5月6日(土) 午前6時から、新作『桃太郎電鉄』の仕様書作り。 きょうは小旅行するので、朝のうちに少しでも仕事しておきたい。 子どもの頃から、夏休みの宿題は、7月中に終わらせてしまわな いと気がすまない性格なので、つい仕事をしてしまう。 勤勉なのではない。 宿題を終わらせてないで、遊ぶと、宿題が気になって仕方が無く て、羽を伸ばして遊べないからだ。 まあ、今となっては、私の場合、旅行それ自体が、いちばんのお 仕事になってしまうので、厳密な意味での羽伸ばしというものはな いのだろうけど。 そんなわけで、順調に、真面目にお仕事。 午前10時30分。京都駅。 家族3人で「ホテル・グランヴィア」の喫茶ルームで、おいしい モンブラン・ケーキとコーヒー。 ここのケーキはどれもおいしいなあ。 おなじみ、最古のさくまにあ・戸田圭祐には、一昨日キップを渡 しているので、電車の座席で直接会うことになっている。戸田圭祐 は大阪から来る。 午前11時07分。京都駅1番線ホーム。 おっ! 携帯電話が鳴った。 ん? 戸田圭祐かな? 「さくまサ〜ン! あわわわわわっ! どこにいるんですかー! あわわわわわっ!」 やっぱり戸田圭祐だ。何をそんなにあわてているんだ? 「1番線のホームだよ! ちゃんと電車に乗るよ!」 「え〜〜〜??? もう電車来ましたよーーー!」 「電車来たっていったって、その電車に戸田圭祐は乗っているんだ ろうが!」 「いえ〜! わても1番線のホームにおるんですわ〜! あわわわ わわっ! 電車が…あわわ…その、ああもう、来る!」 何で戸田圭祐が、ホームにいるんだ? 午前11時09分。サンダーバード13号は、定刻どおり発車す る。とにかく戸田圭祐もいっしょに電車に乗ることができた。 「あ〜、よかったあ! わてがなんか間違えてたのかと思いました よ〜〜〜!」 「それはいいけど、戸田圭祐は何で電車に乗っていなかったんだ? 大阪から!」 「へ〜。そりゃあ、大阪駅から、サンダーバードに乗ってきたら、 特急料金取られるやないですかあ!」 確かに。きょうの小旅行、戸田圭祐が京都から乗れるのか、大阪 から来るのか、キップを買った時点ではまだ、決まっていなかった ので、とりあえず京都駅からのキップを買って、手渡していたのだ。 「だから、新快速に乗って、京都駅まで来て、ホームで待ってたん ですわあ! なのにさくまサンたち、全然来はらへんし。もう、て っきり、わてがまたヘマしたと思って〜!」 「そうか、そうか。こっちは、座席で直接会うんだから、ぎりぎり でいいやと思って、のんびりお茶を飲んできたのだよ」 まあ、きょうも幸先よく、戸田圭祐のあわてっぷりを見ることが できて、早くも小旅行は楽し。 何だか、戸田圭祐のやってることって、『古畑任三郎』の西村雅彦 さんに似てると思わない? さて、電車に乗ったら、さっそくお仕事。 新作『桃太郎電鉄』の物件一覧表の手直し後の原稿を戸田圭祐に 見せる。 「あっ。湯布院の辻馬車屋の料金がもう変わってまんなあ!」 「変えろといったのは、おまえだろが!」 「へ〜!」 さらに車中、戸田圭祐に現在懸案中のイベントを教えて、反応を 見る。戸田圭祐はアイデアがつまらないときに、お愛想笑いできる ような男ではないので、すぐわかる。 反対におもしろいときは、本当に大声出して、膝をぺしぺし自分 で叩きながら、「えへっ! えへっ! えへっ!」と涙を流してよこ ろぶので、非常に精度のいい、おもしろセンサーということができ る。 午後12時30分。あっというまに福井駅に着く。サンダーバー ドだと、京都駅から1駅目である。敦賀駅にすら止まらない。 さあっ! これからが大変だ! 実は、福井での滞在時間は、わずか4時間しかない! ゴールデンウィークで、なかなか座席が取れなかったので、指定 席の関係から、日帰りするには、これがぎりぎりの時間なのだ。 というわけで、この日記を読んでいて、福井について、アドバイ スまでくれた、須田葦也くん! 「福井に来るときがあったら、言ってください。案内しますから!」 と言ってくれたけど、とても案内をしてもらってるヒマがなかった。 ゴメンね。 それは今からの旅程を見てもらえれば、わかると思う。 というわけで、今から我らは、武田信玄の騎馬軍団である。「早き こと風の如し」! 猛スピードで、福井を駈け抜けるぞ! まず、タクシーで、ヨーロッパ軒総本店へ! 以前私は一度、来ているので、歩いて行けることは知っている。 タクシーの運転手が、「午前中からずっと駅で待ってたんや。ヨー ロッパ軒なら、1メーターで着いてまう!」という言葉も受け流し、 先を急ぐ。 とにかく、最初のほうで、時間を浪費すると、予定の取材が完了 せずに終わってしまう。 午前12時40分。ヨーロッパ軒総本店。ここは名物のソースか つ丼を食べさせてくれるお店。 薄くスライスした上等のロース肉を、パン粉にまぶして、ラード・ ヘッドでカラッと揚げたカツ。これを各種香辛料を加えたウスター ソースのタレにつけて、丼に乗せる。 丼には、カツだけ。 キャベツもない。 名前の通り、本当に「ソースかつ<だけ>丼」なのだ。 でもこのシンプルな丼がことのほかおいしい。 甘味のあるあつあつのお肉の口当たりは、なんとも、まろやか〜。 ご飯に染み込んだ、ウスターソースの味も、たまらない。 嫁とグルメ・バカ娘は、ソースかつ丼のレディース・セット。 私は、須田葦也くんから勧められていた、パリ丼。パリ丼は、メ ンチカツであった。私はもともとメンチカツが大好き。 戸田圭祐は、カツに、メンチカツに、エビカツまで加わった、三 色セット。この味には、ご承知の通り、味にうるさいグルメ・バカ娘も「お いしいよ、これおいしいよ! また食べたいよ!」のご神託が出た。 でも食べてるそばから、「また食べたいよ!」と言いながら食べる のだけは、やめてほしいものだ。 さあ、このお店で、のんびりしているわけには行かない。 本来、福井駅から九頭竜(くずりゅう)駅という、格好いい名前 の執着駅に向かう、越美(えつび)北線に乗って、一乗谷(いちじ ょうだに)という駅まで行く予定だった。 ところが、これが、1時間に1本しか、電車が…、いや、約1時 間40分に1本しか電車が走らないのだ。 滞在時間4時間しかないのに、これは困る。 うまいこと発車時間が合わなかったではすまされない。 我ら、武田の騎馬軍団。ヨーロッパ軒から、大通りに出たところ で、タクシーを拾い、一気に一乗谷へ向かう。 午後1時35分。あっというまに、車は「一乗谷朝倉氏遺跡資料 館」に着く。 あの戦国時代の朝倉氏である。 朝倉氏は、当時「朝倉文化」と呼ばれ、京都から多くの貴族や僧 侶が訪れ、学問、絵画、茶の湯といった文化が栄えたことから「北 陸の小京都」という異名を誇った。 そこから出土された器などが展示されている。 しかし私たちのきょうの狙いは、次の場所である。 この資料館の近くにある「一乗谷朝倉氏遺跡」である。 午後2時。待っていてもらったタクシーに乗り込んで、「一乗谷朝 倉氏遺跡」に着く。 これだよ、これが見たかった! 一乗谷は、朝倉氏が100年以上にわたって、栄華をきわめた夢 の跡と言われたくらい、繁栄した場所だ。 しかもそのほとんどが、そのままの形で、近年発掘された。 その規模たるや、よくある遺跡のちょぼちょぼとは、あまりにも スケールが違う。違うどころか、違いすぎる! 数字にして、278ヘクタール。 ヘクタールっていわれたって、どのくらいの広さだかわかるわけ がない。東京ドーム2つ分くらいかな? えっ? 違うの? うそ っ! それって計算間違ってない? 単純計算で、この遺跡の広さは、なんと! 東京ドーム、約60 個分だそうである。 「あわわわわわ!」 みなさん、ごいっしょに、戸田圭祐とうろたえようではないか! すごいよ、ホント。 こうして見渡しても、本当に遠くがよく見渡せる。 新緑が本当にきれいだ。 遺跡の復元がまた見事。 パノラマ模型のミニチュアなんてのは、よく博物館で見ることが できるんだけど、あのミニチュアの中に、今、私たちは本当にいる! 武家屋敷とわかる復元。町並みとわかる土塀と道。町屋。 ひとつひとつに感動する。 この衝撃は、絶対ここにこうして、遺跡に立ってみないとわから ないと思う。 おおげさな表現でなく、タイムマシンで、戦国時代に戻ってしま たようで、武者震いしてしまった。 歴史ファンが、ここを見ずに死んだら、一生の後悔になりまっせ! 歴史ファンでなくても、この一乗谷に咲く、黄色い花を見るだけ で、感動する。黄色い花はたぶん雑草だと思うけど、とにかく谷を 敷き詰められたように咲いていて、美しい。 とにかく、驚くことにかけては、天下一品の戸田圭祐は、「うわわ、 あわわ!」の連発で、うるさいぐらいだ。 武家屋敷を見ては、「うおお! 庭付き一戸建てのいい家に住んで ましたなあ!」。使用人小屋を見ては、「くそ〜っ! わての部屋よ り広いやないか! 頭に来るなあ!」と怒る。 戸田圭祐よ、心配することなかれ。 使用人小屋は、おそらく4〜5人で、1軒だったと思うぞ。使用 人がひとりでこんな大きな一軒家に住んでいるはずがない。 見事な町並み復元のおかげで、足の不自由な私でも、疲れること なく、広大な土地を見てまわることができた。 朝倉義景のお墓を見ることもできたし、朝倉氏の山城の真下に広 がる屋敷群まで見ることができた。 満足、満足、本当に、満足。 今もここは発掘調査が続いているようだから、そのうち一大観光 地として、発展すると思う。 お早めにこの感動を。 よっしゃあ! 我ら、武田の騎馬軍団。残された時間はあと2時 間。順調、順調。次をめざすぞ! 再び、福井駅のほうに向かってもらう。 午後2時50分。福井駅近くの、「田中屋餅店」まで行く。 前述の、須田葦也くんの報告によれば、このお店の「昔ながらの アイスクリーム」は、あのユーミン(松任谷由実)が、コンサート のリハーサルを抜け出してでも、わざわざ買いに来るほどのおいし さだそうである。 そんなおいしいものを食べないわけにはいかない! 「昔ながらのアイスクリームをください!」 「え〜、その〜。材料があることはあるんですが、作る人の身体が おもわしくないのと、今はお餅のほうを作るのが忙しくて、アイス クリームは作ることができなくて…」 何? 何とな! せっかくここまで来たというのに! まあ、勝 手に来たのだが! う〜ん。何ともくやしい〜! 運転手さんに、アイスクリームが買えなかったことを伝えると、 「今の時期は難しいかもしれないですね!」 「えっ。何でですか?」 「結婚式の時期だから…」 「え? 何で結婚式で?」 「結婚式で、お餅をまくんですよ、こっちでは! その量は半端じ ゃないから、本当にお餅屋さんは、忙しいと思いますよ」 とっても、納得。 これでまた、福井に来ないといけない口実ができたな。ふふふ。 アイスクリームはやっぱり、夏に食べないとな! 断られながらも、 「昔ながらのアイスクリーム」と書かれたお品書きに隣りに、「昔な がらのアイスキャンデー」と書かれてあったのも、私は忘れないぞ。 再び、タクシーに乗車。 すぐ近くの柴田神社に行く。 福井駅の商店街のなかにあるような、小さな神社で、現在ここは 造営中。 来年春に完成とある。ますますまた来ないと。 福井で、柴田神社とくれば、もちろん、豊臣家の重臣・柴田勝家 を祭っている神社である。 この地は、ちょうど豊臣秀吉に滅ぼされて、自害した、北の庄城 の天守閣があった場所だそうだ。あの美人の誉れ高かった、織田信 長の妹・お市の方の像もある。 しばし、柴田勝家像の前で、400年前を想像する。 グルメ・バカ娘には、お市の方の娘3人が今の『葵・徳川三代』 に出て来る、小川真由美さんに、岩下志麻さんだぞと教える。 大河ドラマを見せておくと、歴史を教えやすい。 午後3時10分。いよいよ最後の目的地、田原町にある、福井観 光物産センターに行ってもらう。 ここで、タクシーの運転手さんとは、お別れ。 駆け足旅行に付き合ってくれて、本当にありがたかった。 田原町フェニックス・ビル1F、福井福井観光物産センター。 最後なのに、これはまいったよ! こんなにぎょうぎょうしい名前なのに、福井の駅前のお土産屋さ んよりも小さくて、さみしい。 広大な物産センターを期待していたのにいっ! 気を利かせて、戸田圭祐が、「今のうちに田原町駅の時刻表を見て きまっさあ!」と叫び、お得意の忍者走りで、去って行く。 このあと、わずかな距離だが、市電に乗って、福井駅まで帰ろう と言っていたのだ。戸田圭祐は、一乗谷へ行く電車が、1時間40 分に1本しかないことに、おののき、この市電もまた、1時間に1 本程度だったら、福井駅から帰りの電車に間に合わなくなると思っ て、走ってくれたのだ。 戸田圭祐、忠義の男である。 タタタタタッ、タタタタタッ。 おお! 戸田圭祐が戻って来た。 「さくまサン、3時30分発で、福井駅行きの電車が出ます。あと 15分ほどなので、そろそろ!」 「で、その田原町駅までは、何分ぐらいかかるんだ?」 「へ?」 そこまで気が回るような男ではなかった。 「すんまへん!」 まあ、いいや。それほど遠くはないのだろう。 歩いて行こう。 ビルを出る。 出たとたん、目の前に田原町駅があるではないか! 「戸田くん、ビルのすぐ裏が駅です!と言えば、よかったんじゃな いの?」 「へ〜。そうですなあ。思いつきまへんでした!」 何分?と聞いた、私がいけないのであった。 1分以内なので、たぶん、30秒とか、35秒とか、50秒とか、 秒数で伝えないといけなくなって、いつものように、戸田圭祐は頭 のなかが渦巻いていたのだろう。 さて。田原町駅。 古びた駅舎というのにも、ほどがあるほど、ぼろい! 風情のある駅舎…などと、気をつかった言い方を絶対しなくてい いくらい、ぼろぼろ! 錆びた柱に、朽ち果てた木の柵。 どうも見ても、オリンピックの前の景色だ。 小津監督の映画に出て来る駅よりも、ひどいぞ。 芸術的だ! そのくせ、一丁前以上に、このぼろぼろ駅は、2つの路線の電車 が停車する駅なのだ。 生意気だ! しかし、どこがキップ売り場なんだ? すかさず、戸田圭祐が、道案内を始める。 「ささっ。こっちへ!」 え? おいおい、駅の入り口はそっちなの? それって、思いき り線路の上を渡るぞ。いいのか? 「ささっ。ここが、キップ売り場です!」 うほっ。す…、すごい、窓口だ。 廃校の玄関の脇にある、窓口みたいだ。汚れた窓のせいで、なか にいる駅員さんがよく見えない。 嫁に、キップを買ってもらう。 ひとり、170円。 発車時間まで、線路でもデジカメして、待とう。 ホームに立って、線路のカーブをデジカメする。私は電車よりも、 レールのほうが好きだったりする。 「お〜い! そっちは違うよ〜!」と、さっきキップを買った窓口 のおじさんが追いかけてきた。 しかもちょっと怒った口調。 えっ? 何で? 「そっちは、福井鉄道で、違う会社だ!」 何を言ってるんだと思ったが、脇にいる戸田圭祐の顔面蒼白ぶり で、なんとなく事の次第がわかりかけてきた。 「あわわわわわっ! え…、え…、えろうすんまへん! また…、 またやってしまいましたあっ!」 戸田圭祐がうろたえる。 説明しよう。 この田原町駅には、2本の電車が乗り入れている。 ひとつは、私たちがこれから乗りたい、市電の福井鉄道福武線。 もうひとつは、京福電鉄三国芦原線。 駅の位置と、時刻表を確かめに行った戸田圭祐は、まず、市電の 福井鉄道福武線の時刻表を確かめた。午後3時30分に福井駅の電 車が出ることを確認した。 ここまでは、間違っていない。 次に、戸田圭祐は、さらに気を利かせて、キップを買う窓口の位 置まで確かめた。 しかし! ここで読者諸氏は考えて欲しい。 私、金田一耕助の考えはこうだ。 「ヒントは、市電。市電は、市電に乗ってから、キップを買う方式 がふつうである」 もうおわかりだろう。 早とちりの戸田圭祐は、市電のキップ売り場が「無い! 無い!」 とあわてたに違いない。すると、目の前に、おんぼろの窓口が! 「これに違いない!」 というわけで、犯人は、やっぱり、戸田圭祐なのでした〜! わっはっはっは! 市電の福井鉄道福武線のキップ売り場だと思ったのが、京福電鉄 三国芦原線の田原町駅のキップ売り場だったという、トリックであ る。 「うわわわわわ〜」 泣きじゃくる犯人の戸田圭祐…ではなく、「あわわわわわっ」とな る、戸田圭祐であった。 ちょうど市電の福井鉄道福武線が入線して来た。 「ワンマン」の看板が見える。 やはり、乗ってから、キップを買う方式であった。 がっくり、肩を落とす、犯人の戸田圭祐…、いちいち推理小説の エンディング仕立てにするのは、面倒なので、このへんにして、先 を急ごう。 でもまだ戸田圭祐があわてている。 市電の福井鉄道福武線に乗ったとたん、市電のキップを4人分買 おうとした嫁を遮るようにして、「あわわわっ。ここは、私が払いま す!」 「別にいいわよ!」 「あわわわっ。ここは払わせてもらわんと、おわびしたことになら ないんで! あわわわわっ!」 「どうすればいいの?」と嫁が、私に聞く。 「はっはっは。戸田圭祐は払わないと気がすまないんだから、電車 賃おごってもらえばいいじゃないか!」 「あ〜、よかった、助かったあ!」 ちなみに、戸田圭祐が間違えほうの電車のキップは、170円。 戸田圭祐が払ったほうのキップは、180円。 どちらも、福井駅まで行く。 戸田圭祐、40円損する。 午後4時。福井駅に着く。 京都まで戻る電車の発車時間まで、約30分。 怒涛の駆け足旅行は、ついに完結である。 またしても、戸田圭祐の大活躍で、楽しい旅となった。 予定していた場所もほとんど全部見ることができた。 最初から、永平寺、東尋坊、丸岡城は、無理だなと思っていた。 この辺は、次回だ。昔ながらのアイスクリームもね。 駅構内の喫茶店でコーヒーを飲み、駅2階のお土産品コーナーで、 恒例の「方言てぬぐい」を買って、改札口に入る。 最近、私は観光地で売っている、あのどんくさい「方言てぬぐい」 を集め始めた。 私に何かプレゼントしたいという人は、ぜひとも、この「方言て ぬぐい」を献上してほしいものである。わずか400円程度の出費 で、大いに私に恩を売っていただきたい。 午後4時38分。サンダーバード36号。 さすがにかなり疲れたので、仮眠。 20分ほど寝て、戸田圭祐とまた新作『桃太郎電鉄』の打ち合わ せ。物件駅の増資について、そろばん勘定の王者・戸田圭祐の意見 を聞く。なるほど、なるほど。 午後6時03分。京都駅。 福井は観光客が少なかったし、行きも帰りもうまいこと指定席が 取れたので、ゴールデンウィークという気がしなかったが、京都駅 のごったがえす人の波を見ると、まだまだゴールデンウィークなん だなあと思う。 午後6時30分。さすがに嫁とグルメ・バカ娘が、昨夜3日連続 でステーキになってしまったので、北山の戸隠そばのお店「みのり」 に行く。 おそばなら、ヘルシーである。 しかしメニューに、おいしそうな玉子の文字が。鴨肉の文字も。 けっきょくおそばに、とろきぶごはんに、みんなで鴨ステーキを 食べる。4人で、1人前の鴨といえども、記録的には、4日連続の ステーキである。 午後9時。マンションに戻り、またまたグルメ・バカ娘と戸田圭 祐による、『さくま式人生ゲーム2(仮)』のテストプレイ。 きょうの戸田圭祐の職業は、プータロー。 グルメ・バカ娘の職業は、くの一忍者。 くの一人忍者のエッチなセリフに、戸田圭祐、喜ぶ。 素直な男だ。 ああ! またしてもゲームで、戸田圭祐、離婚する。 う〜む。早く次のロムでテストプレイさせてあげたいものだ。次 のロムでは、離婚率が下がるイベントが入る予定なのだ。 午後10時。ふたりでテストプレイなので、わずか1時間でゲー ム終了。本番ではもっとイベントに対してグラフィックが入るので、 もっと時間がかかるだろうな。 さあて、このあとは小旅行の日記を書かないと。 戸田圭祐の大活躍で、日記が長くなりそうだ。 明日は、嫁とグルメ・バカ娘が東京に帰る。
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