10月27日(金)

 昨日の『ニュースステーション』見た人いない?
 田中康夫新長野県知事が、初登庁して、各部署に名刺を配って回ったら、ひとりの
職員が名刺を受け取ろうとしないの!
「企業でいえば、会社の社長が社員に向って、名刺を渡すか? そんなバカなことが
あるか!」というのが言い分。しかも社長が名刺を社員に渡すような企業は必ず倒産
するとまでいうではないか。

「おまえがバカだ!」

 こんなバカなやつが、長野県県庁にいるなんて、びっくりした。
 TVが回ってるんだよ。ってことは、こいつは自分の取った行動は正しいと思って
るんだよ。
 最後には、しぶしぶ田中康夫さんの名刺を受け取ったこのバカは、その場で名刺を
折りたたんでしまったんだよ。
「言いたいことを言える長野県にしましょう!」と言って立候補した田中康夫さんは
正しかったねえ。
 と同時にこれを流した『ニュースステーション』は偉い!
 こういう嫌なやつを世間に知らしめるだけで、政治は身近なものになると思う。
 TVで『政治バラエティ番組』のブームが来ると、昔から睨んでいるのだが、そろ
そろいい時期だと思うぞ。
 
 おっ! いまフジの『めざましテレビ』の朝刊を紹介するコーナーで、名刺を折り
曲げた男の名前は、藤井企業局長ということがわかったぞ!
 今後、長野県でこの日記を読んでいるこの藤井企業局長に関するニュースが入った
ら、ぜひ教えてほしいものだ。
「時代錯誤だぜ! 藤井!」というサイトを作りたいくらいだ。

 こういう下世話なレベルからでもいいから、みんなで政治に興味を持ってみない?
 バラエティ番組の視点というのは尚早だとは思うので、せめてスポーツ速報の視点
で、政治を見てもいまの政治はおもしろいと思うよ。
 鳩山由紀夫さんが、単独でTVに出演したのを見たときは、けっこうこの人おもし
ろいじゃない?と思ったんだけど、国会中継見ると「辞任要求」しかしないんだ。こ
ういうとき、鳩山由紀夫氏、通算50回目の「辞任要求」を提出とかやってくれない
かな。ついでに、その要求が通った打率を発表してほしいものだ。
 だいたい、選挙活動のときの、公約をどのくらい守れているのか?を掲載する新聞、
週刊誌がまったく無いのが、変だよ。

 三田佳子の覚せい剤バカ息子は、ひたすら息子がバカなだけで、育て方も何も20
歳越えたら、本人がバカなだけだよ。三田佳子の旦那の緊急記者会見をTBSを除く
民放全社が同時放送するくらいなら、長野県の藤井局長の1日でも追いかけてくれよ〜!

 午前10時。表参道の「ロイヤルホスト」へ。
 恒例アイデアの良く出るこのお店で、『桃太郎大全集(仮)』のアイデア出し。
 連日の『桃太郎まつり』テスト・プレイのせいで、疲れきっているのに、このお店
に座ったとたん、湯水のようにアイデアが湧き出るから不思議だ。
 たっぷり1時間以上、メモを取りっ放し。

 午後12時。嫁と、銀座プランタンの近くの「みさきや」に初挑戦。
「みさきや」というからには、「三崎港」のことで、「三崎港」といえば、マグロで
ある。…となれば、やはり「かじきまぐろのソースかつ丼」を食べたくなる。
 嫁は、海鮮丼を注文。

「かじきまぐろのソース丼」は、まぐろのかつ丼の上にに、タルタルソースがべった
りかかった濃〜い味。しかも胡麻風味。味が想像できないでしょ? その通り。なん
とも奇妙な味だ。やっぱりマグロは、マグロとして味わいたいような気がする。
 嫁のほうの海鮮丼は、オフィス街のお刺身としては、十分すぎる味なのだが、どう にもこの夫婦、お魚に関しては、ふだんから絶品の刺身を食いまくりの、口驕りまく りなので、相撲でいう、小結クラスでも絶賛する言葉を有していない!  一般人のものさしでいえば、関西でいうところの安いわりに美味いだと思う。その 証拠に、お店は超満員である。    しかし、この食い道楽夫婦は値段が安くて、そこそこ美味しいお刺身なら、讃岐う どんの生しょうゆうどんのほうが美味しいと思ってしまう。  なんとも味覚を人に勧める道は険しく長い。  午後1時。築地のハドソンへ。  本日、4日間にわたる『桃太郎まつり』のテスト・プレイ最終日。  これでテスト・プレイが完了するわけではない。  手直しの部分を洗い出して、追加イベントの決定、メッセージの変更、SEの変更 などを最終決定する。  その最終決定したものを、国政修くんが来週札幌に持って行って、そこから地獄の スケジュールで、イベントを加えまくる。  そのロムが完成したら、またテスト・プレイ第2弾が、11月の末あたりに始まる 予定。  さて、きょうのメンバーは、土居ちゃん(土居孝幸)、宮路一昭くん、ゲーム・デ ィレクターの国政修くん、ハドソン桃太郎事業部の梶野竜太郎くん、石崎仁英くん、 武田学くん。
 語彙の豊富なゲーム作家・柴尾英令くんは、昨日早退して休養したのだが、案の定 風邪でダウンの模様。ゲームなら宿屋に1日泊まるだけで、回復できるのにねえ。お 大事に、柴尾英令くん。来月の暴飲暴食ツアーが控えているから、いまのうちに体調 整えておいてね〜!  そして! ジャーーーン!  本日のゲスト・テスト・プレイヤーは、ついに伝説のあの男が復活である。千両役 者がいよいよ登場する。  あの「テスト・プレイヤー・オブ・ザ・イヤー」をこの10年間毎年受賞し続けた 男(半分嘘)!   プロレスのレフェリー風に紹介!  450ポ〜〜〜ンド! キャラメル・ママ所属! 「いざわ〜〜〜、ど〜〜〜んすけ〜〜〜〜〜〜!」  ワ―――! ワ―――! ワ―――! ワ―――! ワ―――!  ワ―――! ワ―――! ワ―――! ワ―――! ワ―――!  ワ―――! ヒュ――、ヒュ―――! ワ―――! ワ―――!   ワ―――! ワ―――! ワ―――! ワ―――! ワ―――!
 現在『週刊少年ジャンプ』の読者ページ『ジャンプ団』を連載中の、あの井沢どん すけである。『ジャンプ放送局』時代の投稿ネームは、どんちゃん。  ミラクルどんちゃんという名前で覚えている人も多いことだろう。   実はこのどんちゃん、桃太郎シリーズでのテスト・プレイヤーとして長いこと君臨 していて、私さくまあきらが決定したチューニングを、覆すことができる唯一の男と 呼ばれている。  近年、『桃太郎電鉄』『桃太郎伝説』といったシリーズ物のリリースが続いていた ので、どんちゃんの出番は少なくなったのだが、今回のような新シリーズ立ち上げの ときには、ぜひともどんちゃんのテスト・プレイヤーとしての凄腕が欲しくて、本日 の登場とあいなった。  なにしろ、どんちゃんはおもしろかったら、何時間でもぶっ通しでテスト・プレイ を続けるけど、つまんないとなったら、コントローラを置いて、さっさと帰ってしま う、恐怖の大魔王なのだ。  だから、ほかのテスト・プレイヤーさんたちにやっておいてもらって、十分行けそ うな内容だなと思ったときしか、登場させることができない。 『桃太郎電鉄』で、キングボンビーを登場させたときも、どんちゃんの反応がどう出 るか、心配で心配で仕方がなかった。純粋な反応が見たいだけに、テスト・プレイで、 貧乏神がキングボンビーに変身するのは、どんちゃんの番のときにしたい! ファー スト・コンタクトを何が何でも、どんちゃんに取ってもらいたかったのだ。ほかのプ レイヤーのときに、キングボンビーに変身したら、他人事で、どんちゃんの反応が薄 れてしまう。だからこの日のために、私がスタッフに必勝法を伝授、「とにかく、ず っと貧乏神をどんちゃんにつけろ!」。  まさに「トラ! トラ! トラ!」作戦である。  そして、見事、貧乏神がどんちゃんについているときに、その日初めてキングボン ビーに変身したのであった。 「ん? 何だ、これ?」 「えっ? 伝説の…、キングボンビーに? え?」 「キン〜〜〜〜〜グボンビー!」 「ぎゃっ! 何これ〜〜〜!? このサイコロは! えっ! うそっ!  サイコロ10個もある〜〜〜!」 「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああ  あああああああああああああああああああああああああああああああああああああ  ああああああああああああああああああああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」  どんちゃんは、そばにあった日本テレビ『笑点』のように積み上げられた座布団の 山に顔を突っ込んで、呼吸困難に陥ってしまったのである。  このとき、正式にキングボンビーは『桃太郎電鉄』シリーズに登場することになっ た。    そんなどんちゃんのテスト・プレイがいま、始まろうとしている。
 午後1時30分。どんちゃんのテスト・プレイ開始!  スタッフ全員が固唾を飲んで、どんちゃんのテスト・プレイを真剣な眼差しでみつ める。  おじいさん、おばあさんの家を出て、桃太郎は、たびだちの村へ。  たびだちの村から、カチカチの村へ。  いよいよ最初のミニゲーム「オニたたき」に取り組む!  ♪タッタラタッタタ〜〜〜!  が〜〜〜〜〜ん!  なんと! いきなり、始めたとたん、「おしまい!」のマークが! (※「おしまい」の文字は「おつかれさま!」に変更予定! こういうのを直すのが テスト・プレイだからね!) しかも、点数は、―(マイナス)10点を記録!  や、やばい!   ど、ど、どんちゃんの表情は? 「えへっ、えへっ、えへっ! ボタンの操作を間違えちゃいましたあ!」  ふうっ。よかったあ。  操作方法が悪すぎるといって、コントローラを投げ出すかと思った。  気を取り直して、どんちゃん、2回目のトライ!  ボコスカ、バカスカ! ボコボコボコッ! バカバカッ!  ガスガスガス! ボコスカ、バカスカ!   2回目で、なんと4340点を獲得! な、な、なんという高得点! 「えへっ! えへっ! これ、おもしろいなあ!」  お〜〜〜! いいぞ! いいぞ!  続いて、「金魚すくい」に挑戦!  初挑戦で、いきなり8段位を獲得! 「お〜〜〜〜〜!」  パチパチパチ!パチパチパチ!  ギャラリーから拍手が巻き起こる。  あとは往年のどんちゃん旋風が、吹き荒れる!  どんちゃんは、コントローラを握ったまま、トイレにも行かず、おやつに買ってお いた栗あんぱんも、口にくわえたままプレイを続行!
     ミニゲームで、10段を記録すると、「免許皆伝」がもらえるとわかってからは、 ミニゲームを見つけると、今度はそこで、「免許皆伝」がもらえるまで、ゲームをや り続ける!  これは、この『桃太郎まつり』を作った側にとっては、最高最大級、超ど級の評価 でうれしいかぎりなのだが、今度はひょっとしたら、このままどんちゃんは、ずっと 明日の朝までゲームをやめないのではという恐怖感が募る。  午後3時30分。お笑いコンビ・号泣のひとり、島田くんが、テスト・プレイに来 てくれたのだが、事情を話して、きょうのテスト・プレイを中止してもらう。ごめん ねー。
 予定では、どんちゃんに2時間くらいプレイしてもらえれば、十分と思っていたの だが、とてもやめる気配無し!  午後6時。いまだどんちゃん、まったくやめる気配無し。  ひと休みもしない。それどころか、一度もコントローラを離さない。 「どんちゃん、そろそろお腹すかないかあ?」 「ええ!」 「……………!」 「どんちゃん、そろそろお腹すかないかあ?」 「ええ!」 「……………!」  返事はすれども、まったくご飯を食べに行く気配すらない。  午後7時。食事をしたらまた続きをやってもいいという約束で、2日前にも行った、 近所のお寿司屋さん「太老樹(たろうじゅ)」へ行く。  メンバーは、土居ちゃん(土居孝幸)、国政修くん、どんちゃん、号泣の島田くん、 福ちゃん。
「どんちゃん、どこか直さないといけない箇所は?」 「全然無いッスよ! おもしろすぎますよ!」 「本当か? 30過ぎて、お世辞が上手くなったんじゃないのか?」 「いえ、本当におもしろいですよ!」 「まあ、どんちゃんが全然テスト・プレイ辞める気がないのが、何よりの証拠だから 信じるけど、最高ののめり込み方だよなあ!」 「ええっ! おもしろいッスよ!」 「国政くん。うれしいね〜!」 「うれしいですねえ!」  午後8時。再び、ハドソンへ。  どんちゃんは、会議室に入るなり、最短距離で、ゲームの前に座り、入室5秒後く らいで、テスト・プレイ開始! 本当にはまりまくっている兆候のオンパレードであ る! (※この4日間ゲームのところのモザイクがかかっていますが、やらしいものが隠れ ているわけではありません。機材を写してはいけないのです)  もうこうなると、こっちはガッツポーズである。  余裕が出てきて、号泣の島田くんが送ってくれたリンゴや桃が、むちゃくちゃ美味 しかった!という話や、来月、土居ちゃんと山形の「静かさや 岩にしみいる 蝉の 声」でおなじみの立石寺(山寺)を登る予定なのだが、この石段が、1000段以上 もあるぞ! 大丈夫かな?といった雑談ができるまでになった。  午後9時。この時間には、どんちゃんもテスト・プレイをやめてくれると思ったの だが、どうやらやめてくれそうもない。巨人対ダイエーはどうなっているんだろう?  うれしいけれど、どんちゃんのプレイを見ている側の目が、もうしょぼしょぼであ る。きょう私は目薬持参で来てるけど、画面の隅から隅までチェックしてるので、回 復する間もない。  午後10時。やめそうにない。 「どんちゃ〜〜〜ん! 頼むから、オレたちを帰してくれよ〜!」 「えへっ、えへっ! 合計100段を達成したら!」 「後生だから、もうやめてくれ〜〜〜!」 「えへっ、えへっ! あと8段で、合計100段なんですよ!」  苦笑はするものの、全然やめる気配すらない!  だいたい合計100段を達成したら、最後の扉が開くように設計してあるんだけど、 1日で達成するかあ?  ついに国政修くんが、名案を思いついたようだ。  1ヶ所、ある場所を飛び越えさせて、エンディングを見せてしまう作戦に出た!   本当はまだミニゲームがいくつか入って、ミニイベントもいくつか入るはずのエン ディングなのだが、いまのままでも十分と思ってくれると読んだのだろう。いい読み である。  どんちゃんは、何よりもエンディング見たがりっ子なので、この作戦は、もう家に 帰りたい我らには、名案である。  午後11時。どんちゃん、ついにスタッフロールも見る! 「どんちゃん、ありがとう!」 「どんちゃん、おめでとう!」 「えへっ! えへっ! やりました!」  なんとかご満悦で帰ってくれることになった。  クリア時間、約10時間。発売バージョンでは、ミニゲームの部分はどんちゃん、 何回も何回もやり込むだろうし、時間の都合で解くことのできなかった謎解きにかか る時間、まだ入っていないゲーム、イベントを加えると、推定クリア時間は、ふつう の人で、20時間とちょっとくらいかな。  すごいボリュームのゲームである。 「バラエティRPG」!  ちょっと大風呂敷を広げすぎたかなとも思ったのだが、きょうのどんちゃんのテス ト・プレイを見て、今後は胸を張って、堂々と「今回のゲームは、バラエティRPG です!」と言えそうである。   どんちゃんと、「14〜5年前もこうやって、どんちゃんのテスト・プレイを見て 帰った日のことを思い出すなあ」「ええ、デジャブみたいですね!」と言いながら、 帰路につく。  ひさしぶりに充実の新ゲームが誕生しそうである。    午後11時30分。帰宅。  もちろん、へばったあ!  朝、私がこの日記で話題にした、長野県の藤井企業局長に、電話がパンクするくら い抗議が殺到しているようだ。うれしいなあ! まだまだ正義はみんなのなかに残っ ているんだなあ。  別に私は田中康夫さんのファンではないが、今後の長野県の政治がどうなるか見守 って行きたいものだ。また時代錯誤のいじめを始める長野県の職員がいたら、ぜひ通 報してほしいものだ。  午後2時。日記を書いて、風呂に入ったら、もうこんな時間。  まさにミラクルどんちゃん大熱演の1日であった。
 

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