11月11日(土)

 倉木麻衣のビデオ『FIRST CUT』は、ええですぞ〜!
 何だかわからないんだけど、青春時代の恋愛を思い出してしまうんだなあ。別に倉木
麻衣に似た女の子がいたわけでもないし、歌手をめざしていた子がいたわけではない。
風景だって、ニューヨークだったり、スタジオだったりするわけだから、何の関連性も
ないのになあ。
 あのか細い声のせいかな。
 とてもせつなくて、甘酸っぱいものが、鼻腔に広がる。

 さて、そんなせつない気持ちはどこへやら。
 本日は、2000年11月11日と、お日柄もよく、こんな日に大願成就したいもの
だと、午前10時。鎌倉駅前の不二家レストランで、霊能者兼漫画家の岩崎摂さん、蔵
人総合研究所の赤根豊くん、私、嫁
の4人が集まる。
 顔ぶれを見ての通り、ついに! 本日、鎌倉の家の購入調印式なのであった〜! ひ
ゅ〜〜、どんどんどん、パチパチパチ! どんどんどん!

 めでたき日に、大人が4人揃って、不二家のストロベリーショートケーキをほうばり
ながら、「さくまサン! ご購入おめでとうございます!」と言われても、緊張感まる
でないよ、赤根くん! 岩崎摂さんは人の顔を見ちゃ、「うひっひ、うひっひ!」と笑
ってるし。私と嫁は、ふたりで不二家のホットケーキ食べている。
 なんとものどかな大願成就。対岸ジョーズのだじゃれが浮かぶ。

 午前11時。京浜急新逗子駅前の不動産さんで、調印式。
 向こうの不動産屋さんも、数回私と会って、わかったようで、難しい話はすべて嫁と、
赤根豊くんにしてくれる。

 たまに「御主人、2階の部屋の壁の隅っこのところは、こちらで修理いたしますので
…」と言われても「へ?」。横から、岩崎摂さんが「さくまサン、どうせ覚えてないん
でしょ!」「うん!」。はっはっはっは。

 何だか知らないが、会議室で、岩崎摂さんと、ドラマ作りの話などをしてるうちに、
すべて終了してしまっていた。はっはっは。

 不動産屋さんにしてみれば、一体この4人はどういう意味があって、1チームとして
構成されて来てるのか、わからないだろうなあ!

 午後12時。長谷の鎌倉の家に行って、今度は岩崎摂さんの出番!
 家の応急手当は、どこをどうしたら、いいかを霊能力で、ピポパッ! おっと、霊能
力はコンピュータじゃないんだから、ピポパッ!とはひらめかないな。どういう風にひ
らめくんだ?

 しきりに、岩崎摂さんと、うちの嫁がああでもない、こうでもないと、作戦を練って
いるようだ。どうやら、やっぱりうちの嫁にも霊能力があるようだ。困った。浮気もで
きんぞ。
 まあ、今後ゆっくりゆっくりこの家は、プラモデルに色を塗るように、手を加えてい
くつもり。

 午後1時30分。鎌倉に戻って、鶴岡八幡宮へ。
 きょうは、七五三なので、八幡宮はすごい人出というよりも、ものすごい人出。
赤根豊くん、さくま、岩崎摂さん
 道路から人があふれでそうだ。  境内には、露店が出ていて、炒り銀杏を見ると、つい手が出る。  砂利道を歩きながら、ほうばる炒り銀杏は、いたずらっ子のようで、楽しくて美味し いなあ。  午後2時30分。江ノ電江ノ島駅の前にある「舟善(ふなぜん)」で、アジのたたき 定食を4人で食べる。  今後もここのお店は、何度も何度も登場することになるに違いない。  ここのアジのたたきと、岩のりは、一度食べてみなきゃ!  アジのたたきも美味しいからと、焼きはまぐりや、サザエの壷焼き、生しらすまで食 べてしまうと、美味しいけど、5000円以上になってしまうから、注意してね。  ただいま私は減量中なので、アジのたたきと、焼きはまぐりで、ドクター・ストップ。 ご飯も半分残す。いよいよ山形立石寺登山が近い。
 午後3時55分。岩崎摂さんは仕事が入っているので、「舟善」で別れる。  私と嫁と赤根豊くんは、小田急のロマンスカーで、新宿へ向う。  車中、今後のわが社の経営方針を討議するが、気がつくと、来シーズンの巨人と横浜 ベイスターズの展望をお互い自慢しあっているだけであった。  今のところ、仕事のほうで問題はまったくないので、会社としても問題点というもの がない。 「さくまサン、鎌倉の家の改築のために働いてくださいね!」 「あいよ!」  これで終わりである。  午後5時。新宿駅着。  赤根くんは次の仕事に向う。  午後6時。自宅に戻る。  今朝の鎌倉に行く電車のなかで浮かんだ『桃太郎大全集(仮)』のアイデアを、まと める作業。    午後7時30分。伊勢丹デパートで買ってきた、おでんで夕食。  昼間暖かかったけど、夕方から寒くなってきたので、おでんが美味しい。  日本人なら、冬はおでんだね?!  関西の人は、ちくわぶを食べないそうだねえ。  うちの家族は、みんな、ちくわぶが大好き。「ちくわぶ」というコミカルな名前なの がいい。  食後は、『桃太郎大全集(仮)』の仕様書作り。  積んではくずしのように、早くも村人のメッセージを、何度も何度も書き直し。まる でゲーム完成前の追い込み状態みたいだ。こんな風に何度も推敲できるのは、ファミコ ン版の『桃太郎伝説』以来だなあ。  だから、おもしろいゲームになりまっせー!
 

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