2月7日(月) 午前11時。放送作家の福本岳史くんが来る。 そのままいっしょに京都駅へ。 新幹線のキップを買う。 えっ? 何でそんなりすんなり東京へ帰ってしまうのかって? どこか寄り道していかないのかだって? へっへっへ。寄り道しないんだなあ。 前回の京都のときみつけた、「はつだの和牛弁当」を新幹線のなか で美味しくいただくために、わき目も振らず、午後12時10分発 の新幹線に乗るべく、わざわざお腹をすかせて、予定通り来たのだ。 新幹線のキップもあった。 あとは京都駅伊勢丹デパートB2で、「はつだの和牛弁当」を買う だけ! 福ちゃんも前回の私の日記に登場したこのお弁当の写真を 覚えていて、楽しみにしている。 エスカレーターに乗って、B1、B2。 よいしょ、よいしょ! どこだっけ。あった、あった、ここだ。 おろ? 妙にガラスケースがすかすかしているぞ? えっ? どういうこと? おや? 張り紙が…。「はつだが定休日のため、本日お弁当の販売 はございません」。 わかりやすい文章だなあ…って、おいっ! こっちの「はつだの和牛弁当」を美味しく新幹線のなかで食べる 計画はどうなちまうんだいっ! いきなりこっちの計画を壊すな! 毛利さんのように打ち上げを 延期するわけにはいかないんだ! くそ〜! こんなことなら、京 都見物のひとつもしてから買えれば、よかった。 老舗お弁当街をまわり、「北山弁当」というおいしそうなお弁当を 購入して、駅に向かう。 午後12時10分。のぞみ12号。 乗ってすぐ、お弁当を開く。 ついでに買った、お惣菜の梅干の天ぷらが甘くて美味しかった。 心配だった「北山弁当」もかなり美味しかった。三色そぼろ弁当というのは、駅弁の安全ブランドだな。 大きく外さない。 それにしても、福ちゃんの身体はでかい! トイレから帰ってきて、ドアが開いた瞬間、通路にはみでている 人がいるので、誰だろと思ったら、福ちゃんであった。 さすが250キロトリオ(土居ちゃん、宮路一昭くん)の筆頭株 主である。 車中、新作『桃太郎電鉄』のアイデア出し。 今回の合宿では『桃太郎まつり(仮)』のアイデア出しに終始して しまったので、少しはやっておかないと。 おかげで、キングボンビーと、貧乏神の悪行候補が少し出た。 目的地に入る。お金が入る。カードを手に入れる。 この3つのパターンしかないのに、毎回変化をつけていかないと いけないのだから大変だ。 まったく新しい要素を入れればいのだが、それだと初めて買う人 や、ひさしぶりに買う人にわかりづらくなってしまう。 大魔神佐々木様が、ストレートとフォークの2種類しかないのを、 巧みなコントロールとキレで、打者を三振に取るようなものだ。 何はともあれ、まだまだ新しい悪行のアイデアが出るのだから、 まだまだ『桃太郎電鉄』は行けそうである。 午後2時24分。東京駅着。 東京駅で、福ちゃんと別れる。 午後3時。自宅に戻る。 グルメ・貞子がいた。 「おまえのせいで、こっちは旅行は中止になるは、風邪引くは、大 変だったんだぞ…」と言おうとする間もなく、 「さくちゃん、腹減った!」 それが、1週間ぶりに会った父君に開口一番言う言葉か! 「さくちゃん、お寿司食べたくない?」 うるさい! うるさい! 無理やり買ってきた、「生八橋の焼き芋味」でも食べろ! お土産をあげたら、おとなしくなった。 ほとんどこいつは動物だ。 「さくちゃん! 焼き芋味おいしかったよ!」 え? あの生八橋おいしかったの? 「さくちゃん、やっぱりきょうはお寿司食べに行こうよ!」 おまえ、文章のつじつまがまったく合っていないよ! それにしてもグルメ・バカ娘に、何度も連呼されると、次第に私 もお寿司が食べたくなってきた。 そういえば、最近六本木の「兼定(かねさだ)」に行っていない なあと思ったのが、いけなかった。すでにグルメ・バカ娘の術中に はまってしまっている。 午後5時30分。六本木「兼定(かねさだ)」に家族3人で行く。 あいかわらず見事なおいしさ。ヒラメ、大トロ、昆布しめ、やわ らかいタコ、いずれも見事。 でもお客さんでいっぱいなので、どうしても握るスピードが遅く なって、次のネタが出てくるまでに時間が空いてしまう。 ガバガバ食べたい、わが家族としては、もうひとつ満足がいかな い。満腹になる直前で、ついに食べるほうを断念する。 食後、本屋さんに寄って、『新そば読本』など買う。 寿司屋の帰りに、そばの本を買うなよな!と、誰かツッコミを入 れてくれ! 午後8時。帰宅。 たまっているメールを処理したり、ビデオ見たり、手紙読んだり、 きょうは雑用で終了しそうだ。 最古のさくまにあ・戸田圭祐に言わせると、私の雑事というのは、 サラリーマンにとっては、仕事じゃないですか?というのだが、文 筆業はなにしろ、文章を書いて、初めてお金になる。資料を読むの だって、雑事でしかない。 まあ、自由業というものは、そういうものだ。
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