１月１１日（木）

　午前１１時。『今日のともちゃん』で、おなじみの古川知子が、
昨年からイラストレーター専業にして１年間、絵以外の仕事をま
ったくしないで、ご飯が食べられたお礼ということで、私と嫁を
食事に招待してくれた。

　どうも最近、山本耕一を始めとして、学生時代をうちの事務所
ですごしたやつら若者たちが、競って恩返しをしてくれるので、
うれしいやら、おもはゆいやら、涙をこらえるので精一杯の出来
事が多すぎる。

　で、私のほかにも、古川知子は、プロスペックの江口貴博（え
ぐち・たかひろ）くんも招待して、計４人で、日本橋「たいめい
けん」で、ふかふれラーメンをごちそうになることになった。
　
　何でも古川知子は、グルメなら誰でも知ってる、日本を代表す
る洋食のお店「たいめいけん」に知り合いがいるというので、ど
の店員の人かと思ったら、なんと！
　「たいめいけん」の３代目オーナーだというではないか！
「古川知子！　ひょっとして、おまえ、このお店がとてつもなく
有名なお店だということを知らないんだろ！」
「うん！　オーナーが、カート仲間なんですよ！」
「このお店は食い道楽の人なら、知らない人は絶対いないという
くらい有名なお店なんだぞ！　しかもそのオーナーと友だちとい
うことは、漫画業界でいえば、高橋留美子と友だちというくらい
の価値なんだぞ〜！」
「ひええええっ！　そ、そ、そんな人だったの？　ひえええっ。
急にいま汗かきだしちゃったあ…！」
　古川知子は、意外ととんでもない有名なイタリアン・レストラ
ンのオーナーと知り合いだったり、芸能人となかよしだったりす
るのだが、本人はいつもそのすごさをまったく理解していないの
である。




　しばし、ふかひれラーメンを待つ。
「くっくっくっ！」
「何がおかしいの？」と嫁。
「いやね。古川知子が、きょうはスーツを着て、しっかり化粧し
ているから！」と、私。「失礼じゃないの！　その言い方は！」
と、嫁が怒る！
「いや、きれいだと思うんだけど、私は古川知子が、高校生のと
きから知ってるから、なんだか急にうちの娘がお化粧をしたみた
いで、どうも違和感があるんだよ〜！」
「へへへへっ！」と、古川知子。

　さて、ふかひれラーメンは、ふかひれのプチプチ感が気持ちよ
くて、メンマが、甘い、やわらかい！　しかも量が多い！
「なあ、古川知子！　美味しいけど、ちょっと量が多すぎない？　
このふかひれラーメンにさらに、昼のランチ２人前、注文しちゃ
ったんだぞ！」
「おかしいなあ！　前に来たとき、ふかひれラーメン、この器の
大きさの半分くらいだったんですよ〜！」

 


　うひょ！　ランチ・メニューまで来てしまった！
　これは食べきれない！
　みんなで、ちょこっとだけ手をつけて、お食事終了。
　美味しかったあ！

　５階の「凧の博物館」を見て、厨房にいた３代目オーナーとご
挨拶。

　午後１２時３０分。そのまま日本橋三越の喫茶店で、おしゃべり。
　江口貴博くんと、今後のゲーム業界について、あれこれ情報交
換。あいかわらず、業界の行く末に対して、いい勘をしている。
彼の頭脳をつかいこなせる政治家がほしいところだ。

　午後３時。高円寺のひろたたけしの事務所「ＳIＤＯ」へ。
　今週の桃太郎シリーズ打ち合わせ４連戦の３日目は、ここ「Ｓ
ＩＤＯ」で、『桃太郎電鉄Ｘ（仮）』の打ち合わせ。
　きょうのメンバーは、土居ちゃん（土居孝幸）、ゲーム・ディ
レクターの國政修くん、アニメ・プロデューサーのひろたたけし。
ひろたたけしは、ゲーム『御神楽少女探偵団』のプロデューサー
でもある。

 


　わっはっはっは。ぎゃっはっはっは！　こうして、ああして、
わっはっはっは。それ、いいなあ！　じゃあ、こいうこともしよ
うよ！　いい！　いい！　それ思い切りやってくれ、ひろた！　
ぎゃははは！　おもしれえええっ！

　しかし、まさか『桃太郎電鉄』がこういうオープニングになる
とは、誰も想像しないだろうなあ。
　嗚呼！　打ち合わせの内容をばらしてしまいたいよ〜！

　午後６時。高円寺駅までの帰り道をうっかり間違える。でも環
七沿いに、すぎやまこういち先生ご夫妻から教えてもらっていた、
讃岐うどんの美味しいお店があったことを思い出した。
「土居ちゃん、讃岐うどん、食べていかない？」
「いいっすよ！」
　というわけで、土居ちゃん、國政修くん、私、嫁の４人で「さ
ぬきや」に初挑戦！
　
　いやはや、驚いた。
　何の変哲もない、ごくありふれたうどん屋さんなのに、何でこ
んなに美味しいの？
　嫁が注文した、冷たいごまだれうどんの、胡麻が、まさにクリ
ームスープのように上品な味なのだ、　ちょっとこの美味しさは、
衝撃的！

 
 


　私と、土居ちゃん、國政修くんが注文した、温かい天ぷらうど
んも、天ぷらがさくさくで美味しいったら、ありゃしない。麺は
もちろん、透明感のある本場讃岐うどんの味だ！　
「國政くん、今月、ひろたの事務所でもう１回打ち合わせしない？」
「はっはっはっは！」
　今月はもう、ひろたの所で打ち合わせる予定が無いので、来る
きっかけがないのだ！
「う〜む。ひろたに頼んでいた絵コンテが送られてきたら、難癖
つけて、無理やり会議を開こう！　この讃岐うどんのために！」
「はっはっは！　そんな無茶苦茶なっ！」

　午後７時３０分。帰宅。
　ワードに変わる、新しいワープロ・ソフトで、この日記を書い
ている。
　まあまあ、なんとかつかえているが、まだまだ違和感がある。
　削除キーを押すと、文字のひとつ前の文字から、消えて行くと
いうのが、今までワードをつかっていた人間には、ちょっと慣れ
るまでに、時間がかかりそうだ。
　でもワードみたいに、こっちの知らないところで、気を利かせ
てくれるのは、コンピュータが苦手な人間には、大きさお世話す
ぎる。
　さて、私がチャレンジしているソフトの名前は何でしょうか？
　答えがわかったら、ハガキに住所、氏名、年齢を書いて、遊ん
でください！　えっへっへ。