2月13日(火) いやあ、やっぱりゲームって、身体によくないねえ。 昨夜、ひさびさに『ポケモン金』をやらずに寝たら、朝までぐっ すり眠れた。 どうも午前2時ぐらいまで『ポケモン金』をやってから寝ると、 午前5時には目が覚めてしまって、あげくに起きたついでだと、ゲ ームの続きをやってしまうから、首が痛くなるのも仕方ないや。 高橋名人が言っていた、ゲームは1日1時間がいいのかもね。 1時間じゃ、『桃鉄』2年分もできない。 午前11時。京都ホテル脇の、「ALZA(あるざ)」で、Bセ ット。Bセットには、ホットドッグとオムレツ、サラダがつく。こ のホットドッグが好きなのだ。 しばらくして、京都相互タクシーの宮本さんが来る。 「京都相互タクシーの…」と書くのも、今週いっぱいまで。 来週20日からは、違う会社に移るそうだ。 次に私が京都に来るときには、違う会社名の宮本さんになってい るはず。 食後、宮本さんに買い物に付き合ってもらう。 まず前から気になっていた北白川のパン屋さんを探しに行っても らう。一度TVで見ただけなのだが、住宅地のわかりづらい場所な ので、こういうときは宮本探偵がいると便利。 そのうち、『タクシー刑事』とか『タクシー探偵』という推理小 説書こうかなあ。 宮本さんから聞いている話を元にしたら、おもしろい小説が書け そうだ。 その宮本探偵、ちゃっちゃっとお店に聞き込みに行ってくれて、 あっというまにお店まで案内してくれる! でも、火曜日定休に、がっくり! では、次の用事へ。 京都にも、プレイステーション2がほしいので、大型電気店へ。 円町の「ニノミヤ電気」だったかな。 行ってみたけど、プレイステーション2は売り切れ! がっくり! 宮本探偵、大活躍で京都南にある「コジマ電機」に電話してくれる。 でも、コジマでは扱っていないとの返事。がっくり! それでも、宮本探偵、寺町のタニヤマ無線にまで電話してくれる。 でも、在庫ゼロ。2〜3ヶ月先にならないと入らないそうだ。が っくり! がっくりの日だなあ、きょうは。 とはいうものの、プレイステーション2は売れているではありま せんか? ってことは、おもしろいゲームさえ作れば、ヒットする 土壌があるってことだな。 ちょっといい情報を手に入れた。 このまま帰るのも悔しいので、伏見桃山の「山形屋市兵衛」まで 行ってもらう。 酒屋さんだと思うでしょ? 伏見だし。 ところが、なんと、パン屋さんなのだ。すごい名前でしょ? またここのパンが、レトロっぽい味で美味しいのだ。 パンのなかに、おにぎりが入ったおにぎりパン。 ミルキーパン。 黄身あんの入った、銀閣寺パンに、こしあんの金閣寺パン。 パン屋さんが多い京都でも、異彩を放つお店だ。 午後2時30分。こんな日は、家でしっかりお仕事しなさいとい う啓示だと思って、京都のマンションで、『桃太郎電鉄X(仮)』 の仕様書作り。 いきなり、書きかけのままのイベントの仕様書を発見。よかった。 よかった。やっぱり家で仕事をしてろってことだよな。 そう思っていたら、ゲーム・ディレクターの國政修くんから電話 が入る。國政修くんは明日から、札幌。 いろいろ、『桃太郎電鉄X(仮)』について、電話で打ち合わせ。 さらに先日来、密かに進行している、ハドソンの新プロジェクト はどうするんですか?と聞かれる。 「やりますよ!」 「でも、さくまサン、あれもやるとなると、今年発売されるゲーム は、5本になってしまいますよ!」 「ひ〜〜〜!」 どおりで、忙しいわけだ!…と、吉本新喜劇みたいなオチを言っ てる場合ではないぞ! 「あの新プロジェクトやるとしたら、土居さんに、最低でもイラス トを50枚は書いていただかないといけないんですよね」 「ひ〜〜〜!」 まあ、私が書くんじゃないからいいか…って、言っている場合で はない。 土居ちゃん(土居孝幸)は、ああみえて馬力あるから、大丈夫だ ろう…って、言ってる場合ではない。 土居ちゃんにうまいもの食わせて、ねじこむか?…って、言って いる場合ではない。 とにかく『桃太郎電鉄X(仮)』を第一に作ることで、一致。 さて、いよいよ『桃太郎電鉄X(仮)』の音楽チェック。 いままで、『桃太郎電鉄7』と『桃太郎電鉄V』の音楽は、宮路 一昭くんに管理してもらっていたんだけど、今回からまた私が直接、 どのイベントにはどんな曲を書いてもらうか?を考えることにした。 となると、やっぱり『桃太郎電鉄X(仮)』でも、池毅(いけ たけし)さんにも参加してもらいたいなあ。 あのいい曲が、ほしいなあ。 度肝を抜く、あのオープニングに、いい曲ほしいなあ。 なんてことを思いながら、ひとつひとつイベントと、カードをチ ェックしていく。『桃太郎電鉄』って、曲数、本当に多いなあ。 通常、ゲームには30曲ぐらい入っているそうだけど、うちの場 合、100曲近く入ってるからなあ。 しかし、私はいまこうやって、ゲームデザイナーという職業を、 偶然のようにやっているけど、いま思うと、必然のようにこの業界 に来たと思うことが多い。 ゲームデザイナーというのは、ゲーム・シナリオだけ書ければい いと思われがちなのだが、絵についてくわしくないといけない。 その点、私は漫画評論家だった時期が、10年近くあるので、絵 についてはうるさい。 いまでも土居ちゃん(土居孝幸)に「さくまサンの依頼で描く絵 がいちばん緊張しますよ!」と言われる。 私は、土居ちゃんが手を抜いたときの絵は、こういう風になると いうのを見抜いているからね。へへへ。 ゲームデザイナーは、音楽にもくわしくないといけない。 私は、すぎやまこういち先生ご夫妻とか、サザンオールスターズ に囲まれているので、とてもとても、音楽について、ひとうんちく も語れる言葉を持っていないのだが、CD時代ではなく、レコード 時代には、音楽プロデューサーとして、何枚もアルバムを制作して いる。 歌手だったことは、内緒ね! この経験のおかげで、ずいぶんとゲーム作りのときに、助かって いる。 どうも人生というものは、やってきたことに沿って、歩いて行く フロー・チャートのようなものなのだろうなあ。 私は『ときめきメモリアル』よりも、生臭い人生を送ってきたし、 ホラー映画は好きではないから、『バイオ・ハザード』のようなゲ ームは作れない。 全国を旅することが好きで、ギャグ作家をずっと続けていたから、 『桃太郎電鉄』のようなゲームを作る運命にあったのだろう。 なんてことを今さら思っても、仕方ないので、楽しく仕事をする ことに、邁進する。 粛々…、黙々…と、『桃太郎電鉄X(仮)』の仕様書作り。 夜は、山形屋市兵衛で買ってきた、おにぎりパンを食べて、さら にお仕事! お仕事! お仕事! お仕事! たまに読書! お仕事! お仕事! ポケモンはちょっとお休みしろよ! お仕事! お仕事! お仕事! お仕事! お仕事!
-(c)2001/SAKUMA-