1月6日(土)

 やっぱりあっという間に、年末年始が終了してしまった。
 例年通りだが、名残りが尽きない。
 京都という町は、旅人でいるかぎり、ずっといても飽きることが
ない恐ろしい町だ。生活するとなるとまた別なのであろう。

 午後12時。東山三条のお蕎麦屋さん「なかじん」に初挑戦。
 古川商店街という、古い商店街の一角にある。
 不思議な立地だ。まさかこんな下町風の商店街に、お洒落なお蕎
麦屋さんがあるなんて。
   京都相互タクシーの宮本さんに案内してもらわなかったら、この 雑然とした商店街に、食欲を失って、入店せずに帰ってしまったこ とだろう。  店内は広い。厨房が丸見え。
   嫁が、お蕎麦三昧、私と娘が、昼のおきまり(ランチ)。  嫁が注文したお蕎麦三昧がおもしろい。  そば粥→粗挽きそば→そばがき→せいろと続くコース。  粗挽きそばは、なんと粗塩をパラパラとふりかけて、そのままで 食べてほしいというではないか!  横から、私も娘も手を出す。 「え!?」  塩をふりかけたのに、何で甘いの? お蕎麦のせい? 不思議だ。  透明感のある味のなかに、ほんのり甘味を感じる。美味しい!
   私と娘が注文したランチも驚きだ。  そうめんのように細いお蕎麦は、口の中でも1本1本、その存在 感を大いにこっちにアピールする。うまい! とにかくうまい!  ランチには、せいろのほかに、そばの実ご飯にとろろがつく。  このとろろのクリーミーな味と、その滑らかさに、驚嘆する!  う〜む。探せばまだまだ美味しいお店はいくらでも、埋まってい るものなのだな。感嘆符!  お漬物まで美味しい。お蕎麦のぬか漬けだそうだ。  やわらかい味だ。  最後で、大ヒットの新しいお店を見つけて大満足。  夜は、蕎麦点心を食べることができるようだから、次に京都へ行 くのが楽しみだ。  さて、思い残すこともないから、マンションを掃除して、東京に 帰るか? 「娘よ! 行き忘れた場所はもうないなっ?」 「今宮神社のあぶり餅!」 「最後も食い物かい!!!」  学校の宿題は忘れても、あぶり餅を食べることを忘れない娘であ った。 「今回、三嶋(みしま)亭で食べなかったね!」 「もういいだろう、あれだけ食べりゃ!」  宮本さんが「黄色のビルのも、食べてないんじゃないですか?」 「あっ。クレーム・デ・ラ・クレームのシュークリーム!」  今回は、風邪で寝込んでいたから、行かなかったお店が多いなあ。 まあ、次の楽しみにとっておこう!  午後2時。今宮神社の「かざりや」で、宮本さんもいっしょにあ ぶり餅。
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     将来は、このあぶり餅のお店を東京で開いて、余生を暮らすかな? と、ふと思う。  夕方。帰省客で満席の新幹線で東京へ。  午後7時。帰宅。  京都駅伊勢丹デパートB2で買って来た「はつだ」の特選和牛弁 当で、夕食。生餃子も買って来たので、焼いて食べる。意外といけ るぞ、この組み合わせ!  午後7時30分。NHK『菜の花の沖』を見る。司馬遼太郎さん 原作。竹中直人主演だ。  ちょっと原作の雰囲気とは違う気もするが、しばらく見続けるだ ろう。  年賀状をぽつぽつ見始める。  仕事のほう(『桃太郎大全集(仮)』)も、ぽつぽつと…。
 

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