8月30日(水) 午前9時。嫁と、「イノダコーヒ本店」へ。 グルメ・バカ娘は惰眠中で行かないという。珍しい。 最近「イノダコーヒ本店」の味を認めていないせいかもしれない。 冗談ではなく本当にそうかもしれない。 午前10時。京都相互タクシーの宮本さんが来て、紫竹(したけ)の京都銀行へ。 秘密の用事。実は大阪のユニバーサルスタジオの経営に参加するので、その資金が 500億円ほど必要なので交渉しに…などという理由で、銀行に来てみたいものだ。 へっへっへ。 それじゃ、『桃太郎電鉄』でんがな! 午後12時。清水産寧坂に新しくできた観光スポット「清龍苑(せいりゅうえん)」 へ。 ここは京都の人気店を集めて、日本庭園風にまとめた、おもしろい場所だ。 今後たくさんの観光客を集めることになるだろう。漬物の「西利(にしり)」、雑貨の「しろちく」、おそばの「有喜屋(うきや)」、 あぶらとり紙の「よーじや」、料亭の「阪口(さかぐち)」といった有名店が、 ゆったりと、並んでいる。せせこましくないのがいい。 突然、ザーーーッと雨が降り出す。 京都は蒸し暑いから、夏に雨が降ると、気持ちいい。 家族3人と、宮本さんは、この「清龍苑(せいりゅうえん)」の一角にある、イ ノダコーヒに行く。朝、本店に行って、お昼は、ここのイノダコーヒっていうのが いいでしょ? 入ってみると、イノダコーヒ三条店に勤務していた人がいた。 さすがに向こうも私の顔を覚えていたので、ご挨拶。こういう偶然はうれしいも のだ。 店内は、広々、ゆったりしていて、さらに天井が桁外れに、高い。 このお店は繁盛しそうだ。 グルメ・バカ娘が急に、「ねえ、さくちゃん! このお店新しくできたってこと は、経営に力入れるよね! ってことは、ひょっとして、イノダコーヒ本店で、美 味しいフルーツサンドを作っていた人は、このお店に来ていない?」 やっぱりまだ本店のフルーツサンドの味が落ちたことを、根に持っているのであ る。この執念はいったいどこから来ているのだろうか? さっき挨拶をした人は、しばらくの間、ここに応援に来ているといっていた。 確かに、フルーツサンド名人はこっちに来ているかもしれない。 グルメ・バカ娘は、フルーツサンドを注文して、破顔一笑! 「さくちゃん、美味しかった頃の、本店の味だよ〜!」 本当にうれしそうだなあ! フルーツサンドひとつで、ここまで喜べるのは、ひとつの才能だよなあ。 午後2時。京都のマンションに戻り、『ドラゴンクエストVII』の続き。 昨夜、放送作家の福本岳史くんの電話で、ゲームを中断されてしまったために、 どこに行ったらいいかわからなくなる! ぷひ〜! だからわざわざこうやって、 京都まで来て、ゲームやろうと思ったのに〜! 福ちゃん、もう電話してくるな〜! …っていうと、困るだろうなあ。 速攻クリアして、どんな謎解きもずばり答えられるようになったら、電話して来 てもいいぞと、というと、本当のいじめだな、こりゃ! 嫁と、グルメ・バカ娘は帰り支度。 夏休みが終わるので、娘は帰らないといけない。 しかし1時間たっても、石版(せきばん)が見つからない。このくらいの単語は 言ってもいいよね。 本当は、町の名前を言って、おなじようにゲームをやっている人と、ここまで来 たのか?と、喜びと苦しみと感動を共有したいものだが、RPGのネタばらしはと くにうるさいからな。 今後もわかりそうで、わからない、もってまわった言い方で、レポートを続ける。 や〜っとわかった! う〜ん! 今回うっかり見落とすと、まったく先に勧めなくなちゃうなあ。 でもひとつ打開すると、パーーーッとトンネルを抜けたときのように、目の前が 明るくなるのがいい。 それにしても、戦闘のチューニングのよさは、ほれぼれするなあ。 武器を買えば、いままで苦しかった敵キャラに、楽に勝てるようになるし、防具 を買えば、洞窟が楽になる。 RPGだから、当たり前と思ったら、大間違いだよ。 これは本当に計算しつくした上で、さらに飽きないように、ランダム性まで持た さないといけないんだから。大変なのよ。 これほどまで戦闘ルーチンは、6年間製作期間もらっても私は作るの無理だな。 はっはっは。 やっぱりRPGは、やるものであって、作るものではない! 午後5時。グルメ・バカ娘がどうしても、牛肉の「三嶋(みしま)亭」に行きた いという。でもきょうは水曜日だから、「三嶋(みしま)亭」は定休日。残念でし た…とならないところが、毎度おなじみ、グルメ・バカ娘。 実は「三嶋(みしま)亭」は、もう一軒、東急ホテルB2にもあるのだ。 そんなわけで、東急ホテルまで来る。 しかし、東急ホテルは、石造りで、滝のように川が流れているところがあるので、 『ドラゴンクエストVII』のゲームのなかにいるような気分になってくる。B2へ のエスカレーターに乗ったときなんか、間違いなく「ザッザッザッ!」で音が、頭 の奥で響いたもん。 受付の人の台を見たとき、どうぐ屋に見えたのは、ちょっと重症だったけどね。 さて、東急ホテルの「三嶋(みしま)亭」。 ほとんど味はおなじだけど、ホテルなので、前菜とか、味噌汁がついてくる。お 新香とお茶は、本店よりも美味しい。本店が休みのときは、十分代役を務められそ うだ。 午後6時30分。嫁とグルメ・バカ娘を京都駅まで送って、私は宮本さんの車で マンションに戻り、いよいよこれからひとりで、『ドラゴンクエストVII』漬けの 毎日が始まる。 順調! 順調! すいすいすい! こまかくメッセージを書き換えてるなあ! おっと、むむ? おお? えっ? 石版じゃないの? そ、そ、そんな…! またしても、石版が見当たらぬ。この辺で手に入ると思ったのに、当てが外れた。 どこかで見つけ忘れているのかな? またしても、ストップ! まいったなあ…というところで、こうして日記を書いている。 気分転換をすると、ほいっ!と謎が解けることがあるからだ。 だから、そろそろまた『ドラゴンクエストVII』に戻りたい! 石版よ、どこにあるんだよー! 電源切っていないから、ゲーム時間の表示が、20時間を越えてしまうよー! 早く戻りたいよー! でも石版がどこにありそうかという当てがないよー! 今回の石版がある場所って、電話とかで誰かに聞きづらいのが、困ったものだ。 最後の最後の奥の手がつかえないってことじゃないか! 私は『ドラゴンクエス トVII』についてくわしい人をひとり知ってるのだ。はっはっは! ってことで、ゲームに戻りまする!
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