10月3日(火)

 午前6時。10月11日発売予定の『宝島』に掲載予定のアンケートにコメントを
書く。『ジャンプ放送局』について。
 最近『ジャンプ放送局』もすっかり懐メロの領域に入って来たようだ。

 午前8時15分。NHK『オードリー』を見る。
 アリtoキリギリスの石井正則くんがレギュラー出演している。昨日から始まった。
ついに石井正則くんは、NHK朝の連続テレビ小説に出演だ。出世街道まっしぐらだ。
テロップの順番も4番目。これはすごいことですよ。しかし昔、朝がまったく苦手だ
った私は、NHK朝の連続テレビ小説を見るのは、大人になってから初めだ。
 2000年最後の作品ということで、過去のニュース映像、映画作品などふんだん
に盛り込まれる超大作になっていくそうだ。
 できるかぎり見ないとな。

 親戚の森勲(もりいさお)さんから手紙が来た。
 森勲さんは、元TBSプロデューサーで『お笑い頭の体操』などを担当された方だ。
5年ほど前に親戚というのがわかって、以来お付き合いいただいている。
 その森さんの娘さん夫婦が、茅ヶ崎でパン屋さんを始められたそうだ。
 茅ヶ崎でパン屋さん。茅ヶ崎といえば、湘南。
 湘南といえば、鎌倉が近い。
 やはり鎌倉の家を買え!というご神託では?
 はっはっは。いい口実ができましたぞ。
 茅ヶ崎近辺にお住まいの方はぜひ、「BOULANGERIE TOURNSOL」
へ足をお運びください。鎌倉の家、購入の折りには、寄りたいですなあ。

 午前11時。嫁と並びの喫茶店「らぴす」サンで、モーニングセット。

 食後、新宿高島屋へ。
 本棚を買ったり、事務所印を作ったり。

 午後2時。新宿高島屋から、明治通りを通って、千駄ヶ谷から、自宅まで歩く。
 涼しくなったので、歩きやすいと思ったのだが、さすがに長い距離をノンストップ
で歩いたので、汗びっしょり。疲れ果てて、仮眠。

 午後3時。iモード・ゲームの毎月原稿を執筆。

 午後7時。家族3人、銀座でサザンオールスターズのベーシスト・カズ坊(関口和
之)と待ち合わせ。カズ坊(関口和之)と会うのは、半年振りくらい。
 サザンの「茅ヶ崎ライブ」行きたかったんだけど、とても私の不自由な足では、4
時間の間とても立っていられなかったと思う。カズ坊(関口和之)はよくあの長丁場
を演奏し切れたたよね〜という話など。

 きょうはこれから、カズ坊(関口和之)と、とっておきの美味しいお店に行くので、
おそらくそのお店で食べ始めたら、仕事の話ができなくなっちゃうだろうということ
で、ワシントン靴店の6Fの喫茶店で、まずお仕事の話を先にすます。
 来年のゲームのラインナップを言って、おおまかな作曲スケジュールを認識しても らう。年末まで、カズ坊(関口和之)は、竹中直人さんと作った、ウクレレと口笛の アルバムのキャンペーンで忙しくなるそうだ。11月に発売とか言ってたな。宣伝資 料が手に入ったら、ここでも紹介するね。    あとはこの半年間のお互いの家庭の世間話。  カズ坊(関口和之)は、現在ハワイと日本を行ったり来たりの生活をしている。け っきょく長男は、ハワイの学校に通っているそうで、カズ坊が日本に来るのは、単身 赴任ということになるそうだ。  午後8時。カズ坊(関口和之)と満を持して行くお店といえば、ここ! 「天ぷら の近藤」である。  一応、お約束の「カズ坊! こういう美味しい物を食べるときだけ来ないで、たま には桃太郎チームの会議にも出てくれよ!」のギャグを飛ばす。もはやカズ坊に桃太 郎シリーズのゲーム音楽を頼んでから、15年目になろうとしているので、特別会議 などしなくても、いい曲をたくさん書いてくれるので、あくまでギャグである。  ただあまりにもこの日記で、秋の美味しい物を食べるときにしか、カズ坊(関口和 之)が登場しないので、本当はカズ坊(関口和之)が、作曲をしていないと思ってい る人もいるようなので、念のため。  さて、「天ぷらの近藤」!  カズ坊(関口和之)もこのお店が大好きだが、その百倍くらいこのお店を好きなの が、グルメ・バカ娘! お店に入ったとたん、もう早く食べたくて、食べたくて、目 で近藤の御主人を威嚇し始める。ぷうっと頬っぺたをふくらませて「お腹空いたあ…!」 と消え入るような声をもらす。
 エビ、めごち、アスパラと出てくる頃には、グルメ・バカ娘はご満悦!  恒例の「幸せ!」「幸せ!」「幸せ!」を連発し始める。  カズ坊(関口和之)も、細い目がすっかりたれ目になって、満足げ。 「やっぱり食事は、日本がいちばん美味しいよねえ…」
真剣に食べる人々
 あいかわらず、穴子の天ぷらが上手い!
 とにかく秋になると、この「天ぷらの近藤」に来るのが、我が家の年中行事である。 秋は食材も最高の物が揃うからだ。  栗を食べる。栗と思えないような不思議な味だ。木の実の持つ生命力そのものを食 べているような感じ。銀杏を食べる。おい! グルメ・バカ娘! おまえ、銀杏、苦 手じゃなかったっけ? またこのお店の銀杏だと食べられるのか! いいかげんな好 き嫌いだなあ!  うおおおおおっ! すだちが挟まった松茸の天ぷらは、和食というよりも、フラン ス料理のようだ! う〜〜〜、たまらんですばいっ!
 天然物のマイタケを初めて食べる。  この大きさは一体何!?  歯ごたえ十分なマイタケに驚く。 こんなに美味しい物の連発でいいのだろうか。 
「ねえねえ、さくチャン! ニンジンが美味しそうだと思わない?」  またまたグルメ・バカ娘が食材を見て、妙なことを言い出す。  栗、松茸と秋の強打者を食べ終えただけに、私はあまりニンジンに触手が動かない。 「じゃあ、ママちゃんと2人前頼んで、はんぶんこずつにしよう!」  おいおい、勝手に決めるな! まあ、いいけど。
「なに〜〜〜!! これがニンジン!?」  まったく想像と違うニンジンが出てきた! 「こ、これは!」  天ぷらのなかに甘味が隠されている、味わい深さ! 「んんんんんんまーーーーい!」  驚天動地の味だ!  このニンジンを「天ぷらの近藤」に来るお客さんが「花火」と呼ぶそうだ。  なるほど「花火」だ!  その味の華麗さ、豪快さも、まったくもって、花火だ。
「く、苦しい…」  カズ坊(関口和之)がうめく。  私も苦しい! 「3日分ぐらい食べた気がする」と、嫁。  きょうは体重を測りたくない!  体重計を見たくない!  午後9時30分。食後、コーヒーでも飲みに行く?とみんなに聞くが、全員コーヒ ー一滴受け付けないほど、お腹は天ぷらでぎっし りだそうだ。  というわけで、もはやドクターストップ!  そのままお互い、直帰することに。  午後10時。「く、く、苦しい…」と言いながら、自宅の玄関を開ける。靴を脱ぐ のも苦しい。  このあと仕事をする予定だったけど、今夜はもう仕事をする気がしない。  私はどんなに美味しい物を食べても、返って勢いがついて、いい仕事をするんだけ ど、この「天ぷらの近藤」だけは別格。  今夜だけは怠け者にさせてくれいっ!
 

-(c)2000/SAKUMA-