1月27日(木)


 朝から、憑りつかれたように、『さくま式人生ゲーム2(仮)』の
メッセージ作り。
 今の私は、意地でも完成させたいオーラが、漲(みなぎ)ってい
るのだ! ぼううううう〜〜〜っ!

 午前11時30分。白金台の「カフェ・ラ・ボエーム」で、おな
い年の従兄弟、藤岡孝章に会う。
いとこ
 現在、藤岡孝章は、ソニー・ミュージック・エンタテインメント の部長である。  おない年が、管理職と聞くと、年を取ったものだなと思う。  藤岡孝章はその昔、まりちゃんズというバンドで、デビューして 『尾崎家の祖母』という、知る人ぞ知るヒット曲を持っている。バ ンド解散後、ソニーのディレクターになり、シブがき隊を担当した りした。  のちにわかったことだが、シブがき隊のバックバンド「シブ楽器 隊(笑える名前でしょ?)」にいたのが、宮路一昭くんである。  この親戚のおない年の男が、いち早く芸能界にいたことは、私が この業界に進もうかなと思ったときに、大きな発射台となったこと は確かである。まったくこの業界に知り合いがいなかったら、やっ ぱりめざしてなかったかもしれない。  子供の頃、よく知っている人間が、芸能界に入れば、やっぱり自 分も少なくとも、行ってもいい世界なんだろうなという認識は持て たはずだ。そういう意味では、この従兄弟には感謝している。  とはいえ、あまりにも近い存在なので、会うのは、いつも4〜5 年に一度である。先日の出版パーティには来てくれたんだけど、と てもゆっくり話すヒマがなかったので、こうして、約1ヵ月後に会 うことになった。  親戚なので、お互いの家庭の話などしながら、世間話。  ほとんど親戚付き合い自体しない私としては、珍しくよくしゃべ ったと思う。  うちの娘の話をすると、すぐ「血統だな」と言うが、私と娘は血 が繋がっていないと何度も言うはめに。本当に私と娘はよく似てい ると思う。将来が大変だ。  午後2時。渋谷に出て、東急百貨店本店で、布団などお買い物。  午後3時。帰宅。  放送作家の福本岳史くんを、さらに威嚇すべく、『さくま式人生ゲ ーム2(仮)』のメッセージ作り。がしがしっ! がしがしっ!    夕方から、嫁とグルメ・バカ娘は、京都の魚津屋さんで知り合っ た着物デザイナーの人の個展を見に、日本橋まで行っている。  午後6時30分。嫁と娘と銀座で待ち合わせる。  いなにわうどんのお店に行こうとして、道を歩いていると、嫁が 「福光屋(ふくみつや)」というお酒を売っているお店に入りたいと 言い出す。  嫁はそんなにお酒が好きなわけではないのだが、そのお店はたしか にシャレた内装のお店なので、まったく下戸の私も入ってみた。 「加賀鳶(かがとび)」という名前の日本酒のデザインがよかったの で、嫁に買わせる。私は飲まない。  お店の人が、2階で和食のお店もやっていますと言う。   言ったとたん、ひさびさにグルメ・バカ娘のセンサーが激しく動 き出した。 「さくちゃん、このお店おいしそうだよ、行ってみようよ!」  このグルメ・バカ娘の「おいしそうだよ」は、ハズれたことがな い。どうして学校のテストの山はハズれまくりなのだ?と聞きたい くらい、食い物に関してはハズさない。  というわけで、予定を変更して、2Fの「瑞秀(みずほ)」という お店に入る。  一見、カウンターバーのように薄暗くて、それでいて上品なお店 だ。お客さんが、銀座の画廊店主みたいな雰囲気の人ばかり。  なのに和風料理としては、むちゃくちゃ値段が安い!  しかも味がいい!  キレのいいシュートといった感じの料理が、テンポよく運ばれて くる。  寒ブリのみぞれ和えがうまったなあ!  寒ブリの刺身に、見事に脂が乗っていて、大根おろしを上に乗せ て食べる! んまい! んんまい! んんんまい!  これはものすごいめっけものだ!
瑞秀 瑞秀 瑞秀 瑞秀 瑞秀 瑞秀 瑞秀 瑞秀
 ひさびさに、「天ぷらの近藤」「鮨金」に続いて、銀座で、意気込 んで来たいお店の三番目になりそうだ!  10勝投手誕生の瞬間だねえ!  このお店を「川村丈夫」と名づけてあげよう! これがわかるのは 横浜ベイスターズ・ファンだけ!  午後9時。帰宅。 『さくま式人生ゲーム2(仮)』のメッセージ作りの進み具合を、きょ う2度にわたって、福本岳史くんにメールを送って、いじめ抜いた私 は、さらに彼を困らせるべく、『さくま式人生ゲーム2(仮)』の メッセージ作りを進める。  はっきりいって、私は卑劣な男。  彼がきょうやっている仕事は、『有限会社 桃太郎商店』の台本だ ということを知っていて、こうしていじめている!  それもこれも福ちゃん、君が安易にゲームのメッセージを増やそう といった天罰だあ! 昨日の日記を見て、福ちゃんに励ましのメール が2通来てるそうだぞ! がんばりやー!  さ〜て、私はさらにもうひとふんばり!  明日の『有限会社 桃太郎商店』の録音現場で会ったときの福ち ゃんの顔が楽しみである…。
 

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