8月13日(日) 今年は台風と雨が多いですなあ。 午後12時。ちょっとだけ雨があがって、涼しくなったので、嫁と麻布十番の 鯛焼き屋さん「浪花屋総本家」に行く。 このお店は、クーラーなんていう近代的な物が無いので、こういう気温が低い ときでないと、夏に来るのはつらい。かき氷もあるが、鯛焼きを夏でも焼いてい るので、店内は本当に暑い。 最近ここで食べるのは決まって、焼きそば。 ナムコの岸本好弘(きっしい)さんから聞いた、日本三大焼きそばのひとつだ けに、本当に美味しい。もうひとつの京都の「おやじ」も美味しかっただけに、 残る一軒のお店の名前を、きっしいサンに聞こうと思ったら、夏休みで南フラン スへ行ってるというではないか! うらやましい…けど、外国だからいいや。 ここの焼きそばは、天かすが入っているのが、美味しさの決め手だな、うん。 しかし、しみじみ美味しいと思える焼きそばなんてのは、このお店だけだろな。 さらにこのお店には、小倉アイスという絶品がある。きょうも注文しようとし たら、メニューに「アベックアイス」という、ノスタルジックな名前があるでは ないか! これにしよう。バニラと小倉アイスがいっしょなんて、デブなら佐渡 おけさを踊ってしまいそうな組み合わせだ。 このアベックアイス。通常のねとっとしたバニラを想像してたら、さにあらず。 アイスクリンのようにさっぱりした味ではないか! 私はバニラも好きだけど、 アイスクリンはもっと好きだ。 もうこんな最高の食べ物は、ホイップクリームが添えられたバームクーヘンし か対抗できないぞ!ってくらい、美味しい。って言っても、このたとえ、デブに しかわからんたとえだろな。鯛焼きの美味しさは、いつも通り。文句無し。 ぱりぱり食べているうちに、40数年前の自分の家に、頭はワープする。私の 家もまた、杉並区の上井草駅前で、今川焼きとかき氷を出していた。だからこの お店に来ると、いつもはるか昔の自分の家にいるような気分になる。壁、調理場 のタイル、すべてが昔の我が家のようだ。 近いうちに、実の姉をここに連れて来てみよう。姉は泣くかもしれない。それ ほどよく似ている。 このお店の隣りの家が売りに出ていたら、買って、毎日このお店に通ってしま うだろうなあ。 食後、食べ過ぎたので、麻布十番を散歩する。 さすがにお盆の真っ最中で、休みのお店が多くて、し〜んとしている。あっち こっちほっつき歩いていたら、日本橋三越行きのバスが通る。へ〜? どういう コースを走るのかな、このバスは。急に乗りたくなる。どこに行きたいわけでは ない。お盆の都内見物なだけだ。 午後1時。仙台坂下から、都営バスに乗る。 麻布十番から、神谷町、御成門を通って、新橋、銀座を抜けて、日本橋までで あった。いつもと違う高い視点からの景色がなかなか楽しかった。ひとり200 円でけっこう楽しめるものだ。 終点に着いたところで、することもないので、日本橋三越の喫茶店で、コーヒ ーを飲んで、さっさと家に向かう。 午後2時。帰宅。 ポニー・キャニオンの鵜飼泰隆(うかい・やすたか)くんに、1年、いや2年 前にもらったのかなあ。DVD『ボルケーノ』をやっと見る。DVDになれてい ないせいか、どうもDVDでまだ見ていない作品がけっこうたまっている。 おっ。このおっさん、どこかで見たことがあるな。 おお! あのおっさんか! トミー・リー・ジョーンズとかいったな。私がお もしろいと思った作品によく出てくるおさんだなあ。 『追跡者』に出てたな。『メン・イン・ブラック』にも出てたな。『JFK』も そうか。『沈黙の戦艦』でどこに出てたか覚えてないな。敵役の頭のよさそうな 人かな? 『逃亡者』では、完全にハリソン・フォードを食ってたもんな。 『バットマン・フォー・エバー』にも出てたんだ。 私は滅法、外国人の顔を覚えられないのだ。 こういうパニック映画っていうのは、たくさん作られていて、どれも超大作に なってるけど、これはこれで十分おもしろかったなあ。 ちょっと荒唐無稽すぎるところが多すぎたけど、やっぱりトミー・リー・ジョ ーンズの人間臭さがいいんだろうなあ。 ブルース・ウイルスと共演したら、おもしろそうだなあ。もうそういう作品あ るのかな? ロードショー見ないほうだからなあ。 『ボルケーノ』を見たあとは、読書。 たまりにたまって苦しそうだった本棚の本を減らすことにやっきになっている。 ポコッポコッと本棚に空席ができるのがうれしい! 空くとまた本を買って来て しまいそうだけど。 お盆期間中は、ビデオ&本三昧が、テーマなのだ! つるんつるんだった脳みそに、ひさびさに何本も皺が刻まれた気分。よかった、 よかった。去年からずっと仕事ばっかしてたからなあ。というより、退院したか らずっと、集中的にビデオと本を読むトレーニングを怠ってきたような気がする。 午後7時。家族3人で、伊勢丹7F「正月屋吉兆」へ行く。このところ必死に ガマンして、減量を試みるも、ちっとも体重が減らないので、いいかげん美味し い物が食べたくなって、ついに間違いなく体重が増えるこのお店に来てしまった。 4ヶ月ぶりだと、やっぱりこのお店の格は群を抜いていることがよくわかる。 「正月屋吉兆」「京都M」「青山穂積」は、不動の和食3本柱だなあ。 どうしても、この3本のなかに割って入ってくるお店というのは、難しい! 先発投手は通常、5〜6人だから、さしずめ残りの先発組は「内儀屋(かみや)」 「えさき」「忘吾(ぼあ)」かなあ。 リリーフエースは、西麻布の「たぬき」だろうなあ。最近かつての佐々木様並 みの大活躍だ。 「正月屋吉兆」のいいところは、見て良し、食べて良しのところだ。目で季節を 楽しませてくれる。鉄器で鱧(はも)をジューッと焼くような、アクションも入 った趣向は、飽きさせない。最高にコントロールのいいときの小宮山投手か、巨 人の工藤投手みたいだ。 はぁ〜美味しかったぁ〜〜、幸せ〜〜〜〜〜。 午後9時。家族3人ご満悦の顔のまま、帰宅。 このあとはビデオ録画した『葵・徳川三代』を見て、また読書だ。 いま読んでる『iモード事件』(松永真理・角川書店)がおもしろい。 横浜ベイスターズの試合が雨で中止で、ほっとするファンって、ちょっと情け ない。さらに4連勝したから、このままシーズン終わりのほうが幸せと思うのは、 本当に情けない。
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