4月26日(水) 夜になると、iモード・ゲーム『さくま式奥の細道』が、混雑し て繋がらないので、朝7時30分から、テストプレイ。 『めざましテレビ』の軽部さんのチェンジアップ満点の不思議な間 の取り方を聞きながら、テストプレイとは、妙な感じだ。 手直し箇所を文章にして、インデックスさんに送る。 午前11時30分。アリtoキリギリスの石井正則くんが、家に やって来る。 前から、お寿司をごちそうすると言っておきながら、お互いのス ケジュールがなかなか合わなかったので、実現しなかった。 その間あのヘルシー福本岳史くんが、石井正則くんに「あそこの お寿司は本当においしかったよ〜!」と、何度も何度もうれしそう にいうので、石井正則くん、とうとうガマンできなくて、きょう来 てしまったのだ。 本当は、嫁さんの愛(かな)さんもいっしょにと言っていたのだ けれど、教習所の授業のせいで、嫁さんの空き時間を待ってると、 このお店に来ることができない。 でも「あとでちゃんと嫁さんを連れて行きますから」というとこ ろが、やっぱり好感度タレントである。 そのお寿司屋さんとは、もちろん近所の「おけいすし」。 ここのランチは、量が多くて、夜のネタとまったく変わらないも のを出す、良心的すぎるお店なのだ。値段もお昼は安い。夜、行く と、ちょっと死ぬ人もいる。 おけいすしのいつものお兄ちゃんが「TVで拝見しています」と、 石井正則くんを見て言う。こういう夜遅くまでお仕事している人で も、一発で石井正則くんとわかるようになったのだから、石井正則 くんの認知度は高くなったもんだ。 去年の今ごろはほとんど気づかれなかったけどなあ。石井正則くん、おけいすしの本格的な江戸前寿司を口にして、ひ とこと! 「びっくりした〜!」 石井正則くんはいつも美味しすぎるものを食べたときはこの「び っくりした〜!」が出る。 午後12時。私と嫁が次の仕事に行くまでに、もうちょっとだけ 時間があったので、石井正則くんを、さらに危険なお店「ドゥリエ ール」へ連れて行く。 ふっふっふ。もうこの日記ではおなじみすぎる、ミルクレープの お店だ。 石井正則くんは、ああ見えて、甘いものが大好きなのだ。 ひとくちミルクレープを口にして、「うっ! こ…、これは…。 危険な食べ物だ! おいしいのもすぐわかるけど、太るのもよくわ かる」と苦しむ。 私は今週いっぱい、ケーキ絶ち週間なので、心を鬼にして、食べ ない! この店のミルクレープは絶対太る! ああ! 苦しい! 食べたいなあ! 午後12時30分。私と嫁のほうが、タイムリミットなので、外 苑一丁目で石井正則くんと別れて、築地へ。 午後1時10分。ちょっと遅れぎみで、築地のハドソンに到着。 来ないはずの放送作家の福本岳史くんが来ている。 きょうは次の作品のメインプログラマーが、札幌から来るという ので、わずか15分だけ顔を出すためだけに、こうしてわざわざ築 地のハドソンにまで来ているのだ。 見上げた男だ。 挨拶だけして、本当にそそくさとTBSに向かって行った。 デブのくせして、マメである。 そのメインプログラマーというのは、誰あろう、なんと飛田雅宏 くんである! この名前を聞いて、すぐピンと来たら、さくまにあ 3段の段位を授ける! 飛田雅宏くんは、ファミコン版の『桃太郎伝説』のメインプログ ラマーだった男なのだ。なんと15年ぶりにいっしょに仕事をする ことになった。 会うのも5〜6年ぶりなので、『桃太郎電鉄HAPPY』から、桃 太郎チーム入りした宮路一昭くんは初対面。福ちゃんももちろん初 対面。 知ってるのは、私と土居ちゃん(土居孝幸)くらいなもの。 私と土居ちゃんがほとんど同時に「飛田くん、ちっとも顔変わら ないねえ!」という。 「ちょっと、1割増に太りましたけど」 「たしかにね」 「飛田くん、いくつになったの?」と、土居ちゃん(土居孝幸)。 「36歳になりました」 「へ〜! 初めて会ったのは、飛田くんが20歳だから、もう16 年になるのかあ!」 「飛田くん、昔から顔が老けてたから、いまぐらいがちょうどいい んじゃないの?」と、土居ちゃん。 やっぱり、昔いっしょに仕事した仲間はあっというまに、なれな れしいしゃべり方に戻ってしまうものだ。 飛田雅宏くんには、新作『桃太郎電鉄』を作ってもらうことに。 『桃太郎電鉄』の最初の作品を作ったのも、飛田雅宏くんなので、 昔話を交えながら、打ち合わせ。 もちろんおなじみのハドソン桃太郎事業部の梶野竜太郎くん、武 田学くん、石崎仁英くん、ゲーム・ディレクターの国政修くんもい っしょ。 今度の新作『桃太郎電鉄』は大幅にグラフィックを変えようと思 っているのだが、どうにもゲーム・ルールが完成してしまっている ゲームなので、変えづらい。 3Dにして、ビルの間を走り抜ける『桃太郎電鉄』にしてもいい のだけれど、これだとどこに目的地があるのかわかなくなってしま う。直線的な線路を、カーブできるようにしようかというアイデア も出たけど、操作がしづらくなるだけというのは、誰もが一致した 考えだ。 これほど大幅にグラフィックを変えづらいゲームも珍しい。 なんたって、日本地図は変わらないんだから、どうしようもない。 北海道の下に、四国を持ってくるわけにもいかないしねえ。 地図に等高線とか書いて、本格的な地図帳の絵にしてしまおうか という意見も出たけど、あのにっこり笑うりんごや、ゴルフしてる ウサギがいなくなるのは、みんなが嫌だという。 グラフィックのレベルを上げるのは、可能性としてあると思うの だけど、それ以上の大改革が難しい。 そんな議論が、きょうの会議のメイン。 午後4時。今度は『桃太郎まつり(仮)』の会議。 おっと。きょう本当に初期段階のテストロムを見たのだけれど、 これ以上文章を書くことができない。 書けば、どんなハードかわかってしまうし、どんなジャンルのゲ ームなのかもうっすらわかってしまう。 文筆業としては、うっすら想像がつくところまで、書いてしまい たいのだけれど、ゲームのハードが何かを書かずに、匂わせる文章 を書くというのは、至難の技だ。 たとえば、ポリゴンの数を…という会話を始めたら、PS2か、 ドリームキャストかということがわかってしまう。みんなでひとつ の画面を見ることができないから…とでも書くと、ゲームボーイ系 か、ワンダースワンってことになってしまう。 はたまたまだ発売されていないハードで開発している可能性があ る。Xボックス、ドルフィン、アゲインスト・ゲームボーイ。噂に なっている新ハードだけでもこれだけある。 とにかくこのゲームの発売後、今年に入ってからの日記を読み返 していただくと、いかに苦しかったかがわかってもらえると思う。 午後5時30分。きょうの会議は、実は緊急会議だった。 なので、私と嫁は、めったに行かないお店にすでに予約を入れてし まっていたので、早退。あとは若い人たちだけで…って、お見合い じゃないんだからあ! 午後6時。築地から銀座みゆき通りへ。 この日記にはなかなか登場することができない「天ぷらの近藤」 にひさびさに来たのである。 天ぷらは、とにかくデブには、天敵の食べ物である。 だから私は、最低3ヶ月は間を置く。 しかも今回ひさびさに来たのも、3週間ほど前の病院での血圧の 結果がよかったからなのだ。昨年来ちょっと血圧がじわじわ上がっ ているので、来ることができなかった。 あの健康に気をつかいまくった徳川家康の死因が、天ぷらという のは、有名な話だからね。 というわけで、正常血圧記録記念! 晴れて、「天ぷらの近藤」 に再登場なのである。外は雨だけど。 しかもこのお店、予約してもいつも満員なことで有名で、今回も 空いている日を探してもらって、こっちがその日に合わせるやり方 にしたのに、実に予約してから3週間後にやっと食べられるのだ。 とにかく、3ヶ月後でも予約がいっぱいということが多い。 そんなお店だから、あのグルメ・バカ娘は学校から帰って、ひた ひた必死にこのお店に向かって、アメリカ版ゴジラのように雨の中 やって来た! 学校から帰ってからの連絡時間が遅かったので、食べに来るのを 辞退しろといったのだが、めったに来ないお店なので、絶対来ると 言い張って、とうとう来てしまった。 ここのお父さんがまた、グルメ・バカ娘の食いっぷりがいいので、 娘が来ると喜ぶ。 というわけで、とことん食道楽家族は、心行くまで、天ぷらを堪 能する。 コースを頼んだ上に、大きなサツマイモ、空豆、新生姜,椎茸ま で、オプションで注文してもう、破裂しそうなお腹。 午後8時。そのまますぐ帰るのは苦しいので、近くの「カフェ・ フォンタナ」でコーヒーを飲んでいく。 午後9時。帰宅。雨の日はやっぱり寒いなあ。 明後日から京都なので、ぎりぎりまでiモード・ゲーム『さくま式 奥の細道』のテストプレイ。
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