1月11日(火)

 
 午前3時頃に目が覚めたので、『さくま式人生ゲーム2(仮)』の
メッセージ作業を始める。
 きょうの会議にどっさり原稿を書いて、放送作家の福本岳史くんを
ビビらせようと思ったのだが、なかなか進まない。悔しいなあ。

 午前11時。またまた西武新宿線上井草駅前の「細見デンタルクリ
ニック」に行く。私がなかなか治療に来る時間がないことよく知って
いる院長先生が、なんと1時間半に渡る大工事をいっぺんにやってく
れた。
 歯医者さんにちょびちょび行くあの過程をまとめてやってくれたのだ。

 午後12時30分。一挙に型取りまで終了!
 終わったときには、客室に誰もいなかった。昼休みの時間に食い込
んでやってくれたのだ。本当に申し訳ない。

 午後1時。西部新宿駅サブナード「牛タンのねぎし」で食事。
 午後2時。帰宅。きょうは『さくま式人生ゲーム2(仮)』の会議。
玄関で土居ちゃん(土居孝幸)と出くわしたので、そのまま家の並び
の喫茶店「らぴす」サンに入る。血圧の薬を飲みたかったのだ。
 そうこうするうちに、タカラの高田さん、宮路一昭くん、VR―1
の荒堀明弘くん、タカラのくぬぎふみたかサンまで、喫茶店にいる私
たちを見つけて入ってくる。
 家で会議するはずが、「らぴす」サンで会議になってしまった。

 ちょうどいい機会になった。というのも、タカラのくぬぎふみたか
サンが来月付けで、タカラを退社することになり、3月には、高田さ
んも退社することになったので、お茶を飲みながら、湿っぽくならず
に、話を聞くことができた。
 ゲーム業界は、去年の秋ぐらいから、めまぐるしく変化している。
 私のまわりは、まったく無風だったのだが、いよいよ風が吹き始め
た。
 それでもまだまだゲーム業界は、レコード業界、出版業界より、ま
だまだ景気がいいほうだ。

 午後3時30分。放送作家の福本岳史巨匠も、みんなが「らぴす」
サンにいることに気づいて入って来た。一瞬家に誰もいないので「ん?」
と思ったようだが、あいかわらずデブのわりに、冷静沈着、敏捷果敢
な動きをする男だ。

 午後4時。場所を自宅に移して、現在製作中の『さくま式人生ゲー
ム2(仮)』をみんなで見る。グラフィックなど、まだまだまとまり
のないところをみんなで協議する。遅れてきた福本岳史くんが、建設
的な意見を言って、ポイントを稼ぐ。
「さ、さくまサン! ポイントを稼いだって言われるのは、うれしい
んですけど、僕だけ何でポイント性なんですか?」
「まあ、スーパーの割引きスタンプみたいなもんだよ! 10ポイン
トたまったら、メモリーカードぐらいはあげるからさ!」
「そ…、そんな!」

 午後5時。みんなで私が買って来た『シェンムー』を見る。
 さすがに見事なグラフィックだ。
 う〜ん。皺のひとつひとつまでよく動くなあ。
 走ってるところがなめらかで気持ちそさそうだなあ。
 でもこれで駅伝のゲーム作ってくれたらいいなあ。
 私はこのCGで『鉄腕アトム』を作ってくれたらよかったと思った。
全世界マーケットでも爆発的に売れたと思う。『機動戦士ガンダム』
でもよかったな。『ドラゴンボール』のほうが、ヨーロッパで売れるか!?
 どうも横須賀という舞台が、このCGの能力にふさわしくなかった
気がする。
 制作費70億円で、横須賀が舞台と聞くと、港に潜水艦のすごいの
が何10隻もざっぱーーーん!と浮上して驚かせてくれるのを期待し
ていた。
 表現の難しい日本家屋の木の感じをよくCGで再現したことを評価
すべきなんだろうなあ。実験作なだけに、成功はしてほしい。

 午後7時。土居ちゃん、宮路一昭くん、家族3人で、西麻布の「内
儀屋(かみや)」に行く。土居ちゃんはこのお店の料理が大好きだ。
 いつものように、「宮路一昭くん、九州で5キロ太る話」で盛り上
がる。
 4〜5日間で、5キロ増はどう考えても変である。

 午後8時30分。西麻布「TeTes」でお茶。
 今後のゲームのラインナップについての会議。流動的なゲーム業界
の趨勢に合わせて、臨機応変に方針を変えて行かないといけない。昨
年暮れの方針が、今年に入ったとたん、もう通用しなくなりそうなのだ。
 なのに2年後、3年後の計画を立てないといけないのは、けっこうし
んどい。
 プロ野球でいうところの、ストレートを待ちながら、変化球も打てる
打法にしておかないといけないようなものだ。
 ストレート(PS2)、変化球(セガ、任天堂)。
 何が来るのか読みが難しい。

 午後9時30分。帰宅。
 明日はハドソンと会議。新年早々、えらいこっちゃの毎日だ! 歯医
者もレギュラー化してるし。おっとまだこれから『さくま式人生ゲーム
2(仮)』のメッセージをやらなきゃ! 事態急変で、とても旅行前に
メッセージを完成させてから行く計画は下方修正になりそうだ。
 この年齢で、そんなにばりばり仕事できまシェンムー! ちょっと
おやじギャグだったな、許せ!
 また明日!
 

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