノ
 ・舌平目のオマール海老詰め、シブレットソース
 ・柚子のソイベ
 ・骨付きあばら肉のブルギニヨンヌ
 ・リンゴのフランジパーヌ焼き、焦がし牛乳のクレームグラッセ
 ・カフェと小菓子
 ほえ〜〜〜っ! きょうこそ、お肉は敬遠して、お魚だけいただこう と思っていたけど、やっぱりダメだ! 出てきたもの、全部食べてしま った〜! 美味しいけど、ぐるじいよ〜〜〜!  お腹が、破裂しそうだよ〜!  いま、針刺したら本当に破裂するよ〜!
 デザートのときに、ちょうど今夜、パパイヤ鈴木のライブを見終わっ た柴尾英令くんが、「プティポワン」に合流。  山本耕一と、ハードディスクを下取りするだの、わけのわからない単 語を応酬して、どうやら商談がまとまったようだ。  山本耕一と、柴尾英令くんが、顔を合わせたのは、これで3回目だと いう。  つくづく、インターネットというメディアは、人と人の繋がりを密に して、距離感を無くす文明の利器だと思う。  山本耕一と、柴尾英令くんの場合は、故郷がいっしょで、柴尾英令く んの実家の酒屋さんが、耕一にとっての通学路だったという思い出も手 伝って、密になっているけどね。  午後11時まで、「プティポワン」に長居させてもらったんだけど、 それでも身体の重心の位置が高くなってしまったほど、お腹が苦しい。  午後11時30分。帰宅。むひ〜〜〜、まだお腹が苦しい。  今夜は体重計に乗りたくない…。
 

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