5月26日(金)


 午前6時に起きて、京都ひとり合宿用の資料作り。
 やっぱり昨日では終わりきらなかった。
 必死に、マック2400で、ペースト&コピーの繰り返し。

 午前11時。ふう。なんとか終了。これで、京都に行ける。
 
 午後12時。京都ひとり合宿になると、おいしい物を食べに行き
たいという気力も無くなるので、食べ収めのため、嫁と青山「穂積」
に行く。
 お昼のランチも、ここのはとってもおいしい。
 鯛茶漬けをいただく。
 う〜む。京都に行くのが、おっくうになってしまう美味しさだな
あ。幸せ。

 食後、外苑西通りのオープンカフェで、コーヒーを飲んで、iモ
ード・ゲーム『さくま式奥の細道』を1ゲームやったあとに、熟睡
してしまう。おいしい物を食べて、日差しを浴びて、船の甲板みた
いなカフェに座って、気がついたら、寝ていた。
 お店には迷惑だけど、食っちゃ寝は、最高の幸せだよねえ。

 午後2時30分。青山「ウエラスタジオ」に行く。「ウエラ」とい
うのは、あのシャンプーで有名な、あのウエラである。
 およそ美容業界に縁のない私が、何でウエラに行くかというと、
原宿「ヘアストリート」の社長鈴木勝裕さんの出版記念パーティが
あるからだ。
「美容師 DREAM STREET」鈴木勝裕
『美容師DREAM STREET』(B・R・サーカス刊)。『月刊 さくまにあ』でも、紹介している本だ。  会場には、背広を着た、美容業界のおえらいさんがずらりと並ん でいるではないか。 私はもっと、若い男の子や女の子がたくさんいて、カラフルな洋 服が目に痛いといった会場を想像していた。  しかも驚いたことに、来賓の挨拶のトップ・バッターが、私だっ たのだよ! え〜〜〜!? 何で?  私が5年前に原宿に移って、行き始めた美容室が、この「ヘアス トリート」だった。何回か行くうちに、お店の子たちが、きびきび 動いて、明るくて、人なつこい子が多いのに気づき、これは相当有 能な経営者がいるなと、睨んだ。  そのうち、この経営者と会ってみたくなった。  ゲーム作家と、カリスマ美容師。  何の縁も無い。  無いからこそ、おもしろい。  会ってみたら、ただのカリスマ美容師とまったく違う。  企業家・鈴木勝裕さんがそこにいた。  ますますおもしろくなった。  私は昔から、おもしろい人を見つけると、人に紹介したくなる。  この人は、一冊の本になると思った。ちょうどその頃、私は『さ くまあきらの正体』(B・R・サーカス)を作っていたところだっ たので、すぐさま、新見和明さんに、おもしろい人がいるといって、 紹介した。  さすが、業界で長いこと生き抜いている、新見和明さんだ。  会ったその場で、この本の出版を決めてくれた。  その後は、新見和明さんの会社が半年かけて取材して、今回の本 になった。  言われてみれば、私がきっかけであった。  でも声をかけただけだったのに、いちばん最初にスピーチとは、 驚いたと同時に、鈴木勝裕さんの人柄が偲ばれる。人間関係を大切 にする人しか、大人の世界では生き抜いていけない。  そんなわけで、緊張しながら、スピーチ。  緊張すると、人間って、本当に早口になるねえ。
新見和明さん                    さくま
 その後、来賓の方々の立派なスピーチが続いて、赤面。私がいか に『有限会社 桃太郎商店』みたいなお笑いのしゃべりは、得意だ けど、真面目な挨拶が苦手なのか、よくわかったよ。はっはっは。  そのうち、現在放映中、テレビ東京『カユイトコ』のエンディン グで、鈴木勝裕さんが、シザーをシャシャシャシャッと手品のよう にあやつるシーンが流れているけど、あの神業を、実際に披露。  しゃべりながら、モデルさん相手に大変そうだ。
 午後4時すぎ。出版パーティ終了。まったく違う業界のパーティ というのは、楽しいものだ。  異業種のパーティに出席させてくれる、サービス会社ってあった ら、重宝されるだろうなあ。あっ。「ゴチ会」がそうだったじゃな いか! いかん、いかん。会社じゃないけど。  午後5時。銀座に出て、ひさびさに讃岐うどんの「さか田」に寄 ったら、夜は午後5時30分からなんだって。それだと、京都に着 くのが遅くなるので、「ダロワイユ」という、ベーカリーレストラ ンへ嫁と行く。  ドゥヒノワ地方のグラタンとかいう、変わったものを食べる。  グラタンに大きなソーセージが2本乗っている。  午後5時50分。東京駅みどりの窓口。金曜日の夜なので、新幹 線も混んでいる。10分後のキップを買って、大丸の地下街に行き、 夜食用のパンを買う。最近木村屋の、くるみ&ぶどうミルクという パンがお気に入り。通勤客とぶつかりながら、必死に小走り。  発車時間が近づいている。  あっ。水も買っておかないと。ボルビックを買う。  やばい! あと2分!   エスカレーターを駆け上る。  最寄の車両にとにかく乗る。  1、2、3と数えたくらいで、新幹線は、ホームを発車した。  ま〜た、映画の時限爆弾爆発寸前を演じてしまった。ふひ〜!  車中、鈴木勝裕さんの本『美容師DREAM STREET』が 家に届いたのが、2日前だったので、3分の1くらいしか読んでい ない。いい機会なので、読む。  おもしろい。  これは、美容師をめざすための本じゃないね。どの業界に進むに も役立つことばかり書かれている本だ。  若い人は、ぜひ買って、自分の人生に置き換えて読んでみるべき だ。 「カッコ悪いことは、なんて格好いいんだろう」!  そんなことを教えてくれる本だ。  若者たちよ! 格好よく、ビッグになろうと思っていないか?  ビッグになった人たちは、みんな舞台裏では、無様な姿で、のた うちまわっているぞ!  午後8時14分。のぞみ63号、京都着。  午後8時30分。京都のマンションに着く。  さあ、京都ひきこもり、ヒッキーの開始だ! 腕が鳴るぜ、ぶん ぶんぶん!  そんなわけで、しばらく場所は京都と、華やかだけど、内容は地 味な毎日が続く予定。デジカメもしばらくお休み。  さあ、お仕事、お仕事!
 

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