5月19日(金) わからん! どうにもわからん! 鹿児島県の種子島と内之浦の宇宙センターについて、このところ ずっと調べているんだけど、どっちが現在活発な活動をしているの か、まったくわからん! ふたつの用途の違いも、わからん! リニアみたいに、開発の中心になっている会社が違うのかな? 誰か、教えてくれいっ! 宇多田ヒカルのホームページを見たら、「音楽の才能」よりも、 「すごく素敵な笑顔をする才能」がほしいと書いてあった。猪口才 (ちょこざい)なやつだなあ! こういうことを思える才能が素晴 らしいよ。 笑わない若者って、増えてない? 午前11時30分。嫁と、南青山「マックス・カフェ」で、ハヤ シライスにコーヒー。スポーツジムの隣りのカフェといった感じの お店。健康的。 食後、神宮前5丁目界隈を道に迷いながら、散歩。 まだ歩いたことのない道を歩くほど楽しいことはない。 意外な骨董品屋さんがあったり、ブティックがあったり。 おや! ここは一昨日通った道だ。 ってことは、ここの角を曲がれば、豆大福の「瑞穂(みずほ)」が あるはず。あった、あった。 きょうの旅行のお土産に持っていけたらいいなと思っていたので、 迷わず買う。 「あっ。1個は包まなくていいです」 もちろん、その場で食べるに決まっている。 さらに原宿から自宅まで歩く。 かなり歩く。うんと歩く。それでも歩く。これから旅行にでかけ るというのに、歩きすぎである。 午後1時。自宅に到着の前に、喫茶店「らぴす」サンに寄って、 コーヒー。ふう。疲れた! その後、自宅に戻って、旅支度。 1泊だけなので、たいして荷物は持たないから、気楽だが、こん なときにかぎって、VAIOの調子が悪くなる。VAIOよ! そ んなに旅行が嫌いか? 「サーバが見つからない!」という文章を繰り返す。 そんなこと言われても、コーヒーサーバか、鯖の煮付けくらいし か、似た単語が思いつかんぞ、私は。 終いには、電源を切ったはずなのに、「ウインドウズ98は終了 しました」という画面を残したまま、固まる。 終了しないじゃないか! 再起動の方法も私は知らんぞ。 最古のさくまにあ・戸田圭祐に電話して、聞く。 再起動させたら、何事もなかったように、VAIOは順調になっ た。どういう料簡なんだろう。 おかげで、旅行にでかける時間が遅くなってしまった。 午後3時52分。東京駅。あさま563号。 車中、やっぱりiモード・ゲーム『さくま式東海道五十三次』の リニューアルのお仕事を始めてしまう。せめて下ごしらえだけでも といいながら、ついつい本気で作り始めてしまう。 これから始まる、壮大なひととど者ツアーを前にして、少しでも 罰当たりの量を減らそうという魂胆。 午後5時。軽井沢駅に着く。きょうは、京都じゃないよ。 寒い! やっぱり軽井沢は、風が冷たい! 町並みを見ていると、やっぱり漫画『軽井沢シンドローム』を思 い出す。この漫画を知ってる人は、30代以上か?とりあえず、駅前のお土産屋さんを物色。 『桃太郎電鉄』の作者としては、いついかなるときでも、駅あらば、 お土産屋さんを覗く。 野沢菜関係と、ジャムが多いなあ。 しかし、柿の種わさび風味の大箱とかが、地域限定で売っている けど、なんだかこの手のシリーズは、どの駅でも見かけるようにな ってしまって、珍しさが無くなってしまったなあ。 午後5時30分。駅前の「茜屋珈琲店」で、チョコレートケーキ に、珈琲。濃厚なチョコレートケーキだ。 味わい深いおいしさのコーヒーだ。寒いので、お腹が暖かくなる。 午後6時。軽井沢駅に戻り、待ち人をふたり待つ。 新幹線あさまが到着して、待ち人が階段を上ってきた。 おお! あの重たそうなデイパックに、重そうなお腹。『レガイ ア伝説』の柴尾英令くんである。 「こんにちは〜!」 しばらくして、その後ろから、いかにも横須賀どぶ板通りあたり で、町行く人を脅しそうな、悪相が上がってきた。 ダビスタ伝道師・成沢大輔くんだ。 「いやあ! 間に合ったあ! 昨日、イスを倒して、2時間しか寝 ていない!」 「あ〜〜〜、残念だなあ!」 私も、柴尾英令くんも、時間通り来てしまった、成沢大輔くんに 失望する。 軽井沢駅で待ち合わせなのに、成沢大輔くんが来ない! こういう展開になれば、俄然日記はおもしろくなったのに!と、 私と柴尾英令くん。 でも今回の旅行の幹事は、成沢大輔くんなので、時間に遅れると、 本当に困ってしまう。 軽井沢駅前に、成沢大輔くんの知り合いが、ワンボックスカーで 迎えに来てくれる。 長野の駅前で、本屋さんをやっているという、長谷川浩一郎さん。 HARD OFFという、中古パソコン・ショップの徳武さん。 成沢くんとは、競馬繋がりで、食い道楽仲間なのだそうだ。 ちなみに、長谷川さんの本屋さんに、講談社の営業として、仕事 に来るのが、おなじみ「プティ・ポワン」の北岡さんの息子さんだ ったりするから、世の中狭い。その息子さんの会社の元上司が、私 の高校時代の同級生・山畑雅夫週刊モーニング編集次長だったりす るから、さらに複雑。 午後6時30分。挨拶もそこそこ、長谷川さんの運転で、「東間 (とうま)」という、別荘を改造した、予約制のおそば屋さんに行 く。 今回は、このおそばツアーが、メインなのだ。 成沢大輔くんが幹事なことから、「悪代官そば食いツアー」と名付 けられている。別に名付ける必要などないのだが。 へっへっへ。わざわざ東京から、このお店をめざして来るくらい だから、おいしいよー! おそばの前の、鴨ロースが、絶品。 嫁曰く、「血のしたたるような鴨〜〜〜!」。 初対面にもかかわらず、食い道楽の話で盛り上がる。 食べ物は、共通語だから、コミュニケーションが楽だねえ。 「天ぷらはどこに行きますか?」 「近藤です」と、嫁。 「うわ〜〜、銀座の近藤かあ!」と、長谷川さんと、徳武さん。 いきなりなのに、注釈無しで、話が進む。 本編のおそばが到着! おいしいねえ! 幸せだねえ! 美味しい物を食べて、全員笑顔ってのが、いちばんいいねえ。 このお店、最後の「そば湯」が、葛湯のように、とろーり、とろ ーりで、ほかのお店で味わったことのないようなおいしさ。 左から→長谷川さん、徳武さん、成沢くん、柴尾くん、さくま、グルメ・バカ娘 食後、またまた長谷川さんの運転で、1時間かけて、長野へ。 おいしいものを食べて、気分よくなっているので、一気に遠足気 分。グルメ・バカ娘が、「幸せ! 幸せ!」を連発し始める。 午後9時30分。長野駅前、メトロポリタンホテルにチェック・ イン。 思えば、長野オリンピックの直前に、長野に来たときも、このコ スモポリタン・ホテルであった。いいホテルだ。 午後10時。長野駅近くのイタリア・レストラン「ボスコ」へ。 お店は閉店というのに、従業員の人たちに、残業させてしまう贅 沢。久保明さんという、徳武さんの会社のオーナーもいっしょ。 ここで、成沢大輔くんと、長谷川さんのワイン対決が始まったよ うだ。…というのも、私はお酒がまったく、ダメなので、何がどう 対決になっているのか、さっぱりわからない。 『美味しんぼ』の70数巻の、ワイン対決偏がいちばんわからなか ったぐらいだ。 ただ、大きなグラスをくるくると回して、みなさん「う〜む」と 唸っている。向こうから、漂ってくる、香りが美しい。 これ以上書いても、私は嘘かギャグになるので、この辺のことは、 柴尾英令くんのほうの日記で味わってね。 私は、お店の人が出してくれた、お肉とか、チーズが美味しいの で、食べ過ぎてしまう。 ましてや、お土産として買って来た、原宿「瑞穂」の豆大福をど うしたものかと悩んでいると、成沢大輔くんが、「けっこうワインと 大福は合うと思うんですよね」といって、食べてくれる。いい男だ。さらに車に乗って、次のお店に。 午後11時30分。ホテル国際21の最上階のラウンジへ行く。 このホテルには、西武ライオンズが宿泊しているそうだ。 私たちが泊まる、メトロポリタンには、オリックスが宿泊してい るそうで、明日、明後日と、西武対オリックス戦があるそうだ。 日曜日には、松阪投手が投げるそうで、長野ではこの試合のこと で、もちきり状態。 ラウンジのお店に入ってるバンドが、サイモン&ガーファンクル を続けて歌っている。みんなにとっての世代曲だったようで、それ ぞれ昔を思い出して、揃って思い出に浸ってしまう。 歌い終わった人が、長谷川さんに挨拶している。たまたま知り合 いだったようである。 長谷川さんは、山下洋輔さんを始めとする、ジャズのプロモータ ーをやっているそうなのだ。地方には、こういう人がいて、日本の 音楽を支えているのである。 そのうち、長谷川さんが、熱狂的な横浜ベイスターズであること がわかって、話は一気に、横浜ベイスターズ話で、盛り上がったと ころで、私はドクター・ストップ! このメンバーだと、私は朝まで付き合ってしまう危険があるので、 リタイアすることに。 午前0時。メトロポリタン・ホテル。さくまファミリーを残して、 悪そうな大人たちは、小雨降る長野へと消えて行った。 不思議な出会いと、不思議な長野の夜である。 ホテルに戻って、プロ野球ニュースを見れば、5連敗中の横浜ベ イスターズがようやく勝利。気が楽になる。 なんだか寝るのが、もったいない夜だ。
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