7月8日(土)


 昨日の密度の濃い1日に比べて、何ともおだやかな1日だ。
 まるで大量得点を記録した翌日の横浜ベイスターズ打線みたいに、静かだ。
 動き自体は派手なのだが、きょう1日のプランニングを京都相互タクシー
の宮本さんと綿密に打ち合わせしすぎたために、日記的に波乱も破綻も起き
なくなってしまった。

 唯一、波乱を起こしてくれそうな、最古のさくまにあ・戸田圭祐も、iモ
ードという文明の利器をつかって、約束の午前10時15分に京都駅に無駄
なく到着してしまって、得意の「あわわわわわ!」を聞くことができなかっ
た。

 午前11時。時計より正確ではないかと思える京都相互タクシーの宮本さ
んが時間どおり伊勢丹デパートの前に到着。
 何の波乱もなく、出発。

 きょうは、東海道五十三次を宮本さんに逆走してもらう。
 東海道に、逆も何も無いかもしれんが。
 京都から、草津、石部、水口と江戸方面に向かう予定。

 午後12時。宮本さんが巧みに渋滞をすり抜けていくので、ぴったりお昼
に、草津の「宿場そば」に着く。今年4月4日に家族で行った、うばが餅を
売っているお店だ。
うばが餅
   うばが餅を東京の家族に送る。  日持ちしないので、7月10日までに食べてほしいそうだ。  日記で、私信を送る。
宿場そば
   宿場そばのほうで、小わけそばと、うばが餅を食べる。  かなり美味しいおそばだったけど、日頃美味しいおそばを食べ過ぎている のは不幸だなと思う。
宮本さんと戸田圭祐 宮本さんと戸田圭祐
   しかし東海道というのは、どうしてどこもここも曲がりくねっているのだ ろう。  交通の要所なのだから、まっすぐのほうが楽だと思うのだが、どこまでも ロング・アンド・ワインディング・ロードだ。  午後1時。iモード・ゲーム『さくま式東海道五十三次』にも登場させた、 和中散(わちゅうさん)本舗を発見。歴史的建造物なのか、今も活動してい るのか扉が閉まっているのでわからない。
和中散
   東海道は、あれだけ有名なのに、道しるべがびっくりするくらい少ない。 途中、何回か東海道のバイパスのほうを走ってしまいそうになる。しかし、 冷静沈着な宮本さんなので、ほとんど間違えない。  間違えてくれたほうが、日記的にはおもしろいのだが。  トラブル・メーカーの戸田圭祐も、きょうはただの乗客なので、出番が無 い。  午後2時。滞りなく、水口城に到着。  昨年7月20日、戸田圭祐と電車を何本も乗り継いで来たあげくに、閉館 だった、水口城資料館である。
水口城 水口城
   そうか、もう1年経つのか。早いものだ。つい昨日のことのように思える のは自分が何も成長していないせいなのか?  月曜日、第3日曜日、祝日が休みと、かなりいいかげんな営業姿勢なわり に、受付のおばちゃんが、やたら気さくで、わざわざ解説ビデオのスイッチ まで入れてくれて、お茶まで入れてくれた。  長いこと、日本中のお城を見てきたけど、お茶を出されたのは初めてなの で、驚いた。  昨日の愛想悪すぎる福山城の受付に、おばちゃんの爪の垢を採取して、口 を無理やり開けて、注ぎ込んでやろうと思ったほどだ。  ただ陳列品は凡庸。  NHK『葵・徳川三代』の最後を飾る徳川家光が、京都に来るとき、ホテ ルとしてつかったということ以外、話題のないお城だけに、さほど見事な品 があるとは思えない。  それでもおばちゃんたちの熱意がうれしいので、気分良くお城を出ること ができた。   お堀の花はかなり美しい。  きょうも紫陽花が見事だった。  さらに車は、緑の濃い田園が広がる水口町を走る。  石部、水口と東海道の宿場を通る。  やはりどこもバイパスの大きな国道のほうが栄えている。  新しい物を作るには、新しい場所でしか作れないということか。  そう思うと、メガロポリス東京というのは、常にどこかを壊して発展して いくというのは、素晴らしいエネルギーだ。  午後2時30分。日野町に入ると、戦国武将・蒲生氏郷(がもううじさと) の銅像を発見。そういえば、日野城の城主であった。もっと生まれるのが早 かったら、天下を取っていたかもしれないと言われた男。私の予想でも、こ の蒲生氏郷(がもううじさと)が関が原の戦いのときに生きていたら、もっ と局面が変わっていたと思える。もっともっと研究したい武将だ。
水口城
   午後3時。近江日野観光特産品館に到着。  「ティラミス大福」とか、チョコまんのような、「ちょこほっくり」とか、 不思議な和菓子ばかり売っている。
ちょこほっくり
   喫茶店でこれらを食したが、名前のわりに意外性が無い食べ物である。ま るできょう1日の出来事のように、波乱が無い。  こんな小旅行の日もあるもんだな。  まあ、観光のデパートのような京都から、20キロほどのところにおもし ろいものをもっと置けというのは酷である。  西武新宿、高田馬場の次の駅の下落合駅のような地味さかげんだといって 何人の人がわかるだろう。わかる人にはツボに入ったたとえだと思うのだが。  宮本さんの快適な運転で帰路に着く。    午後4時。京都南の「コジマ電気」で、電話器を買う。  レジの姉ちゃんに、DDIの登録はどうの? ナンバー・ディスプレイが どうの?と矢継ぎ早に聞かれて、混乱する。  そうか。第2電電の問題かあ。  会社が増えたせいで、複雑になってるんだ。  そんなのどうしてたかなんて、全然覚えてないよ。  もっと素直に買い物させてくれんかね。  それより、どの機種も親機が必ず本体にコードでくっついているのはなぜ だ? 親機も取り外せるから、いつも「て・ぶ・ら・コードれす」を買って いたのに。  あっ、箱を見て気づいた。いつのまにか「て・ぶ・ら・コードるす」と書 いてある。「コードれす」と「コードるす」。名前変えるなよなあ。  それにしても親機がどのメーカーのも本体にコードでひっついているのは、 何かメリットがあるのか?  わからないことがどんどん増えて行くなあ。 「不得手が増えて行く」とだじゃれのひとつも言っておくか。きょうは地味 だから。だじゃれも地味でごめん。  午後5時。京都のマンションに着く。
戸田圭祐
   戸田圭祐に電話機をいセットしてもらって、私は仮眠。  昨日小旅行のほうでは疲れなかったのに、日記を夜中まで書いて、寝不足 になっていたのだ。本末転倒な日々だな、これでは。  午後6時30分。戸田圭祐と、今年倒産した老舗の本屋さん「駸々堂」の あとがどうなったか見に行く。  なんと、またしても本屋さんになっていて、よりによって「ブックファー スト」が入っているではないか。  悪いことではないけど、どうして京都のマンションの近所に渋谷や原宿に あるお店ばかり進出して来ちゃうのよ! GAPやアフタヌーンティーだら けだし、スターバックス・コーヒーもあるし。  わざわざ京都に来る意味がなくなっちゃうよー!  午後7時。「おむらいすルフ」へ。  戸田圭祐はプレーン・オムライス。私はミンチ・オムライスにしてみた。 今夜の横浜ベイスターズ対広島戦を前に、ミンチーを食べるというしゃれな んだけど、ほとんどの人がこのしゃれの意味がわからんだろうなあ。聞かな かったことにして。ははは。
ルフ
   食後、先斗町の「タナカ珈琲店」に入る。  戸田圭祐は、メニューの値段が1000円を切ると、チープマン戸田に変 身して、急におごりたくなる!  このお店で、みごとにチープマン戸田に変身!  コーヒー500円なりをおごってもらう。  コーヒー2杯が消費税が入らず、ちょうど1000円の支払いになったと チープマン戸田は、ことのほか喜んでいた。  彼の貨幣価値の基準がいまいちわからない。  午後8時。マンションに戻る。  今夜も読書。  でも休暇はきょうで終了。  明日から桃太郎チームがひとりふたりと到着して、打ち合わせが始まる。  急に会議に入るのもつらいので、明日は桃鉄大会。  オープン戦だ。
 

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