10月30日(月) 朝から、iモード・ゲームの毎月原稿を執筆。 今月から、『さくま式西遊記』が加わったので、『さくま式東海道五十三次次』 『さくま式奥の細道』と、3本分の原稿を書かないといけない。さらに『さくま式奥 の細道』の俳句の審査もある。 午前中、ずっとこの執筆にあてるも、完成せず。 午前11時。嫁と、銀座の「渡辺内科クリニック」へ。 血圧140―88。やった! 3ヶ月ぶりに血圧が下がった。しかも朝、血圧を下 げる薬を飲み忘れてきたから、この記録は好成績だぞ。 午前11時30分。銀座のスモーク料理のお店「煙事(えんじ)」へ。 オムライスと、ハヤシライス。 オムライスが、ケチャップではなく、ドミグラスソースなので、かなり上品な味。 ご飯もちょっとぴり辛で、美味しい。ぜひナムコの岸本好弘さんに教えてあげよう。 そうだ、今夜は岸本好弘さんと食事する約束だった。 このお店は値段の高い物が多いけど、このオムライスは、950円 と安い。ハヤシライスは、このお店のナンバーワン料理だな。 ☆☆☆(三ツ星)マークをつけてあげよう! 午後1時30分。有楽町から、京浜東北線で、さいたま新都心駅へ。 「さいたま新都心駅」という回りくどい駅名は、なんとかならないものか。ただでさ え、埼玉県は、東浦和駅、西浦和駅、中浦和駅、北浦和駅、南浦和駅とたくさんの浦 和駅があって、まぎらわしい。 「さいたま新都心駅」も、8文字と長い。『桃太郎電鉄』で表記すると、場所を食っ て困る。物件駅に昇格しづらいぞ。「新さいたま駅」に統合だな。 で、何でこんな駅に来たかというと、先日行きそびれた「ジョン・レノン・ミュー ジアム」。 「ジョン・えのん・ミュージアム」ではない。…と、『ジャンプ放送局』の読者だっ た人にだけが喜ぶギャグを飛ばしておこう。今年で、『ジャンプ放送局』が終了して、 5年になる。もう榎本46歳、えのん、えのッピドゥー!というギャグも若者に通用 しない時期になってきた。 でもって、「ジョン・レノン・ミュージアム」。 もちろん、私はビートルズ世代である。 でも、本当はローリング・ストーンズのほうが好きだし、ビーチボーイズのほうが もっと好きである。 しかも、ジョン・レノンよりも、ポール・マッカートニーのほうが好きである。 でもボクらの世代が、いくら横浜ベイスターズが好きであろうと、中日ドラゴンズ のファンであろうと、長島茂雄さんが好きなように、やっぱりザ・ビートルズのジョ ン・レノンが好きだし、ほとんどの曲を知っている。 そんな「ジョン・レノン・ミュージアム」だもの、来ないわけにいかない。 「ジョン・レノン・ミュージアム」は、さいたまスーパーアリーナのなかにある。 こういう博物館は、ふつう月曜日が休館日なのだが、ここのお休みは、火曜日。 だからこうして、月曜日に来ることができた。 4Fの入り口から入ると、いきなり「館内にはトイレがありませんのでご注意くさ い!」と言われる。なんじゃい、それは! トイレは自然現象だし、トイレのないミ ュージアムというのは、何の方針があるんだ? しかも、最初に7分の映像を見てから、陳列室に移動するシステムになっているの で、前のお客さんたちが映像を見ている間は、入り口で待たされるシステムになって いる。 トイレがないだの、すぐ入れない!と、立て続けにトラップがあると、ちょっと好 感度が落ちて、粗探しがしたくなってしまう。でもジョン・レノンのファンしか来な いんだから、このくらいのことは気にしないのかも。 60席のミニシアターで、ジョン・レノンの生い立ちのダイジェストを見る。 このミュージアムは,オノ・ヨーコの許諾を得て、作ったものだけに、あくまでも ジョン・レノン・ミュージアムであって、ビートルズの部分は、薄い。 ビートルズを心行くまで楽しみたい人には、不満が出ると思うので、このことは知 ってから行ったほうがいい。覚悟していれば、あまり期待せずにすむ。 それでも、ジョン・レノン愛用のギター、リッケンバッカー325が展示されてあ って、もうこの1本で私は、大満足。あの黒いリッケンバッカーだ。イギリス公演の ときにつかったもので、ボディ・サイドに、演奏曲順の紙がいまも貼ったままなのが、 マニアの心をくすぐる。 いやあ、中学生の頃、このギターが欲しくて仕方がなかったのだ。 後年、6年前に、まずザ・ヴェンチャーズがつかっていた、モズライト・ギターを 誕生日に買い、翌年の誕生日に、このリッケンバッカーを買う予定になっていたのに、 脳内出血で倒れてしまった。 退院後に、買ってもよかったのだが、まだ左手が思うように動かない。 やっぱりギターを買うなら、演奏が下手でも、少しくらいは弾けないとね。 5年後ぐらいに、もう少し指が動くようになったら、やっぱり買おうかな。 しかし、子どもの頃、ものすごく大きく感じていた、この黒のリッケンバッカー3 25は、今こうして目の前で見ると、やけに小さい。ネックの部分もこんなに小さか ったのかと、遠い目になる。 何だか親父の身長を越えたときに、親父の背中がやけに小さく見えたというような 感じなのかなあ。なんだかわからないもやもやが、頭のなかで渦巻く。 ミュージアムの生い立ちが書かれた順路は、迷路っぽくて、壁に書かれた文字のバ ックの地紋が濃く、読みづらい。まあ、書いてある内容は、ほとんど学生のころ、す っかり暗記している事柄だから、不自由ではないけどね。ちょっと不親切。 一応、ミュージアムに来た記念に、財布、映画『ア・ハードデイズ・ナイト』と 『マジカル・ミステリー・ツアー』のビデオ、シャープペンシルを買って、出口へ。 ミュージアムに隣接する、ジョン・レノンが好きだった、軽井沢万平ホテル直営の 「ジョン・レノン・カフェ」でコーヒーを飲む。このお店はずっとビートルズの曲が 流れているから、近所の人は、ミュージアムでなくても、この喫茶店に来ると、昔を 懐かしむことができていいよ。 さいたま新都心も、昔手塚治虫さんが描いた未来都市みたいで、気持ちいい。 軽井沢の万平ホテルには、一度行ってみたいなあ。 ああ! 一度行ってみたい場所が多すぎる。 午後4時。帰宅。 さっそく、iモード・ゲームの来月分の原稿の続きを執筆。 BGMは、もちろんザ・ビートルズ。 文章も軽くなって、リズムもよくなるぞ。 午後6時。めでたく原稿完成。 引き続き、11月の旅行の予定をワープロする。 明日から、私は11月8日ぐらいまで、京都。13〜14日は、仙台方面、20日 〜26日まで、北海道を旅行する。 おいおい、ほとんど東京にいないじゃないか! いないのよ。はっはっは。 秋は日本中食べに行きたいところが目白押しで忙しいのよ。コンピュータとEメー ルのおかげで、どこでも仕事ができるようになったおかげだねえ。どこ吹く風。へっ へっへ。 午後7時。ナムコの岸本好弘さんが来て、家族3人と、近所の和食料理のお店「樋 口」に行く。もともと岸本好弘さんが、我が家が青山「穂積」を紹介したら、いちば ん狂ったように、何度も行ってくれた人なので、樋口くんの独立を誰よりも楽しみに していた。 もちろん、樋口くんも岸本好弘さんを覚えているので、きょうはよけいに料理に力 が入っていたようだ。 本当は料理の味に厳しい岸本好弘さんに、この「樋口」の味にアドバイスをしても らおうと思ったのだが、どの料理が出ても「大変おい しかったです!」という、まるで『新春かくし芸大会』の、10点、10点、10点、 10点みたいな評価。お世辞をいう人ではないので、この評価は樋口くんにとっては、 大きな自信になると思う。 たしかにきょうの料理は、開店前に招待してくれたときよりも、はるかにいい出来 だった。とくに、ゆりねと銀杏のかき揚げが美味しかったなあ。 実はうちの娘は、ゆりねも、銀杏も好きではないのに、ぺろりとたいらげて「おい ち〜!」と、のたまわるではないか! なんて都合のいい、好き嫌いなんだ! 午後9時30分。帰宅。 午後10時30分。岸本好弘さんとコーヒーを飲んで、私も1階の自分の部屋に帰 る。「お邪魔しましたあ!」。家族間のギャグである。 明日から、京都。VAIOに入っている重要文書を嫁のほうに、送っておかないと なあ。移動中に吹っ飛んだら、泣くではすまない。
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