1月15日(土) 京都のマンションで、午前6時起床。 昨日書いた日記をインターネットで送ろうとするが、何度やって もソネットにアクセスすることができない! またVAIOが故障か? と前回の九州旅行でのトラブルが思い出される。 午前7時50分。ショッカーO野くんと、福本岳史くんが来る。 福本岳史くんはこのあと東京に戻る。 「僕がVAIOを東京まで持って帰りましょうか?」 故障したVAIOをこれからずっと九州まで、がらくたのまま持って いくのは、ただ重いだけである。 ショッカーO野くんが「でも、きょう戸田圭祐に会ったら、VAIO が直るかもしれないんですよね?」 戸田圭祐ねえ……………、ははは。思わず「とても無理!」とい う字幕が、東映映画のオープニングみたいに、ざっぱ―――ん!と 脳裏に押し寄せていた。 持って帰ってもらうか…。 でもなあ、PHSカードの赤い電気は点滅しているし、マイドキ ュメントで、日記を書くまではできている。ソネットへ「接続」と いう文字までは押すことができる。だったら、メモ用につかって、 京都に戻ったらまたタニヤマ無線の鈴木千華雄くんのところに持っ て行って、昨日の日記を吸い出してもらうなりしよう! というわけで、荷物を福本岳史くんに持ってもらい、本当に福本 岳史くんが京都まで来たというアリバイ写真を本能寺の前でデジカ メして、3人で御池地下街の「カスケード」まで行く。ピンぼけですが、左から福本岳史くん、ショッカーO野くん おなじみモルトくるみパンのおいしいお店だ。お店で買ったパン をテーブルで食べられるので来たのだが、今は午前8時。モルトく るみパンは、午前9時に最初の焼き上がりになるから無いというで はないか! くそーーー! また買えないのかー! どうも最近こ のパンと相性が悪いなあ。 このパンのために、ショッカーO野くんたちとの集合をこの時間 にしたのに! 午前8時40分。京都駅。早く着きすぎてしまったので、お茶を 飲む。 ショッカーO野くんは、もう知るひとぞ知る有名業界人だが、 14〜5年前、うちの社員だった(『さくまあきらの正体』を参照 してください!)。 今も『桃太郎電鉄V』なんかで、トンネル堀りレースの司会者な どで、ゲームに出演してもらっている。この出演、いつも無料出演 なので、今回初めてお礼の旅行となったのである。さらにもうひと つ、ショッカーO野くんが社員だった頃、学生アルバイトで来てい た男がいて、その男がのちに、テレビ長崎のアナウンサーになって、 フジテレビの『NG大賞』で、おもしろい地方局のアナウンサーと して、テレビに出るようになった。 そいつをショッカーO野くんと、いじめに行くというのが、今回 の旅。この男とは明日会う予定。まずは博多へ向かわなければ…。 福本岳史くんとは、改札口で別れる。 午前9時12分。のぞみ3号に乗る。 午前9時28分。新大阪で、最古のさくまにあ・酔いどれ戸田圭 祐が乗り込んでくる。長崎行きのメンバーが揃う。 車中、ショッカーO野くんとこうしていっしょに旅行するのは、 14〜5年ぶりなので、すっかり昔に戻って、マシンガントークの 応酬!笑い転げ、私はへとへとになってしまう。 戸田圭祐に言わせると、ずっと脇でラジオを聞いているようだと のこと。 午前11時53分。あっというまに博多に着いてしまう。 本当にショッカーO野くんと、ギャグ合戦をやってしまったため に、へばる。昨日の『有限会社 桃太郎商店』の録音を24時間続 けているようなへばり方だ! 午後12時。博多ハイアット・リージェンシーホテル。 ホテルにチェックインして、戸田圭祐が私のVAIOを見る。 「ん? このソネットを繋ぐ電話番号に、東京の03が付いておま へんのですが…。これに03を付け足せばいいだけやないですか?」 「戸田圭祐! そんな簡単なわけないだろう! 昨日までこの電話 番号で繋がっていたんだからだから、電話番号が原因なわけないだ ろ!」 「戸田圭祐! 本当だろうな! 違ってたらこのショッカーO野の ケリが飛ぶぞ!」 「あわわわわ….そ、そない言われても…」 あれ? おや? 「さくまサン! 繋がりましたよ! ふひゅーーーっ!」 戸田圭祐がほっと胸をなでおろす。 …って、ことは単に電話番号の03を付け足しただけ? 昨日から50回くらい接続しては、応答無しのメッセージを見た 私の立場は? 何がエラー456だ! エラーの番号を言えるくらいなら「東京03を入れてください! ここは福岡です!」くらい言え! …と、ひとりしきり八つ当たりしたのち、ホテルのタクシーに乗 り込む。 午後1時。西鉄福岡駅。 午後1時30分。西鉄久留米駅。 ナムコの岸本好弘さんから教わった久留米ラーメンのお店を探す。 国道322号線を日田方向、山口銀行を左に曲がって、ちょっと ゴチャゴチャ100メートル。 ゴチャゴチャ100メートルという表現が、いかにも岸本さんら しくていい。 あった、あった!午後2時。大砲ラーメン。 久留米ラーメンは、現在すっかり定着した博多ラーメンとルーツ と呼ばれている。 こってりした味だけど、さっぱりしたスープでおいしい。 「これは病み付きになっちゃうなー」とショッカーO野くん。 「チャーシューがやわらかくておいしいでんなあ!」と戸田圭祐。 あいかわらず戸田圭祐の基準は、やわらかいかどうかである。 ふつうチャーシュー自慢のお店は、分厚くスライスするものだが、 このお店は薄く薄く切って、その分枚数を多くしているのがうれし い。チャーシューが甘い。 あー、スープを飲み干したいー! 脇でショッカーO野がすっかりスープを飲み干している〜。 我慢、我慢! せっかく常人の血圧に戻った数値を維持したい! 午後2時50分。田主丸駅と書いて「たぬしまる」駅と読む。 河童で町おこしをしているだけに、駅舎自体が河童の顔になって いる。 かといって、駅からずっと、河童のお土産品を売っているのかと 思ったけど、町にはまったくそういう店はなく、道路のところどこ ろとか、橋の欄干に河童が彫られていたり程度で、もうひとつ盛り 上がっていない。惜しいなあ。 タクシーでぐるっと、町を一周してもらう。 この町は、河童以外だと、紅乙女と呼ばれる焼酎と、巨峰ワイン くらいしか名産は無いようだ。柿、ぶどう、花梨といったフルーツ 園がけっこうあるようだけど、ほかの町より抜きん出ているわけで はないようだ。 どうも『桃太郎電鉄』の物件駅に昇格するほどの町ではないよう だ。 河童のデザインの駅舎だけに、もったいないなあ。 でも☆印カード駅かなあ? 午後3時38分。ゆふ4号。1日2回くらい田主丸に停車する特 急があったので乗って、博多に向かう。 午後4時40分。博多駅着。 おなじみの博多駅お土産品売り場に行き、みんなの予想通り、松 露(しょうろ)饅頭のお店に行く。しかしきょうはすでに焼き立て は終了だそうだ。がっくり! せっかくショッカーO野くんに食べさせてあげたかったのに! 午後5時。ちょっと早いけど、予定通り「河太郎」に行く。 もはやこの日記を読んでいる人には、説明入らずのイカの天ぷら がめちゃめちゃ美味しいお店。 プロスペックの江口貴博(貴ちゃん)と仲のよい花絵さんはいま すか?と聞くと、12月いっぱいでお店を辞めてしまったそうだ。 え〜、12月になかよくなったばかりなのに! 貴ちゃん、花絵さ ん、辞めちゃったんだってさー! ちょっとびっくり! ショッカーO野くんは、このイカの天ぷらは初体験。 ショッカーO野くんも日本中美味しい物を食べ歩いているけど、 さすがにイカの天ぷらにはまいったようだ。 「これはうまいや! う〜ん!」 と言ったところで、お店に入って来た人の顔を見ると、これが ハドソン副社長の中本伸一さんではないか! おなじみ、ばったり病だ! 「あれ〜、さくまサン、やっぱり来てるんだあ! 明日のイベント 来るんでしょ!」 「えっ? そういえば、そんな話を聞いていたような….ごめんな さい! 明日午前中の長崎行きのキップをさっき買って来てしまっ たんです!」 「それは残念だねー!」 ハドソン副社長の中本伸一さんと たしかワールドホビーフェアとかいうのが、あったような気が…。 でも明日早く長崎に行かないと、明日は日曜日、月曜日になると、 長崎のどの博物館もお休みになってしまって見ることができないの だ。月曜休みは博物館の お約束だからね! というわけで、中本さん、ごめんなさい! 最近お気に入りのイカ丼も注文する。 イカの天ぷらに驚いたショッカーO野くんが、イカ丼にさらに驚 いていた。 ゴマだれに、卵を溶くというのが、めっぽう気に入ったようだ。 よかった、よかった! 『桃太郎電鉄』シリーズ出演料代わりのお 礼には、ここのイカがいちばんだと思っていただけに、ほっとする。午後6時30分。お店を出ようとすると、ちょうど入って来た お客さんが「あ〜、やっぱり! さくまサンに、戸田さんに、 ショッカーO野さん!」 「え? あれ? またハドソンの人?」 「いえ、あの真咲素(まさき・もと)と言います!」 「え? あの戸田圭祐とかの掲示板とかで見かける真咲くん?」 「はい! さくまサン来るんじゃないかと思って、夫婦で狙って来 ました!」 「うれしいねえ! 狙ってくれたんだ!」 ばったり病、第2弾である。 奥さんは写真に写るのを嫌がったので、真咲素くんといっしょに 記念撮影! さくま、真咲素くん、ショッカーO野くん こういうインターネットっていいねえ! ショッカーO野くんが「こういう風に苦労して来てくれる子は うれしいですよねえ!」と言う。その通りだと思う。 私はいつも日記にはっきりと日程を書かずに、頭を働かせれば狙 えるように、書いている。そのシグナルをこうやってキャッチして くれると本当にうれしい。 最古のさくまにあと呼ばれる戸田圭祐も、実は20年前くらいに このパターンで、京都叡山鞍馬駅前で、待ち伏せしていたのが、高 く評価されて、今日に至っているのである。 最近ついに、さくまにあ日記が立体的な動きを見せ始めてきたの で、うれしい。 食後、グランド・ハイアットホテルの喫茶で、お茶を飲み、私は ホテルに戻り、戸田圭祐とショッカーO野くんは夜の博多へ! 朝まで飲むのかな? 午後8時。ハイアット・リージェンシーホテル。 おお! VAIOがちゃんと動く。よかった、よかった! 昨日4時間くらいしか寝れなかったら、きょうはマッサージして もらって、早く寝よう。明日もショッカーO野くんとのギャグ合戦 で相当体力を消耗すると思うから。
-(c)2000/SAKUMA-