3月10日(金)


 午前11時。嫁と新宿高島屋13F「つばめグリル」。
 つばめハンバーグに、パン。

 食後、嫁と別行動。
 HMVで、ほしいビデオがあったので、探しに行くが、無い。
 買いたい気分めいっぱいででかけたので、何も買いたい物がない
ことが妙にくやしい。
 そういうときってあるでしょ?

 こういうとき、何か欲しい物を探して、彷徨ってしまうものだ。
 東急ハンズをしみじみ探索する。

 買いたい気分が充満してるものだから、ふだんならどうでもいい
ものが変に欲しくなる。
 こういうときは、危険だ。

 トラベル便利商品みたいな、どうでもいい品物まで、買ってみよ
うかなエリアに入って来てしまう。安眠マスクとか、はきかえスリ
ッパなんて、絶対ふだんなら欲しくない。
 つめかえシャンプーなんて、絶対詰めかえっこない。
 旅行用品で、本当に便利だなあと思えるものって無いよね〜。

 でも工具セットは、危険だ。
 男の子は、必要もないのに、どういうわけか工具セットというの
は、買いたい衝動にかられる。
 ラジオペンチ、ニッパ、六角レンチなんてのを見ると意味無く欲
しくなる。
 私なんぞ、手が不自由なのだから、つかえっこないのに。

 OAバッグも危険だ。
 どのバッグも妙に便利そうに思える。
 でも私の場合、VAIOに常にPHSカードを突っ込みっぱなし
なので、どんなぴったりサイズでも、必ずカードの部分が飛び出し
てしまう。
 わかっていても、便利そうにみえる。
 危険だ。衝動買い指数が高い!

 そのうち、民芸家具みたいに、ふだんなら見もしないものまで、
見てみようという気になってくる。
 自分の部屋にこの飛騨の職人さんが作った家具が、いかにふさわ
しいかということを、必死に騙そうとする。自分を騙すのだ。
 しかし、けっきょく自分の部屋にこのテーブルを置いたら、ドア
が開かなくなることに気づいて、納得する。

 しまいには、バイキング・メットまでほしくなる。ほしくないは
ずなのに。バイキング・メット。
 あのキャイ〜ンの天野くんが、ブラック・ビスケッツでかぶって
いたやつだ。こんなのまで東急ハンズは売ってるんだあ!と思った
ら、とっても危険である。

 で、けっきょく何を買ったのか。
 低水圧用シャワーヘッドである。
 シャワーの出が弱いときは、このシャワーに取り替えれば、シャ
ワーが強く出るというやつだ。
 まったく意味が無い物を買ってしまった。

 しかも東京の自宅は、全然関係ない。京都のマンションのお風呂
の出が悪いからなのだ。
 買いたい気分のときの、買い物はロクなものを買わないものだ。

 午後2時。自宅に戻る。
 新作『桃太郎電鉄』の仕様書作り。

 午後3時。『さくま式人生ゲーム2(仮)』の会議。
 メンバーは、タカラの高田さん、大草さん。土居ちゃん(土居孝
幸)、宮路一昭くん。ひさびさに登場、VR−1の本山博敏さん。荒
堀明弘くん。放送作家の福本岳史くん。

 テスト・ロムが、かなり完成している部分が増えて来ているので、
会議はけっこうこまかい部分に入っていく。
 文字フォントの太さが気になるとか、ルーレットの数字が、もう
ひとつだとか、いちばんお客さんには気づかれない、舞台裏の作業
についてだ。
でもこういうところに手間をかけないと、いいゲームにはならな
い。

 会議のほうは、仕様書の原稿が完成しているので、スムーズ。
 仕様書を書き終えると、作品を俯瞰で見えるようになるのか、ど
こに問題があるかが透視図を見るように鮮明になってくるから、不
思議だ。

 午後5時。会議終了。
 土居ちゃん(土居孝幸)、福本岳史くんに残ってもらって、『さ
くま式人生ゲーム2(仮)』のテストロムを3人でプレイする。
 土居ちゃん(土居孝幸)、画家。
 私、サラリーマン。
 福ちゃん、発明家。
 このパーティで、スタート!

 まだBGMも、SEも入っていないヴァージョンなんだけれど、
これがけっこう楽しい。
 土居ちゃんが、なかなか結婚マスに入ることができなくて、「土
居ちゃん、ゲームでも結婚遅いな〜!」と大笑い。
あげくに土居ちゃんが、うっかり操作ミスをして、独身になって
しまった! 
「わっ、何だよ、これ! くそ〜! 独身になっちゃったよ〜!」
 わっはっはっはっは!
「これ、操作方法悪くない?」
「ちょっと間違えやすい色使いなことは確かだね!」
「まあ、これはテスト・プレイ! テスト・プレイ! でも土居ち
ゃんは、ゲームの中でも、独身!」
「くそ〜!」
 くやしがる、土居ちゃん!  
 ちょっと出来すぎな話くらい、おもしろい展開だ。

 心配していた、ゲームに要する時間とか、非常にテンポがいいの
で、ホッとする。これにもっとイベントが加わると、みっちりした
内容で、1ゲーム2時間から3時間で終了することができそうだ。

 まだまだグラフィックと、ゲーム内容が噛み合っていない箇所が
多すぎるのだが、これがうまいこと解消されるようなら、かなり激
しく忙しいゲームになりそうだ。 
 
 もっと駒キャラである車と、マスが目立つようになると、かなり
いいゲームになるぞ。今はまだ背景のほうが目立ってしまって、目
が後ろにばかり行ってしまう。
 ゲームというのは、派手なグラフィックなら、何でもいいという
わけではないのだ。とくにボードゲームは、誰が今、どこで何をし
ているかが、頭に入りやすい作りにしないといけない。

 午後7時30分。家族3人と、福ちゃんの4人で、麻布十番の「紅
虎餃子房(べにとらぎょうざぼう)」に行く。
 福ちゃんと、鉄鍋餃子を食べながら、今後のスケジュールを確認
する。iモード・ゲーム、桃鉄シリーズ、さくま式人生ゲーム2(仮)、
ラジオなど、福ちゃんといっしょにやってる仕事が多いので、とき
どき交通整理をしっかりしておかないと、お互いパニックになって
しまうので、再確認。
 でも、けっきょく福ちゃんのうまい口車に乗せられて、けっきょ
くまた私がいっしょに作らないといけないゲームの本数が増えただ
けのような気もする。

 早く、楽隠居させてくれよ、福ちゃん!

 食後、真ん前の「ウインザー」でお茶を飲み、再来週の合宿のス
ケジュールなど打ち合わせる。
 
 午後9時。帰宅。
 かなり身体のほうが楽になって来たので、疲労しない程度に、お
仕事してから、寝る予定。

 さ〜て、福ちゃんが書き上げてきた『さくま式西遊記』の第1稿
を見るとするかな…と、書くと、福ちゃんが結果はどうだったか早
く知りたいだろうなあと、思いつつ、結果は明日以降に。
だってまだ読んでないんだもん。

ふっふっふ。いやらしいのー! 福ちゃん、ドキドキですのー!
 

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