さくまあきらホームページ:仕事人裏日記




6月16日(金)


 朝から京都行きの準備。
 仕様書をフロッピーにコピーする。メールで送ればいいのだろう
が、京都のiMacは、嫁と兼用なので、うっかり私が我が家に来
るメールを私が京都で受け取ったら、処理できない。
 もちろん、解凍とか、冷凍とかいうものは、まったくできない。
 何でそんなこともできないんだ?と、深く考えないように。
 つい最近iMacで、文書を印刷できるようになったことを自慢
しているような男だ。
 私がキミたちの年齢の頃には、グーテンベルクの活版印刷が発明
されたばかり…ではなくて、ガリ版刷りの謄写版しか無かった時代
だ。許せ!

 午前11時。服飾デザイナーの豊福陽一郎(とよふく・よういち
ろう)くんが来る。
 先日、5月26日「ヘアストリート」の鈴木勝裕さんの出版パー
ティで知り合ったばかり。
 嫁と3人で、近所の自然食のお店「ナチュラル・ハーモニー」に
行く。
 他業種の人の話を聞くのは、本当に楽しい。
豊福
   アパレル業界の話なんて、めったに聞けるもんじゃないからね。  聞いてるうちに、これは漫画にしたほうがおもしろいということ に気がついた。豊福陽一郎くんも、昔から漫画家になるのが夢だっ たというし、これは京都から帰り次第、ヤングサンデーの石川亨く んを紹介すべきだなと思った。  そんなわけで、またまた日記から、石川亨くん、7月の中旬にで も、彼を会わせたいと思ってます。  食後、東京駅へ向かう。  豊福陽一郎くんの話がおもしろすぎたので、まんまと新幹線のぞ み号の時間を読み間違えて、午後12時56分ののぞみに間に合わ なかった。  午後1時07分。ひかり125号。  値段が安い分、グリーン車にしてみたけど、ひかりのグリーンは、 シートも内装も、もはやのぞみの普通車両レベルだね。のぞみの料 金が高いのも仕方のないことだな。ふむふむ。  車中、『野村ノートの読み方』(角盈男・光文社)を読む。野村 野球の研究書である。以前からあの有名な野村ノートを読んでみた かった。予想通り、宮本武蔵の『五輪の書』のように素晴らしい本 だ。もっと若いときに読んでおきたかった。  しばらく新作『桃太郎電鉄』のアイデア出し。  まあまあのアイデアが出る。  新幹線のトイレに行って、座席に戻ろうとすると、私の席のふた つ前に、なんと、さっきから読んでいる『野村ノートの読み方』の 著者・元巨人軍の角盈男さんが座っているではないか。何たる偶然。  おもしろいから、市井のファンのふりをして、本にサインをして もらう。ふだん、サインなんてもらわないのにね。  偶然自分の本を持っていたら、私なら、「まあ、座って、話でも しよう!」となるのだが、角さんはそっけなかったですな。  まあ、出版が本業じゃないからね。  おっと、携帯電話が鳴った。 「さくまサン、もうすぐ京都に着きますか?」  あ〜、京都相互タクシーの宮本さんだ。  鋭い。うちの嫁から新幹線の時間を聞いて、ちょうど京都駅に着 く頃を見計らって、電話してきている。  しかし、私はその新幹線に乗り遅れてしまっていたのであ〜る。 「いま、すぎやまこういち先生ご夫妻と、祇園の『萬樹(まんき)』 でおうどんを食べていま〜す!」  えっ? すぎやまこういち先生ご夫妻がもう京都? 早いではな いか! 昨日私がラジオの録音に行っていたとき、グルメ・バカ娘 が先生からの電話を受けたので、きょうから先生方も京都というの は、知っていた。でもいつも夕方に見えられるので、京都に着いた ら、電話しようと思っていたのだ。  先を越された!  午後3時46分。京都駅着。  午後4時。京都のマンション。マンションの玄関に到着するや、 すぎやまこういち先生ご夫妻を乗せた、京都相互タクシーの宮本さ んの車がしずしずと、到着する。  JRの時刻表のように、正確な宮本さんの運転だ。 「ごぶさたしておりま〜す!」  すぎやまこういち先生ご夫妻は、3週間ロンドンに行ってらした ので、本当にひさしぶりなのだ。  京都でお会いするのは、お正月以来かな。  そのまま、マンションに入らず、岡崎のほうへ。  野村美術館の裏の菖蒲を見る。  宮本さんが見つけた来た、穴場。  個人宅の庭に群生しているではないか!  しかも100本以上も!  デジカメするのを忘れたのだが、こんな大きな菖蒲というのは、 生まれて初めて見た。まるで扇子を広げたような大きさの花弁だ。 花弁でいいんだよな? 花の知識無いからな。  さらにそのまま、車は六地蔵を通って、はるか宇治のほうへ。  おお! 少なくなったとはいえ、宇治の茶畑だ!  ♪茶畑、茶畑〜、茶畑、茶畑〜。30歳以上の方は、このフレー ズをかつてのTV番組『11PM』のメロディで歌ってください。  ♪茶畑、茶畑〜、茶畑、茶畑〜、ドゥワ〜〜!  午後5時。宇治の三室戸(みむろと)寺に着く。初めて行くお寺 だ。長い坂道を登って行くと、眼下に、紫陽花(あじさい)の群生 が! またしても群生! ものすごい量だ。  こんな大量の紫陽花を見たのは初めて。  きょうは初めてずくしだ!
紫陽花
   ベンチに座って、花を楽しむ。  広い景色に、紫陽花の群れ。山の緑が輝いている。  あ〜、ほっこりする。  午後6時。宇治の「からふね屋珈琲」で、すぎやまこういち先生 の奥様に誘われて、白玉宇治金時を食べる。断じて自分からではな いぞ!って、誰に言い訳してるんだ? ちゃんと証拠の写真も撮っ たぞ!って、まだ誰に言い訳してるんだ?
白玉宇治金時
   宇治金時を食べながら、すぎやまこういち先生ご夫妻に、横浜ベ イスターズのふがいなさを叱責される。私に言われても〜。私も呆 れ果てているのですよ。昨日までで、すでに6連敗ですからねえ。  午後8時。いったん、京都のマンションまで送っていただく。  午後8時30分。すぎやまこういち先生ご夫妻と再び、四条大橋 の近くの洋食のお店「開陽(かいよう)亭」で夕食をごちそうにな る。ここの洋食弁当はコンパクトで、少量美味しくいただくときに は、最適だ。  食後、先斗町を歩きながら、帰る。  午後10時。帰宅。  めでたく?横浜ベイスターズ、7連敗。とほほのほ…。  ここ3試合で、1点しか入っていないぞ。  かつての13連敗を思い出してしまうよ〜。  京都で気合入れて、新作『桃太郎電鉄』の仕様書を作ろうと思っ たけど、連敗が止まってから、仕事したほうが良さそうだな。    インターネットで、調べ物に専念することにしよう。  ええ〜ん。仕事させてくれいっ!
 

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