さくまあきらホームページ:仕事人裏日記




6月6日(火)


 眩しすぎて目が覚めたくらい、別府は快晴。 
 きょうは、ホテル「芙蓉倶楽部」から、別府湾が一望できる。

 午前8時。朝食。
 いつものことながら、まだきょうこれからどうするか、まったく
決まっていない。朝食を取りながら、どうするかおおまかに決める。
 私は飛行機に乗れないから、間違いなく、私がきょう行くところ
は、京都である。
 最近はインターネットがあるから、別府からの特急をいっぺんで
検索することができる。

●別府―小倉
・10:23→11:31 ソニック14号
・10:44→12:05 にちりん4号
・11:23→12:31 ソニック16号

 こんな感じで、ノートにメモする。
 これからどこかに行って、そこがおもしろければ、長居して、つ
まらなければ、時間を短縮して、いちばん近い列車に乗る。
 いつも私の旅は、こんな調子だ。

 午前8時45分。ホテル「芙蓉倶楽部」をチェック・アウト。
 午前9時。グルメ・バカ娘が、ひとつも別府の血の池地獄を見ず
に帰るのも、もったいないので、八つの地獄めぐりのうち、いちば
ん覚えやすいところに来た。
 真っ赤な75度の温泉は、覚えやすい。
 しかし、美味しい食べ物が無いせいか、グルメ・バカ娘はまった
く関心を示さない。おいしい温泉プリンでもあれば、グルメ・バカ
娘は俄然、地獄めぐりに興味を示すのだが、古めかしい観光地の匂
いがぷんぷんするところだけに、仕方が無い気もする。

 湯布院と、別府の地獄めぐり。
 あまりにも、清潔感が違いすぎる。
 別府は、今の熱海に似ている。湯布院は、軽井沢に似ている。
 ただ別府の立地のよさは、いつかまた復活するような気がしてな
らない。別府の古い建物をつぶして、杵築(きつき)、日出(ひじ)、
臼杵(うすき)連合軍の本部として機能すれば、かなりおもしろく
なると思う。
血の池地獄
     けっきょく、血の池地獄は、5分でお終い。  別府駅に向かう。  午前9時44分。にちりん2号。メモした列車より、さらに1本 早い特急に乗ることができた。  にちりんは、列車が古いので、座席も薄く固い。  ソニックとたいして、乗車時間はかわらないのに、途中、停車す る駅の数が多いので、かなり遠い距離を走ってるように感じる。  さらに列車のなかで、ギャハハハハハッと下品に笑うおばさんに 当たってしまった。おもしろくない話をしては、ひとりで大笑いす る。いっしょのおばさんたちも、必死に笑う。特急に乗っていると、 2〜3回に1度は、こういうおばちゃんに出会ってしまう。  JRは携帯電話を注意する前に、このおばちゃんたちに、マナー・ ボタンを押してほしいものだ。  午前11時05分。小倉着。  今回の旅は、昨年の九州旅行でよかった場所を、家族に紹介する というテーマに基づいている。  となると、最後は、やっぱり門司港レトロ街を見せたい。
門司港駅 門司港駅
     午前11時30分。門司港駅。  グルメ・バカ娘が、駅前の噴水をえらく気に入る。  レトロ街のお土産品コーナーを見て回る。これがけっこう距離が あって、疲れる。  そういえば、門司港レトロ街といえば、門司港の消防署、日本一 有名なハガキ投稿者・錯乱坊主の勤務地である。せっかくだから寄 って行って、驚かせてやろうと思ったのだが、消防署が見当たらな い。たしかレトロ街にあると聞いていたんだがなあ。  もっと遠い場所にあるのだろうか。  レトロ街でもらったパンフレットにも載っていない。税務署が乗 っていて、消防署が載っていないわけがないのだから、遠いのだろ う。ちょっと残念。
レトロ街 レトロ街 レトロ街
     しかしレトロ街、新しくきれいなのはいいのだが、石畳は、不自 由な私の体力をどんどん奪って行く。砂利道、砂道、石畳、この3 つが苦手だ。  おかげで、昨年果たせなかった、レトロ街1周を今回も果たせず。 またしても跳ね橋を前に、断念してしまった。  北極点到達を目前にして、引き返す探検隊の気分である…わけが ない。  午後12時。帰り道に、レトロ街の隅っこにある「U」に寄る。  ふぐめしのセットを食べたのだが、これがいただけない。  ただの丼飯である。海苔と、紅生姜の味が立ち過ぎる。立ち過ぎ るわけだ。私の丼には、ふぐが入っていなかった。グルメ・バカ娘 のほうも、かろうじて、ふた切れ入っていただけだそうだ。  ご飯にも芯があったし、ちょっとレトロ街の恩恵にあぐらをかい てるな、これは。  食い物が悪いと、さっさとこのお店は「U」と、イニシャル表記。  おまけに、帰りに、客が飛び出させたイスに足につまずいて、転 ぶ。ますます印象が悪くなる。垂直かと思われる階段を恐れながら、 店を後にする。  午後1時。こういうときは、さっさと帰るにかぎる。大牟田行き の電車に乗って、小倉へ。  午後1時45分。のぞみ20号。  門司港レトロ街で、相当疲れたようで、ずっと寝っぱなし。せっ かくのお仕事タイムを浪費してしまった。  眠い、とにかく、眠い。  家族3人、本を握ったまま、寝る。  午後4時09分。京都駅着。  午後4時30分。京都のマンションに到着。  私が京都ひとり合宿中、荒らしまくった部屋を、嫁がかたずけて くれる。脱ぎ散らかして、山のようになった洗濯物も洗ってもらう。 ありがたいこってす。  午後7時。家族3人で、やっぱり「メスキート」へ。4日前の日 記でハンバーグが美味しかったことを、当然だが、嫁にもグルメ・ バカ娘にも読まれている。さらに最古のさくまにあ・戸田圭祐の日 記でも、あのちょこっとケチ男である戸田圭祐がわざわざ大阪から、 スモークハンバーグを「放送作家の福本岳史くん、ご結婚記念」と 題して、行った日には、このグルメ親子が、大分から、さっさと飛 行機で東京に帰るわけがない。  この「メスキート」に寄るために、わざわざ京都に来たのである。  巷間、私がグルメのように思われているが、本当にグルメなのは、 嫁とグルメ・バカ娘である。  私は、おいしい、まずい、まあまあの3種類ぐらいしか、すみ分 けできない。ふたりは食べながら、食材の隠し味に何がつかわれて いるのかまで当てる。  結果、ふたりの評価は、スモーク・ハンバーグは相当美味しいも のの、味はステーキのほうが上だそうだ。子どもの味覚の私は、ハ ンバーグのほうが美味しいと感じてしまった。子どものごちそうは いつでもハンバーグである。  午後8時30分。京都のマンションに戻って、ベッドにひっくり 返る。もう疲労がピークを越えて、レッド・ゾーンに入ってしまっ ている。  ビデオ録画しておいた『葵・徳川三代』を見始めるが、眠い。途 中で見るのをやめる。明日の朝、見ることにしよう。  早くお風呂に入って、寝たい!
 

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