2月18日(日)

 午前11時。嫁と、近所の「スターバックス・コーヒー」で、ベ
ーコン&ポテトパンにキャラメル・チャイ。正しくは「アフタヌー
ンティー」である。
 近所の「サザビー」には、スターバックス・コーヒー、アフタヌ
ーンティー、キハチ・チャイナの3店舗が入ってる。

 午後12時。ゲーム部屋へ。
 0123のアート引越しセンターの人が来て、引越しの見積もり。
 本ばっかなので、比較的安い料金で引越しができるそうだ。
 ふつう値切る交渉をするらしいのだが、安かったので、即、OK。
何より2月中に引越しできるというので、早いほうを選ぶ。
 とんとん拍子が、気持ちがいい。

 午後1時。原宿の美容室「ヘアストリート」へ。
 いつもの地上奈々恵(ちがみ・ななえ)チャンにシャンプーして
もらいながら、地上奈々恵チャンが北海道に行きたいという話を聞く。
 もともと彼女は、九州は宮崎の生まれだから、北海道はあまり詳
しくないはずなのだが、やたらと地名をよく知っている。
「女の子なのに、地理をよく知ってるねえ!」と言うと…。
「それは、さくまサン! 『桃太郎電鉄』のおかげですよ!」
 ああ、そうだった。地上奈々恵チャンは、桃鉄フリークだったの
である。
 うんうん。こういう風に、桃鉄は世間に貢献してるわけだな。納得。

 そのうち、電撃的にゲームのアイデアがぶわ〜〜〜っと浮かび、
あわてて、地上奈々恵チャンに「もうしわけないんだけど、私のカ
バン持って来てくれる?」と言って、いつものアイデア・ノートに
ネタを書きまくる。

 昨日から復活した、『伊吹童子(仮)』である。
 ふっふっふ。ついに長年浮かばなかった部分が、浮かんだぞ。
 便秘のあとのトイレよりも、気持ちいいぞ! 下品だ。

 午後4時。帰宅。
 ここでちょっと悲しいお知らせ。
 実は『ほんのチョイ係』のことなんだけど、今後、しばらくとい
うか、けっこう長いこと休止させていただきます。

 私は、デビューからずっと、その大半を読者参加型の仕事に従事
していただけに、『ほんのチョイ係』みたいなコーナーは、大好き
である。
 でも、大好きな分だけ、見た目よりも、ものすごい体力を消耗す
る。文章を何度も何度も推敲する。正直言って、この日記よりも、
神経をつかう。
 あの『ジャンプ放送局』が、14年間、読者と対話するのは、毎
週半ページしかない『ほんのチョイ係』だけだったのは、そのせい
なのである。本当は、ひとつひとつのコーナーに来たギャグにもツ
ッコミを入れたかったのだが、そんなことをしていたら、絶対14
年間も続かなかったと思う。
 そのぐらい、読者対話の文章というのは、疲弊する。

 だから『月刊デジタルさくまにあ』のほうの『ほんのチョイ係』
も、実はこの原稿を書き上げると、その日はまったくほかの仕事が
できなくなってしまう。
 ましてや『桃太郎電鉄』の仕事に熱中しているときに、『ほんの
チョイ係』の原稿を書くと、2〜3日、『桃太郎電鉄』のほうのに
気持ちが戻れなくなってしまうのだ。
 しかもこの『月刊デジタルさくまにあ』を始めた頃というのは、
まだ世の中にインターネットが普及していなくて、『ほんのチョイ
係』に来るメールも少なくて、私も楽しく書けたのだが、うれしい
悲鳴なことに、最近本当に多くて、その数が、だんだん100や、
200ではなくなって来た。
 そして今や、うれしい悲鳴が、本当の悲鳴になりつつあるのだ。

 あとは知っての通り、現在、ゲームの制作本数が半端ではない。
 仕事の忙しさを言い訳につかうのは、絶対したくないことだった
のだが、さすがに最近は、限界点を越えている。
 でも今、桃太郎チームは最高のスタッフと、最高のチームワーク
の時期を迎えているので、仕事に専念したいのだ。
 私ももう年齢を考えると、パワフルでいられる時期も、残り少な
いからね。
 感性は、年齢を増しても、生まれるだろうけど、体力のほうは、
さすがにね。

 というわけで、はなはだ勝手ではありますが、『ほんのチョイ係』
を休止させていただきます。同時に『桃鉄研究所』も休止です。

 逆に、日記に対するおもしろいツッコミは、この日記のほうに掲
載させていただきます。そのほうが、タイム・ラグが無くていいも
んね。『ほんのチョイ係』のメールをためこむと、どうしても話題
が古くなってしまうんでねえ。
 あと気になるメールには、直接返事します。

 今後も、ゲームのだじゃれ募集とは、この日記のほうで、募集す
るかと思います。今後も変わらぬご支援をってやつですな。
 そんなわけで、今度ともよろしく。

 夕方、家族で、昨日録画しておいた、NHKスペシャル『信長の
夢・安土城発掘』を見て、もう一度、安土城に行きたくなる。

 午後5時。おお! 柴尾英令くんと、放送作家の福本岳史くんか
ら電話が入る。
 すべての取材を終えて、いま、紀伊半島の新宮(しんぐう)駅に
いるそうだ。
 福ちゃんは、仕事とはいえ、相当食べまくったらしい。
 このあと、ふたりは名古屋に出て、「矢場とん」に向うそうだ。
『桃鉄ファン』の取材、おつかれさまです。
 
 午後6時。家族3人、麻布十番の「EDOYA(えどや)」へ。
なんとか6時前に着いたはずなのに、もう店内は満員。出るときも
行列。すごい人気だ。

 メンチカツに小ライス。
 美味しいので、ついスペアリブに、デザートとして、ブラマンジェ
を半分。
 娘と、この美味しい洋食を食べながら、『伊吹童子(仮)』の打
ち合わせ。私のプランの穴を探す。へっへっへ。そういうと思って
たぜ。こうするんだぞ。へ〜!
 …なんて言ってるうちに、突然、娘がレアなケースを探し出す。
この小姑的性格は、ゲーム作りに向いてるなあ。
 
 午後7時。帰宅。
 さっそく、『伊吹童子(仮)』の仕様書をまとめる作業に入る。
 娘にツッコミを入れられた箇所も、ほぼ解決!
 う〜む。この調子だと、このゲームの発進は早くなりそうだなあ。

 …などと書いていると「僕が、紀伊半島を回っている間に、東京
では何が起きているのですかあ!」と、柴尾英令くんに叫ばれてし
まいそうだ。
 浮かんでしまうときは、こういうものだ。
 

-(c)2001/SAKUMA-